世界的に高PER株が急落中~ペプチドリーム株の夢もさめるか?~
世界的に株価が急落中です。
急落の中心は、数か月前までは中国株でしたが
現在ではアメリカの、いわゆるFAANGといわれる情報技術関連株が中心になっています。
なかんずく、AmazonやNetflixなどの高PER株が急落しています。
NFLX
AMZN
これについては以前書いた記事でも指摘しましたが(9月6日の記事です)
ヒートマップからみれば、転換点が迫ってきているのではないか・・・という話
ここもとアマゾンなど一部の銘柄に成長性を期待した買いが集まり、過度に物色対象の集中が進んでいました。
これが今、決算を経て、現実がみえたことで剥げてきています。
【AMZN】Amazon.com/アマゾンドットコムの業績と株価
つまるところ、今起きているのは、
相場参加者が夢からさめた
ということ。
〇年先にEPSが〇〇ドルになって、だから〇〇ドルの価値が正当化される・・・
そういう計算ができる相場になって、夢から覚めて現実をみるようになったということ。
「ちょっとアマゾン株には期待しすぎちゃったかな?もうちょっとウェイト減らさないとな。。。」
「さすがにPER150倍はやりすぎだった・・・」
そんな感じのことを、多くの参加者が行っている最中でしょう。
さて、日本でもこれと同じようなことは起きています。
日本を代表する?高PER株であるペプチドリームです。
バイオ企業にしては珍しい黒字企業として有名なペプチドリームですが、それでも利益ベースに比べたら遥かに高く買われています。
現状はPER160倍くらいでしょうか?
とりあえず、個人的にはこの企業が何をやっている企業なのかはある程度わかりますが、それが競合技術に対してどう優位性があるのか、どう収益化していけるかなどについてはサッパリわかりません。
べつにDisるつもりもありませんし、持ち上げるつもりもありません。
「いまは赤字や薄利でも、将来はきっと利益が大きくなるんじゃないか」
という期待で高いバリュエーションに買われているという点では、10年前のアマゾンなどに似ているんじゃないかと思っています。
未来の予想ができないあたりに夢があります。
だからこそ、ペプチ「ドリーム」なんでしょう。
他にも、テスラなども同様の立ち位置だと思います。
現状では赤字でも、未来にはいいことなるんじゃないか?という夢が漂っています。
さて、こういうふうに過去に買われた銘柄で、似ているなぁと思うのは、浜松ホトニクスという会社です。
この銘柄、自分が相場を始めたころにはペプチドリームのような扱いを受けていたとおぼえています。
何をしている企業か、個人的にある程度は理解してましたが、それがどう収益に貢献するか見えない、そんな会社でした。
当時はカミオカンデの水槽内側にずらっと並ぶ光電子増倍管PMTを作っている会社という印象でした。
(当時からの長期チャートはホームページに貼って良い素材で見つからなかったのですが、とりあえず、マケスピなどではみることができますので、興味のある方はみてみてください。)
そんな感じの浜松ホトニクスですが、今では当たり前に利益を出す会社になりました・・・が、株価はどれだけ上がったかというと、だいたい当時の高値の二倍程度です。
当時から割高に買われていましたから、夢が現実になっても意外と低かった・・・みたいな感じだと思います。
なお、浜松ホトニクス、いまでもPER30倍程度です。
当時のEPSをちゃんと覚えてませんが、たしかPERは150倍くらいだったように思います。
つまりバリュエーションは1/5程度になった。株価は二倍になった。利益は10倍になった、そんな感じでしょう。
これは夢で買われている多くの銘柄が辿る道だと思います。
利益が十倍になっても、PERが30倍で売買されるなら2倍の株価にしかなりません。
利益が十倍になっても、PERが20倍で売買されるなら、33.3%しか株価が上がらないということです。
つまり、高PERを許容するには今よりも利益が何十倍、何百倍にもならなければならないわけです。
果たしてアマゾンにそれが可能か?
もしアマゾンがそれだけの利益を上げるとしたなら、世界の小売市場でどれだけの独占的な地位を占めることになるのか。
そのとき、Amazonの巨大すぎる市場独占力は政治的に許容されるのか?
そういったアタリマエの感覚を持つ必要があると思います。
以上です。