101の専門学校で留学生が90%超~東京福祉大問題によって目が向けられる偽装留学生ビジネスの実態

101の専門学校で留学生が90%超~東京福祉大問題によって目が向けられる偽装留学生ビジネスの実態

 

 

東京福祉大における留学生大量失踪問題で文科省が重い腰を上げました。

このほど文科省は、全国の専門学校における留学生在籍状況の実態と、学業以外の活動(多くがアルバイト)の状況を把握するために以下の調査を実施。

私立専門学校における留学生の受入れ状況の把握に関する都道府県の取組についての調査結果とそれを踏まえた一層の取組について 文科省専修学校教育振興室 2019年4月25日発表

これによると私立専門学校における外国人留学生の受け入れ状況は

 

私立専門学校数は 2610校

うち留学生を受け入れている学校は 871校

うち90%以上が留学生である学校は 101校

うち全生徒が留学生である学校は 45校

 

となっており、私立専門学校の経営に外国人留学生の存在が非常に大きなウェイトを占めていることが明らかになりました。

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東京福祉大に限らない専門学校の経営問題~留学生に頼らざるをえない実情

専門学校を取り巻く環境は、非常に厳しいものとなっています。

少子高齢化が進み、日本人だけでは生徒数を満たせない専門学校が増えています。

こうした専門学校の多くが、留学生を集めることで経営の維持を図っており、留学生を集める手段も、日本語学校へ紹介費用を払ってまで行うなどエスカレート。

しかも、日本語学校を出て専門学校に入った人数のうち、日本語資格を十分に満たす者(日本語能力試験N2以上の日本語レベル)は半数以下とのこと。

 

2016年度 N1、N2合格者 13538人

一方、日本語学校から専門学校、大学への進学者 30618人

出典:出井康博著 移民クライシス

 

こうした実情は以下の記事にも書かれています。

平成、激変の専門学校 外国人留学生急増、岐阜市の服飾系学校 岐阜新聞Web

記事によると

 

平成時代に外国人留学生が大幅に増え、姿を一変させた専門学校が岐阜県内にある。岐阜市竜田町の服飾系学校の老舗コロムビア・ファッション・カレッジは、2学年で学生182人のうち日本人は3人。本年度の入学生103人は全て留学生だ。(中略)留学生の狙いは卒業時に取得できる大学3年次の編入学資格。

 

またこの記事では、日本語学校を自前で併設して生き残りを図る岐阜市吹上町のToBuCo専門学校の例なども紹介されています。

もはや専門学校の存続が目的化していて、そのために外国人をあてがっている状況なことがわかります。

 

 

東京福祉大に通う外国人留学生の目的はアルバイト?

東京福祉大問題でみえてくるのは、外国人留学生の本当の留学目的です。

彼らの多くは決して日本で高度な知識、技術を学びたいなどという意識で留学していない可能性があります。

日本語学校に通っても日本語をしっかり学ばない、専門学校に行っても専門的知識をちゃんと習得しない、そんな学生が多いといわれています。

外国人留学生の目的はひとえにアルバイトによる収入であることが指摘されています。

留学生には資格外活動として週に28時間までのアルバイトが認められており、それが目的で来日する者が多いといいます。

そのため、多額の費用を現地のブローカーに支払って、日本への渡航をしている例も多いといいます。(そのため、彼らは借金漬けとのこと)

 

しかも、この週に28時間という労働時間制限は実質守られていないのが現状で、そうした問題の管理を行う労働基準監督署もちゃんと機能していないとのこと。

コンビニ業界、食品加工業界など人手不足に悩む労働現場は増えており、そうした産業界に配慮して行政も見て見ぬふりをしているのが実情ということです。

結果、留学生はちゃんと勉強せず、ただ奴隷のように働いて、本国に送金して、日本を去る・・・もしくは不法滞在を続けることになります。

それを日本の政府、産業界、現地ブローカーがグルになってやっているのが現状・・・

 

 

東京福祉大における留学生問題は専門学校だけでなく、日本語学校から大学まで至る問題

なお、東京福祉大で明るみになった偽装留学生ビジネスは、決して東京福祉大という専門学校団体だけの問題ではないとのこと。

日本語学校はこの10年で二倍にも増えましたが、そのビジネス手法は

 

現地ブローカーが日本語学校に留学生を紹介してキックバックを得る

⇒ 日本語学校が専門学校に留学生を紹介してキックバックを得る

⇒ 専門学校が大学に留学生を紹介してキックバックを得る

というものとのこと。

要するに人をモノのように右から左へ流しているだけといえますが、非常に危ういビジネスモデルとなってきています。

なお、こうした実情に関しては、

出井康博氏の近著 移民クライシス に詳しく載っています。


移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線 (角川新書)

氏は「長寿大国の虚構 偽装留学生、奴隷労働の最前線」などでも偽装留学生ビジネスの取材をしていましたが、今回はとくにその違法性にフォーカスした内容となっており、この分野の必読書ではないかと思われます。

 


長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う

 

 

 

東京福祉大における留学生問題は上場企業に波及するか?

とりあえず、ここで上場企業で日本語学校ビジネスを展開している企業について紹介します。

実は、日本語学校のなかにはここもと日本語学校ビジネスの旨みに気づいて、そうした事業を拡大している企業も出てきています。

 

4668 明光ネットワークジャパン・・・明光義塾

 

2179 成学社・・・開成教育セミナー、開発教育セミナー、フリーステップ

 

4735 京進

 

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このなかでどこが偽装留学生ビジネスに加担しているかは各人でご察しといったところで。

とりあえず、以上です。