日本農産工業の馬用サプリメント「グリーンカル」にテオブロミン混入した経路が判明

日本農産工業の馬用サプリメント「グリーンカル」にテオブロミン混入した経路が判明

 

JRA競走馬薬物騒動~馬用サプリ「グリーンカル」へのテオブロミン混入問題

先月、日本の競馬業界を揺るがす大事件が発覚しました。

それは、馬用サプリメント「グリーンカル」に禁止薬物テオブロミンが混入したというもの。

テオブロミンはカカオやコーヒー、茶、コーラなどに含まれる成分で、カフェインが肝臓で代謝されたあとにも生成される物質。

一言で言えば、馬にとってはドーピング薬とのこと。




 

 

競走馬のドーピング薬「テオブロミン」

このテオブロミンですが、馬が摂取すると心拍数が上がったり、

気管支が拡張されて酸素が取り入られやすくなったりするなどの効果があるとのことです。

つまり、競走馬に利用すればレースを有利に展開する効果があるということ。

 

こうしたことから、テオブロミンはJRAによってドーピング薬に指定されており、いかなる理由があってもレースに出る馬には利用してはならないことになっているとのことです。

 

 

 

テオブロミンが日本農産工業の馬用サプリメント「グリーンカル」に混入

しかし問題はここから・・・

この禁止薬物テオブロミンが、グリーンカルという馬用サプリメント(ビタミン・ミネラル材)に混入してしまっていたのだそうです。

グリーンカルは昔から使われている馬用サプリメント。

作っているのは日本農産工業です。

・・・古くから株をやっている方なら、名前を憶えているかもしれません。

ヨード卵ひかりの会社で、以前は上場していた企業でした。

(いまは三菱商事に買収されて非上場化されています。)

 

グリーンカルは、一言で言えば、アルファルファなどの栄養の高い草を原料にした栄養補助商品で、本来なら何の問題もない商品です。

しかし、今回、このグリーンカルにテオブロミンが混入してしまっていた。

そうとはしらずに、いつも通りグリーンカルを馬に使ってしまった厩舎が多数にのぼったそうで

その厩舎に預けられていた156頭の競走馬がすべて出場停止になるという悲劇に見舞われたとのことでした。

 

 

 

日本農産工業の工場でテオブロミンがグリーンカルに混入した経路は・・・

今回、JRAはテオブロミンがなぜ安全なはずのグリーンカルに混入したのか、その背景を調査したそうです。

その結果判明した事実は・・・あまりにも呆れるものでした。

 

じつは、日本農産工業はグリーンカルの原料であるアルファルファミールをを作るラインで、カカオ豆の副産物を破砕・粉砕する作業を行っていたとのことです。

その粉砕した粉塵成分がアルファルファミールにも混入

これがテオブロミンがグリーンカルに混入した理由だったということです。

 

・・・あまりにもお粗末な理由に、多くの関係者が呆れているようです。

 

 

 

グリーンカルへのテオブロミン混入で被害を受けた関係者にJRAが補償へ

なお、JRAは今回の一連の事件を受け、テオブロミン混入で被害を受けた関係者(馬主、調教師、騎手など)に一定額の交付金を支給するとのことです。

交付金の金額としては、出走レースで3着になった場合の賞金と出走手当になるとのこと。

今回の件では、禁止薬物の混入確認が済む前の飼料がなぜ流通していたのかなども含め、いろいろと疑問が浮上しているようです。

今後はそうしたシステム面の改善も行われていく必要があるとのことです。