2018年の米国株(ADR含む)年間パフォーマンスをヒートマップでみてみよう
2018年通年の米国株(外国株ADR含む)の年間パフォーマンスをヒートマップで確認してみると、以下のようになります。
まず米国株の主流株のパフォーマンスから確認
上昇したものからみていきます。
年後半にFAANGがダメダメだったとは言え、なんだかんだでアマゾンAMZNやマイクロソフトMSFT、ネットフリックスNFLXは上昇で終わっています。
また、キャッシュレス決済のビザV、マスターカードMAなどもディフェンシブ性と成長性を期待されて上昇。
アドビADBE、セールスフォースCRMなどのクラウド化に成功したソフトウェア企業も上昇で終えました。
ヘルスケアセクターも強く推移。
成約、バイオ、医療機器、保険など総じて高く、全体からみたパフォーマンスは極めて好調です。
公益もこじっかりしています。
逆に下げたところ。
まず目につくのは半導体セクターと半導体製造装置セクター
AMAT、LRCX、MU、NVDAなど大きく下落
スーパーサイクルだのなんだのと煽られてましたが、結局いつもとおなじシリコンサイクルのなかにいたことを示しました。
エネルギー関連企業も全滅に等しい。
ベネズエラ問題が解決したコノコフィリップスCOP以外は総じて弱く全滅状態。
石油掘削サービスのSLB、HAL、BHGEなどは3割4割下落しています。
通商摩擦の影響から資本財、国防資本財、素材セクター、自動車も弱い動きになりました。
運輸セクターも鉄道がそこそこ好調だった以外は総じて悪化。その鉄道も後半から崩れています。(背景に住宅着工の問題、シェールオイル輸送需要低下などがあります。)
金融セクターは金利先高観後退や景気失速懸念を受けて下落、保険、投資銀行など総じて悪化しています。
特徴的なのは、景気後退懸念のなかREITや公益はそこそこ強い一方、食品や生活必需品関連のなかには3割4割下落しているものもあるということ。
そして、食品セクターなど生活必需品セクターのなかで上昇している銘柄は予想PERで20倍前後、下落しているものはPER10倍前後ということ。
以下は予想PERのヒートマップです。
生活必需品セクター、しっかり推移していたKOやPG
これをどうとらえるべきか?
一つの可能性としては財務問題を過度に見ている可能性もありますが、定かなことはわかりません。
次に海外株ADRのパフォーマンスについても見てみましょう。
貿易摩擦を受けて中国が弱いのはわかりますが、それ以外の国も総じて弱いのがわかります。
唯一強いのはブラジルですね。
ボルソナロ候補が大統領になりそう、という観測から上昇しました。2018年において非常にめずらしい上昇市場でした。
以下の記事を書いた時点では、市場ではボルソナロ候補のことを嫌がる人が多かったのですが、
ブラジル大統領候補ジャイル・ボルソナロ氏の政策は案外悪くないんじゃね? 8月22日
徐々にその政策の内容が浸透するにつれ、自由主義的性格が好感されて上昇しました。
ただ、ちょっと期待先行ですね。
おとなりのアルゼンチンはかなりヤバイ。
ほぼすべて半値です。
このヒートマップからみるに、個人的には米国の公益と不動産REITには下落圧力がかかりそうな気がします。
とくにREITのなかで2018年の年初来パフォーマンスが高いもの。
ヘルスケアREITと住宅系REITなどはちょっと危なっかしい感じがします。
2019年はそれら割高なものから別のもの・・・具体的には、景気後退になるなら生活必需品セクターの別銘柄に移るか、もしくは2020年の景気回復期待を受けてシクリカルセクターに移行するか、そのどちらかじゃないかという気がします。
以上です。