ハードブレグジット(Hard BREXIT)になるしかないんじゃね?
メイ首相の暫定合意案は議会を通るのか?~通らなければハードブレグジットの可能性高まる
EUと英国によるブレグジット交渉が一応の妥結をむかえ、英政府内でも一応は閣議決定された英国のEU離脱問題
先週もこちらの記事で纏めましたが
【BREXIT】メイ首相によるEU離脱協定案は実質的に何も変化なし【ブレグジット】
しかし、どうも個人的にはこれが上手く議会を通る気がしません。
メイ首相(と欧州議会)のやり方は、ようするに
「わたしの案を受け入れる?それとも死ぬ?」
という脅しなのです。
これに議会が屈するでしょうか?
個人的には、英国の議会がそんな弱腰を見せるように思えません。それは長い長い議会制民主主義の文化が死ぬことに等しいから。
ハードブレグジットを避けるための国民投票はあるか?
再度国民投票をすればいい、という人もいます。
しかし、これも疑問です。
一度国民投票でEU離脱を決めておきながら再度国民投票をするならば、都合のいい数字が出るまでサイコロを振る賭博と同じでモラル上問題がある。
と同時に、争点を何に絞るのかがまったく見えない。
離脱する、離脱しないを争点にするのか、
メイ首相の協議案の是非を争点にするのか、
アイルランド国境問題を争点にするのか、
その争点が全く見えないわけで、それを絞り込む時点で揉めることが必至。
国民投票はできないでしょう。
議会解散総選挙は時間切れでハードブレグジットへ
議会を解散して総選挙すればいいという人もいますが、さすがにこの時期には無理です。
来年3月にはスケジュール的には離脱期限を迎えます。
今から総選挙やっても、議会で新しい法案を成立させるための時間が足りません。
ハードブレグジットにいっそう近づくはずです。(EU側が折れれば別ですが)
とりあえず、議会がメイ首相案を否決すればハードブレグジット
とりあえず、議会がメイ首相案を否決すればハードブレグジットに近づきます。
そして、その可能性は非常に高いのではないか?
と感じます。
メイ首相の態度は議会制民主主義を無視して、上意下達で我慢しろといっているようなものです。
こうしたやり方は、与党野党関係なく受け入れられない人がほとんどでしょう。
そもそも英国民はハードブレグジットをそこまで嫌がっているのか?
そもそもにおいて、英国民はハードブレグジットをそこまで深刻に捉えているのでしょうか。
むしろ楽しんでいる人が多くないか?とすら感じます。
個人的にtwitterなどを見ていて思うのは、ハードブレグジットを待ちわびている人たちが数多くいるということ。
かれらは持たざる者ですから、不動産価格が下がろうが資産価格が下がろうが気にしません。
むしろ、不動産価格はもっと下がって欲しいとすら考えていそう。
外国人のせいで土地が高くなってしかたない。と文句を言っている人は多いのです。
どうせ資産価格が上昇しても潤うのは上流階層の人間たちであり、下々には関係がない。
トリクルダウンなんて起きないと思っているわけです。(そしてそれは、だいぶ正しい。)
既存メディアは彼らのような人々を排除して考える癖がありますが、実際はルサンチマン丸出しの人たちが政治的な主張の実現を求める力の方が大きい。
ブレグジットが決定された時だって、彼らの気持ちが形になったからです。
彼らはブレグジットを通じて、上の連中に一泡吹かせたいと思っているふしがあります。
そのことを一番よく理解しているのは、やはりイギリスの政治家です。
だから、メイ政権に反旗を翻す閣僚がこれだけ出てきたのだと思います。
外部の人も、そのことにもっと注意すべきじゃないか、と思います。
とりあえず、ハードブレグジットの可能性は十分に考えたうえで投資をした方が良い、と思います。
これは、見えているリスクであり、まったく見えないりすくではありません。
もしかしたらそうなるかも、と事前にわかっているものです。
こうしたものをブラックスワン扱いしてはいけないと思います。
以上です。