フォルクスワーゲンが大規模リストラへ~EV化で工場の人員を1/3削減

フォルクスワーゲンがEV化に向けて人員整理~エムデン、ハノーヴァー工場では1/3がリストラへ

 

フォルクスワーゲンのエムデン工場、ハノーバー工場でリストラ

フォルクスワーゲンがEV化に一気にシフトするため、エムデン工場とハノーバー工場の人員を大幅に削減するとのことです。

両工場には現在22000人が働いているということですが、このうちの約1/3となる7000人が削減対象になるとのことです。

VW streicht bis zu 7000 Stellen in Emden und Hannover

 

 

フォルクスワーゲンのエムデン工場、ハノーバー工場はEVにシフトへ

現在パサートなどを生産しているフォルクスワーゲンのエムデン工場ですが、2022年からは小型EVの生産にシフトするとのことです。

また、ハノーバー工場はバン生産の拠点ですが、こちらも2022年からバンタイプのEV、「I.D.BUZZ」生産にシフトするとのことです。

なお、これまでの内燃機関のクルマの生産は複雑なため、人件費の安いチェコに移すとのことです。

 

 

フォルクスワーゲンは2023年までにEV化、自動運転化のために440億ユーロを投入~ディーゼルゲート事件から決別

フォルクスワーゲンはこれに先立ち、2023年までのEV化、自動運転化投資に440億ユーロを投じることを決定。

一連のディーゼルゲート問題から決別する意思を示していました。

 

 

VWと時期をおなじくして、GMもEV化を前提にリストラを計画

これに先立ち先月には、GMのバーラCEOもリストラをブチあげました。

内容としては、来年末までに14000人あまりを削減、北米中心に7工場を閉鎖、EV化にシフトしていくというもの

 

 

VWとGMの大規模リストラの背景にEV化の流れ

GMとVW両社に共通しているのが、EV化への積極的な取り組みです。

欧州では2030年までの排ガス規制が37.5%削減目標に強化されたことで、全販売台数の40%以上をEV化しなくてはいけなくなりました。

これは現在のEV販売台数が総販売台数の2%にも満たない数字であることからみても異様に大きな数字であり、現在の25倍程度までEVを増やす必要に迫られています。

 

 

 

 

EV化で進む大規模工場化と車種削減、人員削減~VWとGMにおける違い

最初に話を戻します。

今回のVWによるリストラと、GMによるリストラとは意味が少々異なります。

GMによるリストラは、拠点の統廃合であり、大規模な工場だけを残すということ。

VWによるリストラは、工場のなかの効率化を求めるというものです。

どちらもEV化を目指したリストラですが、その段階が異なります。

VWの方が一歩進んだ感じでしょうか。

 

 

両社とも、大規模な工場で、シンプルな生産ラインで、大量の製品を自動化して生産しようとしています。

車種を絞って、一つの生産ラインで少ない車種を流す、シンプルな工場にしようとしています。

これは、人間の生産に頼り、複数の車種を流してきたこれまでの流れとは異なります。

この流れに日本企業がどれだけついていけるか。。。

従業員の生活を第一に考えすぎると、みんな揃って共倒れになる時代がやってきています。

90年代の日本の家電メーカーがまさにそれでしたが、現在の自動車産業はその段階になっています。

非常に気を付けた方が良い、と思います。

以上です。