ブルーイーネクサス(BluE Nexus)に未来はあるのか?~技術的なことは正直わからんが・・・
デンソーとアイシン精機がブルーイーネクサス(BluE Nexus)を設立
昨年2018年年末、トヨタ自動車の実質的子会社であるデンソーとアイシン精機が、共同で駆動モジュールの開発会社、ブルーイーネクサス(BluE Nexus)を設立すると発表しました。
このブルーイーネクサス(BluE Nexus)は、デンソーのインバーター技術とアイシン精機のトランスミッション技術の融合を目的として設立され、
ゆくゆくはトヨタグループ全体のモーター技術と合わせて、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車などの駆動部の開発を担っていく・・・そんなことを期待されて、作られて事業部とのことです。
ブルーイーネクサス(BluE Nexus)は将来性があるのか?
で、今回この記事を書いているのは、質問箱に以下の質問をいただいたからです。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1127253914942824449
「ブルーイーネクサス(BluE Nexus)は将来性があるか?」
というご質問です。
質問箱のご利用ありがとうございます。
回答にも書きましたとおり、自分はガチなエンジニアではありませんから、具体的な技術に対する評論はできません。
また、ブルーイーネクサス(BluE Nexus)は2021年~2022年をめどにトランスミッションを利用したEV車の駆動部を開発すると言っていますから、そもそもモノがない現時点では何ともいえません。
ですからあくまでも憶測と感覚でしかお答えできないのですが・・・
個人的に、ブルーイーネクサス(BluE Nexus)にはまったく期待していません。
まず、なぜトランスミッションを利用しようとしているのかわかりません。
日産リーフは多段変速機を利用していません。
それでも自動車として成立しています。
純粋にモーター駆動ならリバースギアもいりませんし、非常に単純化されるはず。
そんなことはトランスミッションの専門家であるアイシン精機自体がよくご存じのはずです。
もちろん、多段変速機構を組み合わせることでモーター部を簡略化、低コスト化することは可能でしょう。
また時速130㎞超の高速走行が必要な環境ならば、モーターだけに頼るのは、できないわけでないにせよ、高コストになりすぎると思います。(果たして時速130㎞が必要な状況がどれだけあるかにもよりますが。)
はっきりいって、多段変速機の重さとコストを省こうというのは世の流れであり、アイシン精機などトランスミッションメーカーの提案は、無駄な足掻きにみえてきます。
ブルーイーネクサス(BluE Nexus)よりインホイールモーターの方が夢がある
ぶっちゃけた話、個人的にはブルーイーネクサス(BluE Nexus)は寄り合い所帯にしかみえません。
実際、デンソーは以前2018年8月27日、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトと合弁を設立する発表会のさなか、以下のようなスライドを掲げてプレゼンテーションをしていました。
(デンソー プレゼン資料より)
事業統合の目的を
「勝ち負けでなく、生きるか死ぬか」
だと言っているのです。
自分はこれを見た時に頭が痛くなりました。
そんなイワシやインパラの群れみたいなヨワッちょろい集団に突き抜けたエンジニアがやってくるだろうか?・・・と。
良いエンジニアっていうのは、基本的に守りが嫌いです。
攻めて、攻めて、既存の仕組みや価値観をぶっ壊しながら、安穏としている連中に泡吹かせることを楽しみに、突き進むのが大好きな人達です。
イーロン・マスクみたいな人です。
あぁいうのが、いかにもなエンジニアです。
守りに入った組織なんてクソ喰らえって感覚です。
デンソーの経営陣は、そういうのがわかってないなぁと思います。
技術者は、生きた証を技術の形で残したい。
実現可能か不可能かに挑むような、そんなものにこそ挑まなければモチベーションが維持できません。
その意味で、個人的にはインホイールモーターなど、まったく多段変速機を葬り去るような技術の方が、より面白く感じます。
あぁいうある意味で無茶な技術の方がいい技術者が集まります。
守りに入ったら、人も組織も死にます。
それは、日本の家電業界のこれまでの流れを見ればわかるはずです。
いくら液晶事業を統合しても、半導体事業を統合しても、結局世界トップレベルにならない・・・どころか死に体な状況です。
高コストで官僚化した守りの組織からはろくなものが出てこないのは世の常。
そこらへんをブルーイーネクサス(BluE Nexus)からは感じてしまします。
杞憂ならいいんですけどね。
以上です。