バチカンが聖職叙任権闘争に敗北~中国天主教愛国会CCPA側司教に一本化へ
バチカンと中国政府のあいだで争われてきた聖職叙任権をめぐる闘争に決着~中国天主教愛国会CCPA側の詹思禄と黄炳章が正式な司教に就任~地下協会の郭希錦と荘建堅は降格および退任へ
バチカンと中国政府のあいだで数十年に渡り争われてきた中国国内での司教任命権をめぐる争い(聖職叙任権闘争)に決着がつきました。
中国の信者からガッポリお布施を徴収したいバチカン側が、中国政府に折れる形で叙任権を放棄。
中国政府の認めたキリスト教カトリック教会である中国天主教愛国会CCPA側の司教を各支部のトップにつけることで合意に至りました。
これまでバチカンが支援してきた地下協会の郭希錦(クオシーチン)司教に対しては、バチカン側が降格を強硬に要求したほか、荘建堅司教は退任させられたということです。
中国天主教愛国会CCPAの詹思禄と黄炳章が市況に任命、地下協会の郭希錦と荘建堅は降格および退任
中国天主教愛国会CCPAの詹思禄(チャンスールー)が福建省閩東(ミントン)教区の司教に就任。
おなじく中国天主教愛国会CCPAの黄炳章が広東省スワトー教区の司教に就任
地下協会の福建省閩東(ミントン)教区の郭希錦(クオシーチン)司教は副司教へ降格
同じく地下協会のスワトー教区の荘建堅司教は退任
などとなっている模様です。
中国天主教愛国会CCPAが中国の正当なキリスト教カトリック教会へ~バチカンが支援してきた地下協会は消滅~
今後はバチカンが支援してきた地下協会は消滅し、中国天主教愛国会CCPAに吸収されることになるとのことです。
これにより、中国天主教愛国会CCPAはバチカンが支援してきた地下協会のメンバーのリストなどを手に入れることができ、それを中国政府に渡すこともできることになります。
今後、人権問題が起きないかいろいろ心配です。
21世紀にもなって聖職叙任権闘争を繰り広げる中国とバチカン~中国天主教愛国会CCPAと地下協会
聖職叙任権闘争なんてまるで中世ヨーロッパのようですが、そのヨーロッパですら1100年代にはヴォルムス協約などが結ばれていたのですから、現代の中国でこういった問題が発生したというのは、非常に違和感が強くあります。
そもそも共産党なんですから宗教は一切排除すればいいのに、と思うのは自分だけでしょうか。
バチカンは中国天主教愛国会CCPAを正当とみなすことで中国と国交正常化し、お布施をがっつり稼ぎたい
中世でもそうでしたが、現代でもまた、聖職叙任権はカネの問題が大きいようです。
中国とバチカンは現在断交しており、また地下協会は中国側から厳しく取り締まられれてきました。
そういった理由からバチカンは中国への足掛かりが作れず、お布施も集めにくいし送金もしにくい。
この状況を打破するために、今回バチカンは中国天主教愛国会CCPA側に大幅に譲歩する形で決着させたもようです。
中国天主教愛国会CCPAとの統合のために、今までの信者を見殺しにしたバチカン
中国のことですから、地下協会の信者などのリストは全部入手し調べ上げることでしょう。
反政府活動などをおこなわないか、監視を始める可能性もあります。
いくらカネのためとはいえ、自分の信者をあっさり切り捨てるというのは、さすがにいろいろと反応にこまるものがあります。
とりあえず今回の件、完全に中国側の勝ちです。
というか、叙任権を完全に国家に渡すというのは、世界史的にもかなり重要なポイントになります。
ヴォルムス協約からさらに一歩、教皇の権力が落ちたことになります。
(個人的に、ローマ法王ってのはおかしいと思う。ローマ教皇なはずです。)
自分たちの意見を押し通して呑ませた中国は、ヘンリ8世のイギリスを超えたことになります。
これ、来年の世界史の大学入試問題でいろいろつつかれるんじゃないでしょうか。
自分が出題者なら出したくてうずうずします。
以上です。