【海運】世界最大級の鉄鉱石運搬船『VALEMAX(ヴァーレマックス)』

【海運】世界最大級の鉄鉱石運搬船VALEMAX(ヴァーレマックス)

 

資源メジャーのVALE、自前の船『VALEMAX(ヴァーレマックス)』で鉄鉱石を運ぶ

資源メジャーのVALEは、自前の鉄鉱石運搬船を稼働させています。

船の名前は『VALEMAX(ヴァーレマックス)』

世界最大級の船であり、この鉄鉱石運搬船で中国とブラジルをピストン輸送しています。




 

 

 

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』は世界最大級の資源運搬船

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』はとにかくデカいです。

こちらのサイトでその規模のデカさをみることができます。(VALE社のサイトです)

長さはエッフェル塔がすっぽり収まる大きさ

幅はサッカーコートがおさまる広さ

高さは30メートル(10階建てビルの高さ)

広さはテニスコート7枚分

総トン数は38万トン~40万トン

だそうです。

 

デカいです。

これを22人のクルーで動かすそうです。

10.3mのプロペラで速度15ノット、28㎞/hで航行できるそうです。

めっちゃ効率的です。

 

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』は韓国大宇造船(DSME)と中国熔盛重工(RSHI)が建造

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』は韓国大宇造船(DSME)と中国熔盛重工(RSHI)が建造しました。

クラスとしては、VLOC(very large ore carrier)とULOC(ultra large ore carrier)のあいだくらい。

VALEMAXとクラス名を名付けました。

将来的にはULOC(60万dwtクラス)のものを検討中とのことです。

ちなみに韓国大宇造船(DSME)と中国熔盛重工(RSHI)も、この『VALEMAX(ヴァーレマックス)』の建造に絡んでいろいろスッタモンダがあり、公的管理下になってしまいました。

 

 

 

 

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』は20隻稼働

この『VALEMAX(ヴァーレマックス)』

図体の大きさだけではなく、その船隊規模もまたデカいです。

規模としては、現在60隻程度が稼働中です。

現状ではたぶんほとんどが傭船契約で回されており、既存の船会社に利益が落ちています。

しかし、最近では自社での運行にも乗り出す意図を持っているようで(実際に運行している?)、いろいろとこの業界の大荒れの要因になりそうな雰囲気を漂わせています。

 

ハッキリ言って、もし資源メジャーが自前で運行を本格化させたら大変です。

日本の船会社はキツくなるかもしれません。

 

 

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』だけじゃない?資源会社による自前船運行

なお、こうした資源メジャーによる海運事業自前化の流れは『VALEMAX(ヴァーレマックス)』だけではないかもしれません。

BHPビリトンなどは近距離輸送は自前で行っていますし、以前にロールスロイスと自動運行船の研究などを行っていました。(今も行っている?)

バルク船事業は海運各社の最後の収益の砦みたいな感じになっていますが、それだけ稼げる事業でもあります。

この分野に資源メジャーが目を付けないはずがありません。

 

 

『VALEMAX(ヴァーレマックス)』の規模拡大は日本の船会社にとって脅威

日本の大手船会社、商船三井、日本郵船、川崎汽船は、コンテナ船事業で大赤字を出しています。

自動車輸送は保護主義の流れで伸びが期待できない状況になっており、各社とも資源輸送分野、とくにバルクカーゴ分野を伸ばそうとしてきました。

資源会社による自前での船隊整備は、こうした日本の船会社の収益に少なからぬネガティブな影響を与える可能性があります。

とりあえず、今のところは資源メジャーの自前化は進展していないと思われますが、長期的に見て、これは非常に厄介です。

 

とりあえず、船会社の業績を眺める時には、今後はこうした取引先による自前化の流れがどういう方向に向かうか、よくよく見ていく必要があると思われます。

以上です。