前回のつづきです。
前回は、中国による巨額の半導体投資について書きました。
おいらは、これはあまりにも投資額が大きすぎて、需給悪化からすべてのプレイヤーが共倒れになりかねない・・・とみています。
でも中国政府はそれでもいいのでしょう。
だって目的が違うのですから。
その目的とはつまり・・・
韓国、台湾の経済を揺さぶるため
にしているのではないかと、おいらはみています。
その根拠として、韓国、台湾との貿易関係をみてください。
まずは対台湾の貿易統計をみてみましょう
- Electronic integrated circuits全輸入のうち、32%程度が台湾からの輸入
- 台湾からの全輸入のうちElectronic integrated circuitsは52.5%
- 台湾のElectronic integrated circuits輸出のうちほぼ100%が中国向け
- 台湾の全輸出に占めるElectronic integrated circuitsの割合は27.89%
次に対韓国の貿易統計をみてみましょう
- Electronic integrated circuits全輸入のうち23%が韓国からの輸入
- 韓国からの全輸入のうちElectronic integrated circuitsは32.9%
- 韓国のElectronic integrated circuits輸出のうち、ほぼすべてが中国向け
- 韓国の全輸出に占めるElectronic integrated circuitsの割合は10.55%
つまり、台湾と韓国はいままで、自国で利用しないぶんのElectronic integrated circuitsほぼすべてを中国に輸出してきました。
台湾と韓国はアメリカ側陣営の国家であり、それを利するために中国は貿易をしてきたようなものなのです。
台湾と韓国にとって、中国がICを自国生産するということは一大事であり
逆に言うと、中国にとっては(時代遅れの重商主義的観点からすれば)あたりまえのことなのです。
中国は、台湾と韓国の主要輸出品と同じものを大量に作ることによって、この二か国の経済情勢を悪化させて、米国から中国にすり寄って来るのを期待しているのではないか・・・ようするに、かつて中南米諸国をゆするために農産品を利用したアメリカのように、
韓国と台湾の裏庭化
を狙っているんじゃないかと、おいらはみています。
うがった見方だとは思いますが、そんな可能性を感じています。
もしそうであるなら、これは半導体だけに限ったものではなく、液晶やコンデンサ、ダイオード、複合部品など諸々についても懸念しなくてはならなくなります。
そうした部品なども大量生産の圧力を受けやすいです。
そういった関連企業への投資は、非常に気を付けなければならないと思います。
とりあえず、これらプロジェクトの影響が出るまでにはまだ時間がありますが、2020年頃の相場を考えるときのために、頭の片隅に入れておいた方が良いと思います。
そしてその先には、ロボットなどの資本財の分野でも中国は力をつけていきます。
その時が、日本の正念場でしょう。
たぶん、2025~27年くらいの話だと思います。
日本の産業史と照らし合わせると、そんな感じのタイムスケジュール感でみています。
P.S.長くなりすぎました・・・上手く纏める能力がほしいです。
by中卒くん