メルカリが英国2事業(メルカリ・ヨーロッパとメルペイ)を解散
メルカリ・ヨーロッパ(Mercari Europe)とメルペイ・リミテッド(Merpay Limited)を解散で追加損失2億円計上へ
メルカリが欧州展開の足掛かりとして捉えていた英国2事業から撤退するとのことです。
今回撤退するのは、メルカリ・ヨーロッパとメルペイ・リミテッド。
どちらも英国を拠点に欧州への展開を目指していた事業でしたが、C2C文化の違いなどから今後の拡大が難しいと判断、迅速な決断で撤退に至ったとのことです。
なお、今回の撤退に絡み、すでに計上済みの評価損14.4億円にくわえ、新たに追加損失2億円が発生するとのことです。
なぜメルカリは欧州事業メルカリ・ヨーロッパから撤退?
メルカリは日本国内で爆発的なヒットとなったC2Cサービスですが、そもそも欧州では要らないものは寄付する文化があり、またバザーなどで個人間で売買する文化も根付いていることからネット上での売買が盛り上がらないと判断したとのこと。
メルカリ・ヨーロッパの売上は40万円ちょっとだけ
約3年間を費やし10億円以上の資金をつぎ込んできたメルカリ・ヨーロッパですが、この3年間で稼いだ収益はたった40万円だったとのことです。
メルカリ・ヨーロッパは売買代金の手数料を徴収せずにサービスの浸透を図っていた段階ですので、収益化する前にやめたということになります。
メルカリ・ヨーロッパに付随していたメルペイ・リミテッドも解散
なお、メルカリの欧州事業は資金決済の問題から独自にメルペイ・リミテッドでの決済を導入していましたが、これも撤退するとのことです。
思うに、このあたりの決済の面倒臭さもメルカリ・ヨーロッパの普及に足かせとなっていた可能性があるんじゃないかと。
メルカリ・ヨーロッパの失敗は、スタートアップ事業の難しさを証明
メルカリのような企業であっても、スタートアップ事業はやってみないとわからないところがある、というのが現実なのだと思います。
ベンチャーファンド、スタートアップビジネスのインキュベーターというのは斯様に専門的かつ難しいものなんでしょう。
産業革新投資機構のゴタゴタをみるにつけ、経産省が主導する人選で果たしてマトモにインキュベーターを担える人材が集まるのかどうか、個人的には甚だ疑問です。
(というか、スタートアップ投資は国家がやることには向いていないと思います。)
メルカリの株価が上場来安値を更新
なお、この報道を受けてメルカリの株価は上場来安値を更新しています。
以上。