三菱重工、ボンバルディアの小型機事業CRJを590億円で買収~カナディア由来の赤字事業~
三菱重工がボンバルディアの小型機事業CRJを買収へ
先日もお伝えしましたが、カナダのボンバルディアの小型機事業を三菱重工が買収するそうです。
BREAKING | Bombardier sells CRJ program to Mitsubishi
いやはや・・・やめておけばいいのにと思います。
以前書いたこちらの記事でも書きましたが、
三菱重工がボンバルディアから小型機事業を買収か~背景にMRJをめぐる訴訟問題か~
ボンバルティアのCRJ事業はかなり傾いています。
これを立て直すのは本当に大変そうです。
ボンバルディアCRJ事業は国営カナディア由来の赤字事業
ボンバルディアの事業はおもに4つにわかれています。
1.ビジネス航空機事業・・・これは黒字です。
2.航空機設備およびエンジニアリング・・・これも黒字です。
3.鉄道・モノレールなど公共交通部門・・・これが一番の稼ぎ頭です。
4.CRJ事業・・・これが赤字垂れ流し事業になります。
このCRJ事業、もとはカナダ国営のカナディアの事業カナディア・リージョナル・ジェットを引き継いで行われてきたものです。
カナディア・リージョナル・ジェットの頭文字をとってCRJです。
2000年代にはヒット作にも恵まれましたが、近年では生産遅延なども重なり赤字転落しており、
世界的な同クラスの競合激化の影響もあって、今後の収益化も難しい状況にありました。
先に書いたようにボンバルディアは公共交通分野ではかなり稼ぎがよろしい状況で、軸足をそういった方向に向けていきたいボンバルディア経営陣としては、CRJ事業は売却に向けて計画していたと言われています。
三菱重工MRJはボンバルディアから訴えられていた
なお、今回の三菱重工によるボンバルディアCRJ事業の買収の背景には、MRJをめぐる訴訟問題があった可能性もあります。
ボンバルディアは2018年10月19日、三菱航空機にボンバルディアから移った従業員が機密情報を提供して不正利用しているとして、シアトルの連邦地裁に訴えました。
これに対して三菱航空機側もボンバルディアに対する反訴を行い、泥沼化しています。
こうした状況を解決するため、なんらかの手打ちがあった可能性を個人的には予想しています。
かくたる根拠はありませんが、そういうことなんじゃないか、というふうにみています。
もしそういう理由で行われた決断なら、のちのちに大きな問題になってくると思います。
今回の三菱重工の決断、いろいろと厄介かもしれない、とみています。
以上。