【2651】ローソンの業績・決算と株価~2018年Q4~事実上の減配発表で下落一段と加速

【2651】ローソンの業績・決算と株価~2018年Q4~減配発表で下落一段と加速

 

今回はコンビニ業界3位ローソンの直近決算・業績についてみていきます。

なお、以前の決算および事業内容の解説などについては以下の記事をごらんください。

【2651】ローソンの業績・決算と株価~コンビニ業界3位 FC(フランチャイズ)向け支援金が利益を圧迫

 

とりあえず、みていきましょう。

 

ローソン2018年Q4決算・業績

二期連続で売上増、利益減

三菱商事の傘下に入ったあとだが、まったく良い所がない。

 

ローソンの損益計算書をみてみる。

売上、売上総利益ともに増加している。

加盟店からの収入、その他営業収入なども増えている。

営業収入合計も増えている。

 

にもかかわらず減益なのは、販売費および一般管理費の急増が原因。

 

 

ローソンの販売費からみえるFCの疲弊状況

こちらがローソンの販売費および一般管理費の内訳。

全体的に増加しているのだが、とりま営業総収入の伸びが6.6%であるので、これ以上に大きく増えているところが問題ということになる。

具体的には、減価償却費、広告宣伝費、販売手数料だ。

このうち、広告宣伝費はそもそも前年が低かったから除外。

問題は減価償却と販売手数料。

このうち減価償却は、ここもと積極的に金融端末やレジなどを更新している、店舗レイアウトの変更などで(主に直営の)コストが増加していることが原因ではないかと思われる。(具体的なものはわからない。)

またもう一つの販売手数料だが、こちらは販売奨励費みたいなもの。

ようするに、FC店舗などを中心にして人手不足で減益傾向が続いているところが多く、それらを支援するために積み増している形。

結局、この販売手数料の伸びは50億円弱かかっているわけだが、これは今期営業減益幅とほぼ一致する。

つまり、ローソンにとって一番想定外だったのは、このFC店舗の疲弊だったのではないかと思われるわけです。

 

 

 

ローソンは出店を大幅に削減、純増ゼロへ

なおローソンは、こうしたFCの疲弊を受けてグループの出店数を今期減少させることを決定。

さらには店舗撤退によって「悪い立地から良い立地への移動」をFCオーナーに促す方針を示している。

また、FCオーナーの規模を大きくすることを目的とするとのことで、そういったプログラムを近いうちに発表する模様。

 

とりあえず、ローソンは支援金の増大を抑えたい。

FCオーナーにもっと効率的に働いてもらうことがローソン自体にとっても経営上好ましいとの判断に傾いている模様。

 

 

 

 

ローソンのセグメント別業績

なお、こちらがローソンのセグメント別業績。

一見してわかるとおり、主力の国内コンビニ事業が一番の減益要因。

成城石井事業とユナイテッドシネマ(映画事業)などは堅調

海外事業(その他事業)も赤字を減少させてきている。

金融事業はローソン銀行の立ち上げに手間取り赤字だが、これは想定通りとして・・・

やはり、本業の問題が大きくなっているように感じます。

 

 

ローソンの株価~減配で大きく下落

かつて消費の勝ち組、優等生とされてきたコンビニですが、見事にその期待が壊されています。

ローソンの業績は非常に低迷しており、配当も減らすことがほぼ決定しました。

今後は一般株主のことよりも、親会社の三菱商事への忖度や利益貢献などが中心になっていくと思われ、ガバナンス上の懸念も生まれててきています。

今期は店舗増ゼロですので、既存店の改善が図れなければ大きく業績を落とすことになるでしょう。

また、店舗移動コストもかなり馬鹿にならない金額がかかりそうです。

とりあえず、良いところなしのローソン、個人的には今のバリュエーションではかなり高いと感じています。

あまり、魅力的ではないと思います。

以上。

 

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資行動をお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。

以上。