ミラ・リカーデル大統領副補佐官(国家安全保障担当)がメラニア大統領夫人の要請で解任される~米政権内の方針転換を意味するか?~
ミラ・リカーデル大統領副補佐官(国家安全保障担当)が解任され、別の役職に就くとのことです。
このミラ・リカーデル氏(Mira Ricardel)の解任、メラニア・トランプ大統領夫人の要請によって行われたとされ、異例のことだとして各方面で騒がれています。
報道によると、メラニア夫人はミラ・リカーデル氏が大統領周辺の情報をリークしていると疑っていたとのこと。
解任の直接のきっかけはアフリカ訪問時の航空機の座席を巡る口論とされていますが、それ以前からいろいろとあったもようです。
なお、詳報、続報を待っていたのですが、なかなか出てこないのでしびれを切らしてこの記事を書いていますw
ミラ・リカーデル氏の役職
ミラ・リカーデル氏はジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当/Assistant to the President for National Security Affairs)の下で働いていた人物で、役職は大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)でした。
国家安全保障問題担当大統領補佐官はいわずと知れた国務長官、国防長官に並ぶ三役です。
大統領に直接政策提言を行う非常に重要なポストで、過去にはコンドリーザ・ライス、コリン・パウエル、ヘンリー・キッシンジャーなどが就いていました。
その国家安全保障問題担当大統領補佐官の直下で、政策実現への地ならしをするのが副補佐官の役目。
実務の裏方のような仕事と言われています。
ミラ・リカーデル氏の経歴
ジョージタウン大学外交学部卒業→タフツ大学 Fletcher School of Law and Diplomacy博士課程修了せず
レーガン大統領時代、ボブ・ドール上院議員(軍縮担当)のスタッフとして活動
ジョージ・W・ブッシュ政権で国防次官補代理など
2006年から2015年までミラ・リカーデル氏はボーイング社副会長(軍事・国際担当)に就任
2016年、ミラ・リカーデル氏はトランプ政権の移行チーム入り。このころからすでに、同じく移行チーム入りしていたマティス、ジョン・ケリーなどとの確執があったと一部で伝えられている。
以上の経歴からもみえるとおり
ミラ・リカーデル氏はガッチガチのネオコン
と言われています・・・
ミラ・リカーデル氏は2018年4月にジョン・ボルトンと共にトランプ政権内に呼ばれたわけですが、トランプ政権成立当時から移行チーム入りしていたミラ・リカーデル氏が、今になって政権入りした意味を考えれば、どれだけ問題視されていたかがよくわかります。
今回のミラ・リカーデル氏の解任は、メラニア夫人との衝突がきっかけになっているといわれていますが、個人的にはそれだけじゃないだろうな、と思います。
ジョン・ケリー大統領首席補佐官やマティス国防長官とのバランスを考えてのもの、と思われます。
ミラ・リカーデル氏は去った。さて、ジョン・ケリー大統領首席補佐官とマティス国防長官はどうなる?
ここでひとつ。
この三氏は、トランプ大統領によって解任される可能性が高いと報道されています。
今回、かなり強硬派路線を主張していたミラ・リカーデル氏がトランプ政権の主要ポストから外れました。
さて、残りのふたりはどうなるでしょうか?
個人的には、この二人が排除されるならばバランス人事だと思います。
逆に、外れないのであれば、トランプ政権の方針が変化しているということだと思います。
その方針の変化というのは、対サウジであり、対イランであり、対中国。
一般的な解釈からみたら対中東の方により影響しそうですが、中国に関しても方針の変化が起こる可能性はあります。
この人事、しっかり見ていくと良いと思います。
以上です。