いま起きているのは、単純に景気循環主因の相場
おおまかな相場観について書いておきます。
いま起きていることは、単純に景気循環主因の相場だと思います。
このブログを始めたのは今年の2月ですが
たとえば2月3日に書いた
という記事のなかで
「在庫循環から見れば意図した在庫増局面」
「景気で見れば6合目、相場で見れば8合目」
と書きました。
これは各国の鉱工業生産などをもとに判断したものですが、大まかに世界の株式は景気後退を織り込んで動いていったと思います。
ほとんどの国の株式は、ちゃんと年始から下落してきました。
米中貿易戦争だとかあれこれあって、そのたびに市場のセンチメントは下振れしましたが、しかし、その下振れする前にすでに株価が軟調になるだけの素地は出来上がっていた、というのが個人的な見解です。
基本的に、世界の株価は今年初めころから景気後退を先取りするかたちで下落基調を保ちます。
しかし、一部の国(たとえばインドなど)と、アメリカだけはこれに逆らって上昇します。
これについてはSPDR CWIとSPDR SPYを比較した記事を書きました。10月8日の記事です。
デカップリング論はなかった!では逆デカップリング論はあるのか?
この記事のなかで
「完全に米国と米国外で逆デカップリングが起きていることがわかる」
「これと似た逆デカップリングな光景は2014年から2016年にかけて起きている。これと同じことが起きるかというと、個人的には懐疑的に思っている」
「いずれかの時点で、米国株の割高感は解消される時がくる」
と書きました。
それがやってきたのが、先週の相場だったと思います。
米国株の下落に世界株も連動する動きになっていて、まだ年始からのパフォーマンスに乖離があります。
むしろ、米国株の下落に大きく反応して下落率で見たら世界株の方がやや大きい状況になっています。
卵と鶏の関係のような感じで、どちらが先かわからないような動きをしばらく繰り返すでしょう。
ちなみに、米国株の中でも汎用的な半導体株などは景気後退の可能性を受けて、すでに年始から下落しています。
また、大手銀行などのチャートも、みごとに年始から下落基調です。
このことについては以下で書きましたが
ヒートマップからみれば、転換点が迫ってきているのではないか・・・という話
みごとに、この時の懸念が当たっていたのではないか?と思います。
なお、2018年10月29日現在の年始からのパフォーマンスは以下のようになっています。
つまり、ほとんどの銘柄は世界経済の鈍化を先取りして下落基調に入っていたのです。
アメリカは、ごく一部の銘柄が大きく上がって指数を押し上げていただけです。
いま、ちょうど在庫循環のピークを過ぎてきた感じのところにあります。
設備投資の循環はピークをとっくのとうに過ぎてきています。
今の循環ペースを保つなら、景気の底はあと半年先から9カ月くらい先だと思います。
あとは、株価がそれをどの程度先取りして底入れするか、という話。
もしアメリカの一部の銘柄が大きく下落して世界全体の株式を道連れにするのなら、いい銘柄を仕込むチャンスだと思います。
セクター的には、先んじて下げている電子部品、半導体が良いと思います。
とくに5GやEVなどに関連するところがいいでしょう。
こういったセクターを向こう半年~一年かけて、しっかり拾っていくと良いと思います。
以上です。