ロシア最大の銅鉱床ウドカン・プロジェクトが再開か?~アリシェル・ウスマノフ氏案件~

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ロシアの富豪アリシェル・ウスマノフ氏率いるバイカル鉱山会社、ウドカン銅鉱床の採掘、精錬に向け資金調達を協議中

 

ロシアの大富豪アリシェル・ウスマノフ氏が率いるメタルインベスト社傘下のバイカル鉱山会社が、ウドカン(Udokan)銅鉱床の開発に向け資金調達を協議中とのこと。

Russian giant copper project in talks to raise $1.25 billion

 

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ウドカン(Udokan)銅鉱床はロシア最大の銅鉱床で、世界でもトップ3の埋蔵量を誇ると言われる最大級の銅鉱床です。

 

ロシア領ブリヤート共和国のウドカン銅鉱床は1949年の発見以来いまだ手つかずの堆積性銅鉱床です。

ウドカン銅鉱床は、主要鉱物が輝銅鉱(カルコサイト)、斑銅鉱、黄銅鉱(キャルコパイライト)、二次鉱物が孔雀石(マラカイト)、藍銅鉱(アズライト)、銅藍(コベリン)などとなっており、銅と銀がほとんどを占めるため生産効率の良い鉱山と言われています。Udokan copper mine via google books

ウドカン銅鉱床の残余埋蔵量は12~13億7500万トン、2%程度の銅含有量と言われています。これは一般的な銅鉱山にくらべて銅品位が良好で(一般的にはだいたい0.5~3%程度?斑岩銅だと1%以下)、かねてより開発が期待されてきました。

数多くの海外の調査隊の協力も得て、銅鉱床としての優位性は十分に理解されてはいるのですが、永久凍土に阻まれてアクセスが非常に悪いこと、長いこと鉄道が近くまで通っていなかったことなどが影響し、ウドカン銅鉱床はいまだに手つかずの銅鉱床となっています。

なお、鉄道網にかんしてはバイカルアムール鉄道(BAM鉄道/バム鉄道)が開通したこと。またその後の線路拡張、トンネル掘削による雪崩被害減などにより十分に開発できる体制が整いつつあり、2000年代後半あたりから本格的にウドカン銅鉱床の開発は現実味をおびてきました。

 

 

ちなみに、ウドカン銅鉱床の保有企業バイカル鉱山会社の親会社メタルインベスト社のオーナーはロシアの富豪アリシェル・ウスマノフ氏です。

アリシェル・ウスマノフ氏は長いこと、サッカー・イングランド1部リーグのアーセナルFCの2位株主でしたが、今年8月、その保有株式をすべて手放し、1位株主の米富豪スタン・クロエンケ氏に譲ると報じられました。

サッカー=アーセナル、筆頭株主の米富豪クロエンケ氏が全株取得へ

アリシェル・ウスマノフ氏はアーセナルFC株の30%を保有しており、スタン・クロエンケ氏はこれを買い取ることで持ち株比率97%となり、ほぼ完全にアーセナルFCを掌中に収めることになります。

なお、この取引でアリシェル・ウスマノフ氏は約8億ドルの現金を手に入れることになります。

 

ウドカン銅鉱床の開発には、総額で約60億ドル、まずは初期段階で20億ドル程度は必要と言われています。

(ソースは自分の記憶です。。。確かそんな試算が以前みた資料に書かれていたと記憶しています。個人的には、最終的には80億ドル程度は必要だと思います。)

今回、アリシェル・ウスマノフ氏はウドカン銅鉱床の開発のために12億ドルを調達するための協議を行っていると伝えられています。

サッカークラブ売却益8億ドルとあわせて20億ドルになります。

つまり、アリシェル・ウスマノフ氏はウドカン銅鉱床の開発のためにFCアーセナルを手放したのではないか?

と思います。

そのくらい本気でこのウドカン・プロジェクトを実現させたいと思っているのではないか、と思います。

 

 

 

 

なお、世界の銅生産量は2018年に2330万トンと予想されています。

銅、18年は供給不足拡大 製錬大手が需給予測 :日本経済新聞

 

ウドカン・プロジェクトは初期には年間銅生産高13万トンを計画していますが、最大で50万トン程度の銅生産を目指せると思われます。

つまり、ウドカンプロジェクトが稼働した場合、初期で0.5%前後、フル稼働した場合には年間約2%強の需給緩和圧力となると思われます。

銅は電気自動車などの生産に大量に必要であり(モーターの巻き線など)、また電力需要の高まりから、送電網や配電などにも需要が膨らんでいる金属です。

よって、この程度の供給力増加ならば市場で容易に吸収できるとは思われますが、需給要因の緩和には繋がりますから注目はしておいた方が良いと思います。

 

なお、このウドカン・プロジェクトには中国企業なども参加を計画しているとのことで、実現すればガスパイプラインプロジェクトに次ぐロシアと中国の関係緊密化を象徴するプロジェクトとなりそうです。

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