ドイツ・ロボット大手クーカのCEOが突然の辞任~背景に中国親会社との確執か?

Pocket

ドイツ・ロボット大手クーカのティル・ロイターCEOが突然の辞任~背景に中国親会社との確執か?

 

 

2017年に中国美的集団に買収されたドイツのロボット大手クーカ(KUKA)社のティル・ロイターCEOが突然辞任したとのことです。

クーカ(KUKA)はドイツのインダストリー4.0の旗振り役であり、世界的なロボットメーカーでもあります。

(金額シェアは4位くらい、重量物に限ると2位か1位か?)

クリック!にほんブログ村 株ブログへクリック! クリック!   

中国の家電大手マイディアグループ(美的集団/Midea Group)に買収された後も経営の独立性は担保されているとされてきましたが、どうやら親会社からの経営への介入はあったらしく、今回のティル・ロイターCEO辞任という事態につながりました。

産業ロボ独クーカ社長が退任 日経新聞

なお、一説によれば辞任ではなく解任との報道もあり、このあたりの具体的な内容はまだ全体がみえていません。

 

ロボット世界4位のクーカ(KUKA)

クーカ(KUKA)は産業用ロボットの分野で売上4位くらいです。

大型のロボットに特に強く、自動車向けの溶接ラインなどでは2位か、もしくは1位か・・・ここらへんは統計の取り方しだいで変わりますので何ともいえませんが、とりあえず、かなり大手だということは事実です。

近年、中国での生産を拡大させており、自動車以外の生産ラインなど向けにも展開していました。

また、家電や物流倉庫向けなどのロボットも生産しており、2000年代に自動車向け比率が8割を占めていたクーカ(KUKA)のロボット販売は、現在では自動車比率が半分程度となっています。

こうした取引先の拡大から、のちに家電メーカーの美的集団の目にとまることになります。

 

 

 

クーカ(KUKA)の産業用自律型ロボット「LBR iiwa」

クーカ(KUKA)が2016年に公開した産業用自律型ロボットは、それまで人間にしかできないとされてきたような、「ネジを探し、置き、締める」「皿をとって、つかんで、洗う」といった動作を自律して行える軽作業ロボット。

また、周囲を把握して人間と協働作業をできるようにしたりなど、当時としてはかなり高度なことをできる産業用ロボットでした。

こういった技術力が、クーカ(KUKA)の強みです。

 

 

 

 

 

インダストリー4.0の旗振り役クーカ(KUKA)

KUKAは、ドイツが推し進める次世代の産業基盤システム、インダストリー4.0の旗振り役として、同じくドイツのシーメンスと共に非常に重要な企業でした。

インダストリー4.0は、一言で説明しきることは難しいのですが、ようするにジャスト・イン・タイムやカンバン方式をセンサー、IoT、AIを用いて自動で管理しながら、生産の最終工程から流通、販売まで無駄なく管理をする、次世代の産業基盤ともいえるものです。

ドイツは製造業の一段の効率化をめざし、このインダストリー4.0の分野を研究開発してきました。

その当初からの開発企業こそが、クーカ(KUKA)だったのです。

 

 

 

クーカ(KUKA)を美的集団が買収

そのクーカ(KUKA)を中国の家電大手、美的集団が買収するという発表が行われたのは2016年秋。

今回辞任することになったティル・ロイターCEOも賛同して行われた、友好的な買収でした。

関連→独KUKAを買収した中国の家電企業 美的集団(midea group) 

個人的に「まさか無理でしょ?」と思っていたのですが、あれよあれよと話が進んで、アメリカの独禁法審査も通ってしまい、2017年春には買収が完了してしまいました。

当時は今ほど中国の製造業への警戒感が高くなく、各国の審査もゆるゆるでしたから、大株主間の契約ですんなりと売却が決まってしまったのです。

このころから、アメリカや欧州などにおいて、中国の製造業への脅威が語られるようになってきました。

10月4日のペンス発言でアメリカの対中強硬姿勢が始まったように見ている人も多いですが、実際には2017年春あたりから始まっていたように思います。

 

 

 

中国生産を拡大させてきたクーカ(KUKA)

クーカ(KUKA)は美的集団による買収以前から、中国国内での生産に積極的でしたが、買収を機にさらに一歩踏み込んだ生産規模拡大を目指します。

ティル・ロイターCEOはインタビューで、

「20年までに中国での売り上げは10億ユーロを遥かに超えるだろう」

と述べており、クーカ(KUKA)の得意とする自動車向けだけでなく、家電や電子機器、物流倉庫などの方面でも利用を拡大することを目指していました。

Kuka’s CEO Plans for Robot Domination in China and Your Garage

生産規模は4倍にすると豪語していました。

しかし、その中国生産拡大を推し進めてきたはずのクーカ(KUKA)のティル・ロイターCEOが辞任することになりました、なぜでしょうか。

 

 

中国製造2025とクーカ(KUKA)

ドイツのインダストリー4.0にならい、中国も中国製造2025という、同じような産業基盤の整備を進めています。

かたや中国製造2025を推し進める美的集団

かたやインダストリー4.0を推し進めるクーカ(KUKA)

・・・中国とドイツの企業が、親子で同じようなポジションに位置することになりました。

 

個人的には、このことが今回のクーカ(KUKA)のティル・ロイターCEOの辞任となんらかの関係があるのではない・・・具体的には、クーカ(KUKA)の技術を美的集団に流すように圧力があったのではないか・・・そんな感じがしています。

これはあくまでも憶測であり、根拠は希薄ですが・・・。

 

 

安川電機とクーカ(KUKA)と美的集団

なお、クーカ(KUKA)の親会社である美的集団は、医療ロボなどの分野で安川電機と提携しています。

クーカ(KUKA)ももちろんこの医療分野の研究に乗りだしていますから、いずれこの関係の清算が必要になってくることでしょう。

 

 

クリック!にほんブログ村 株ブログへクリック! クリック!    

とりあえず、今回のクーカ(KUKA)のティル・ロイターCEO辞任の報はいろいろとショッキングでした。

何があったのか、表に出してもらえると良いのにな、と思います。

以上です。