【中国】中央経済工作会議2019年度
【中国】中全会とはなにか?~2018年の第19期『四中全会』いまだ開催されず
2019年度の中国の経済政策方針を決定する中央経済工作会議が閉会
2018年12月21日、2019年度の中国の経済政策方針の大枠を決定する「中央経済工作会議」が閉会しました。
2019年度、中央経済工作会議の出席者
中央経済工作会議には習近平国家主席、李克強首相ら共産党中央政治局常務委員7人が出席しています。
このあとで国務院の報で細かい所を決定していきますが、今回はそれと並行して外交が重なります。
そのあたりがちょっと例年と違います。
2019年度 中央経済工作会議はおおざっぱ
昨年は微細なものまで言及がありましたが、今年はかなり報道内容も含めて大雑把な感じがします。
マーケットでは中央経済工作会議の開催が噂されており、不動産税が導入されるんじゃないか、成長率を大幅に引き下げるのではないか、との噂が飛び交いましたが、実際に閉幕した後に出された発表ではそれらは否定されました。(成長率に関してはそもそもこの時点では発表されません。全人代待ちです。)
どうも今回の中央経済工作会議は、いつもと違うな、という印象があります。
今回の中央経済工作会議は何かちがう・・・
今回の中央経済工作会議では、閉会するまで開催されているとの正式な報道は一切ありませんでした(自分が知る限りでは)。
一応噂レベルでは報道されていましたが、政府からの発表はなし。
また、昨年と異なり細かい政策の発表は全くなく、ぼんやりとしか見えてこない感じです。
国内の金融政策などに関してはいろいろと言及があるのですが、海外との関係、とりわけアメリカと争点になっている分野に関する言及はあまりありません。
また、人民元相場への言及もありません。
これは、3月1日まで米中貿易交渉を行っている最中であることが影響していると思います。
手札をみせたくない、という中国側の思いが滲む内容となっています。
2019年度の中央経済工作会議の要点
今回の中央経済工作会議の要点としては、主に国内向けの政策が中心になっています。
- 外部環境は厳しいという認識
- 経済は下押し圧力にさらされている
- 財政政策は積極化
- 地方政府による起債を積極化、インフラ投資などに利用
- 金融政策は引き締めもするし緩和もする
- 家は住むためのものであって投機対象ではない。
- 人民元相場への言及無し
- 米中首脳会談の合意実現のため努力
- 外資企業の権益を守る
- 知財分野の保護に重点
- 外資単独経営を認める
- 製造強国建設を推進
1,2は現状認識で、シクリカルに下向きつつある状況を表現
3,4は財政面での積極化方針を示す
地方でのインフラ投資が特に活発化へ
5,6は、金融は緩和するけど、住宅への投機マネーの流入は取り締まる、という態度。
中国は家計部門の債務が膨らんでいるので、それをストップかけさせようということ
7はよくわからない。米国との交渉カードとして見せないことを意図してか?
8,9,10,11は米中貿易交渉における中国側の改革姿勢をしめしたもの。驚き無し。
11は中国製造2025への言及に等しい。
2019年度 中央経済工作会議のまとめ
とりあえず、今後の方針に幅を持たせることで、米中貿易交渉時の手札をさらけ出さないようにしている、ような感じにみえます。
まったく譲る気がない部分は中国製造2025なのでしょう。
そして、為替は武器として使う可能性もある、ということでしょうか。
なぜ言及されていないのか、そこがいろいろと憶測を生みそうな感じはします。
以上。