欧州銀行監督機構(EBA)による銀行ストレステスト(健全性審査)、英銀バークレイズ、ロイズ・バンキング・グループ、伊バンコBPMなどがCET1比率(普通株式等Tier1比率)ワースト3
欧州連合EUの欧州銀行監督機構(EBA)が実施した銀行ストレステスト(健全性審査)、CET1比率(普通株式等Tier1比率)ワースト1は英バークレイズ、2位は伊バンコBPM、3位にロイズ・バンキング・グループ
Barclays Posts Lowest Capital Ratio in Latest EU Stress Test
Euro zone banks increasingly resilient, ECB says in stress test
欧州連合EUの金融監督機関である欧州銀行監督機構EBAが、欧州の銀行48行を対象にした健全性審査を行ないました。
これ二年に一度行うもので、そのテストの手法など細かい所は公開されていません。
この結果、CET1比率(普通株式等Tier1比率)※1が最低だったのはバークレイズの6.37%、つづいてバンコBPMが6.67%、ロイズが6.80%などだったとのこと。
ドイツの銀行では、北ドイツ州立銀行が7.07%でワースト、続いてドイツ銀行8.14%
市場ではドイツ銀行の破綻を懸念する声が多いですが、実際にはドイツ銀よりもバークレイズやロイズの方がストレステストの結果が酷いという、ちょっぴり意外なものになりました。
※1 CET1比率(普通株式等Tier1比率)とは・・・CET1(普通株式等Tier1、Commmon Equity Tier1 ※2) ÷ リスクアセット(リスク度合いに応じたウェイトをかけて評価し直した資産額)
バーゼルⅢ※3では、この値が4.5以上あることが必要とされています。
※2 普通株式等Tier1、Commmon Equity Tier1とは・・・金融危機がおきたとき、業務継続するために利用可能なTier1部分。普通株式や内部留保など
※3 バーゼルⅢとは・・・バーゼル銀行監督委員会が、国際業務を行う銀行の健全性を保つために作った自己資本規制のこと。
とりあえず、CET1比率(普通株式等Tier1比率)というのは健全性を示す基準だと思えばOK。
なお今回、ECBは小規模行60行も対象にしたとのことで、この中には深刻な状況に陥っている銀行もあったとのこと。
ですが、それは公表をしないそうです。
CET1比率は厳しい状況下でも9.9%を維持。低下幅は3.8%
今回のストレステストは前回2年前に比べて、より厳しい状況を想定しているとのことですが、CET1比率は9.9%を維持するとのこと。
この2年間で中核資産の積み増しがしっかり行われているとの説明。
なお、ECBはCET1比率5.5%以上を独自に設定していますが、こちらの基準もしっかりとクリアしているとのことです。
とりあえず、最後に各行の株価をみてみましょう。
バークレイズ
バンコBPM
ロイズ
ドイツ銀行
まるで日本の90年代末みたいな売られようですね。
あのころ日本の銀行も、バブルの後遺症に悩まされてきました。
もしもあの頃とおなじなら、巨額の簿外債務があるときポコッと見つかる感じでしょう。
そして連鎖、みたいな感じ。
そのときに、CET1比率を調べたりするよりも市場の方がわかっていたね、、、といわれるわけです。
そうならないとは限らない、そんな株式市場の動きにみえます。
以上です。