【メキシコ】ロペスオブラドール大統領の政策まとめ~国家再生運動/MORENA

【メキシコ】ロペスオブラドール大統領の政策まとめ~国家再生運動/MORENA

 

メキシコのロペスオブラドール大統領(国家再生運動/MORENA)の主要政策

今年7月1日のメキシコ大統領選挙で、アナヤ元PAN党首、ミード前財務公債相などを破り、得票率53%の圧倒的人気で次期大統領に決定したロペスオブラドール元メキシコ市長ですが

就任を12月1日に控え、ここにきて主要政策のかたちがいろいろと見えてきています。

今回はロペスオブラドール大統領(国家再生運動/MORENA)の主要政策を、自分用備忘録として書き留めておきます。

 

 

メキシコの急進左派、ロペスオブラドール候補と国家再生運動(MORENA)が大統領選挙・議会選挙で圧勝~左巻き政策実現か

今回のメキシコの総選挙ですが、急進左派のロペスオブラドール候補だけでなく、その支持母体である国家再生運動(MORENA)までもが大躍進し、上下両院の第1党を奪取したことに意味があります。

これにより、労働党や社会結集党との連携により、メキシコは今までよりもかなり左派色の強い政治体制となることが予想され、中南米諸国で進む反左翼の流れに逆行することになります。

この左派色の強さが、ここもと伝わっているロペスオブラドール大統領の政策からも見え隠れしており、いろいろと懸念の対象となりかねない状況になっていると、個人的にはみています。

以下のその傾向をまとめます。

 

 

ロペスオブラドール大統領の政策

  1. 貧困・格差是正対策(特に南部、東部)
  2. 汚職撲滅による歳出削減
  3. 私有財産権は保護
  4. 空港建設をやめる
  5. パナマを見習い、陸上の物流のハブを目指す
  6. エネルギーなどにおける民営化に反対
  7. 過去のエネルギー権益入札を再検証、新規入札停止、国民投票の実施
  8. 新NAFTA(USMCA)などは重視
  9. 米国との関係は良好にしておくよう努力。ただし移民への差別的待遇は非難。
  10. 中米からの移民には寛容になる方針
  11. 鉱山開発などにおける地元住民との合意を重視
  12. 食糧自給の自給を目指す
  13. エネルギーにおいては精製設備導入により、ガソリンなどの自給を目指す。ペメックス重視政策。
  14. 中央銀行は独立
  15. 年金支払額倍増、教育無償化
  16. 増税せず、債務増もしない
  17. 大統領専用機売却、公邸に居住せず、率先して庶民的生活をしていく方針
  18. 歴代大統領、現役政府高官の年金や給与を半分に削減
  19. 麻薬対策のため新治安組織を創設
  20. トウモロコシなどの農作物に最低価格保証
  21. 最低賃金は毎年15.6%ずつ引き上げ
  22. 銀行の手数料収入を禁じる方針

 

ロペスオブラドール大統領の政策内容説明

ペニャニエト政権において進められてきたメキシコ近郊の空港建設はロペスオブラドール大統領においてストップ

その代わりに、陸路を利用した物流ハブ機能を重視し、大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河のような機能を陸上で実現しようとしています・・・が、どの程度具体的に実現するのかはよくわかりません。

メキシコ次期大統領ロペスオブラドール氏の政策まとまる~テワンテペク地峡を開発へ~

 

 

また、エネルギー政策に関しては、メキシコは原油などをアメリカに売る一方、ガソリンなど精製品を購入しており、損が出ているという判断をロペスオブラドール大統領はとっている模様です。

このため、既存の石油権益の契約などは尊重する一方で、汚職や賄賂がなかったかなどをしっかり精査するもよう。

また、新規に外資による上流権益の開発は拒否し、代わりに精製などのプラントを導入する方向に舵を切る模様です。

 

 

さらには、左派系政権らしく、金融業に対してかなり強硬な論調もでています。

銀行の手数料収入を禁じるとのことです。

メキシコの銀行は収入の1/3程度を手数料が占めているとされ、これが減少した場合、銀行の経営状況にも大きな影響が出ると思われます。

【メキシコ】与党・国家再生運動(MORENA)~銀行の手数料収入を禁じる方針

 

 

 

さらには、鉱山権益に関しても重大なニュースが飛び込んできています。

鉱山開発において地元住民との合意を重視するとしており、既存開発案件にもこれが及ぶ模様で、メキシコで事業を行っているグルポ・メヒコなどの銘柄が急落しています。

 

 

とりあえず、まだまだ何か出てきそうなロペスオブラドール大統領の政策。

今後も機会があればこのページに書き加えていこうと思います。

以上です。