コラム

武蔵小杉のタワーマンションや不動産は値下がりすれば買いなのか？～被差別問題と絡めて考察～

武蔵小杉のタワーマンションや不動産は値下がりすれば買いなのか？

 

武蔵小杉のタワーマンションや不動産は買いか？

2019年10月、台風19号が関東地方を直撃。

多くの方がご存知の通り、千曲川など多くの一級河川が氾濫を起こし、各地に甚大な被害をのこしました。

東京都下と神奈川を流れる多摩川もそのうちのひとつで、人気のベッドタウン武蔵小杉でも内水氾濫が発生。

汚水が吹き上がり、地域の道路、建物が汚水まみれになる事態となりました。

さらには、一部地域に建つタワーマンションにおいて地下においていた配電盤などがショート。

電気系統のトラブルからエレベーターが止まったり、ポンプが止まったりしてトイレも流せない事態が発生。

twitterなどのSNSメディアでは、こうした事態を嘲笑うような書き込みも相次ぎ、さながら現代版の被差別地域のような扱いとなってしまいました。

 

そんな状況下、質問箱に質問がよせられました。

うん小杉(武蔵小杉)のタワーマンションや不動産が値下がりすれば買いか？

 

というご質問です。

いつも質問箱のご利用ありがとうございます。

 

先に結論だけ書いておくと、「NO」です。

自分は武蔵小杉のタワマンは、ちょっとやそっと値下がりしたくらいでは買いではない、と考えます。

少なくとも、自分や家族が住むために買うのはやめた方がいい、と考えます。

それは、回答でも書いた通り、「子々孫々まで差別される可能性」があるからです。

 

自分は、今回の災害をみて、非常に感じたことがあります。

それは、被差別問題は、果たして卵が先だったのか、鶏が先だったのか、ということです。

そのことについて、今回は書きたいと思います。

 

 

武蔵小杉のタワ―マンション、不動産は買いではない、と考える理由

自分が

「武蔵小杉のタワマンもしくは不動産を買いではない」

と考える理由は、

「子々孫々まで被差別されるリスクを背負うことになる」と考えたからです。

 

SNSが今ほど普及する前は、災害が発生しても大手メディア主導で

「可哀想な人達に支援の手を」

みたいなキャンペーンがはられ、国民みんなが一体感を持って災害支援のために何かしてあげよう、みたいな流れがあったように思います。

それが、今回はSNS上を中心に、武蔵小杉の被災民を嘲る動きが非常に大きかった。

 

もちろん、これまでも2chみたいな一部掲示板や街場の飲み屋の放談みたいな中では

「ほらみろよ、あそこは昔から氾濫原だったんだ。住むべきじゃないんだよ。だからいわんこっちゃない。アハハ」

みたいなやり取りはありました。

でも、一般的には「そういうことを言うもんじゃない」という意識があったと思います。

 

しかし、SNSが普及したいま、各自の心の中にあった

「だからいわんこっちゃない」と被害者を嗤う行為が一般化しました。

これが、人間の本性なのだと思います。

汚れた人をエンガチョして嘲る。

それが本性。

 

自分は、被差別問題も実はそんなところから始まったんじゃないか？という気がしています。

 

 

武蔵小杉のタワーマンション、不動産を買うと末代まで差別される可能性・・・

昔は、治水のいい土地には身分の高い人が住みました。

逆に、河原には河原者といわれる、いわゆる被差別の方達が住むことになりました。

でもこの方達、原始から被差別だったのではないはずです。

 

最初は、単なる庶民。

庶民が住めるのは、中心市街から遠くて治安の悪い地域か、治水がろくにされていないところだけ。

このうち、治水がちゃんとできていないところに住んだ人たちが、洪水のたびに流されたり、泥だらけになったりして、さらに貧乏人になったり、汚れて嫌われた・・・そんなところじゃないか？と想像しています。

当時も今も、泥まみれになった人々を嘲る心はあったのではないか、と思います。

もちろん文化人類学に明るい訳ではありませんから、間違っているかもしれませんが。

 

で、今回の武蔵小杉の一件です。

都心部へのアクセスに優れた人気のベッドタウンではありますが、お値段は都心に比べたら遥かにお安い地域でした。

そこに、庶民が住み着いた。

都心部へのアクセスと氾濫リスクを天秤にかけて、リスクはあまり大きくないと見積もって住んだのでしょう。

でも今回、内水氾濫が起きた。

汚水まみれになった。

そして、SNS上で嘲笑される日々・・・

 

これは、現代版被差別問題が発生した日なのではないか、と感じます。

 

武蔵小杉の不動産、タワーマンションを今買うのは非常にリスクが高いと思う

今後、武蔵小杉の不動産価格が下落して、今よりも低所得の方が住みつくようになれば、これまでのブランド価値はさらに落ちていきます。

そこに住むことがステータスでなく、レッテルに貼り替わる。

 

ブランド価値が剥げ落ちて、さらに負のブランド価値がついていく過程で武蔵小杉の不動産を買うことは、リスクを伴うと思います。

個人的にはそういうダウントレンドでのロングポジションはナシです。

他にマトモな地域はいくらでもあります。

土地の経歴がちゃんとした地域に住んだ方が良いと思います。

以上です。