イランが人工衛星打ち上げを強行~核弾頭搭載型ICBM(大陸間弾道ミサイル)開発を警戒する動き広がる~

イランが人工衛星打ち上げを強行~核弾頭搭載型ICBM(大陸間弾道ミサイル)開発を警戒する動き広がる~

 

 

イランが人工衛星打ち上げを強行~核弾頭搭載型ICBM(大陸間弾道ミサイル)技術に繋がるとして米国が警戒~

日本ではあまり大きなニュースになりませんでしたが、非常に重要な出来事がありました。

イランが人工衛星を打ち上げたのです。

イラン、米の警告振り切りロケット打ち上げ 衛星は失敗

人工衛星の軌道投入には失敗したものの、これは非常に重要な一歩です。

今後もイランは第二、第三の人工衛星打ち上げを計画しているということです。

イラン、新たな衛星打ち上げの準備

 

 

 

原理的には人工衛星もICBMもおなじ

今回、なぜアメリカがイランの人工衛星に反対したのかというと、ぶっちゃけていってしまえば、

人工衛星もICBMも原理的には同じようなもの

だからです。

もちろん、大気圏内への再突入時の技術などにおいてちがう部分はあるのですが、とりあえず人工衛星を開発できれば、ICBM開発の第一歩を歩むことができることになります。

 

 

イランは北朝鮮の核外交を見習っている~98年の光明星1号に始まるICBM開発~

今回、イランがやったことは、北朝鮮が1998年から行ってきた光明星の打ち上げと同じです。

光明星1号、2009年の光明星2号、2012年3月の光明星2号1号機こそ失敗しましたが、2012年12月の光明星3号2号機で軌道投入に成功。

2016年にも光明星4号を打ち上げてこれを軌道投入させ、安定した技術が確立されたことを北朝鮮はアピールしました。

そして次に、核弾頭搭載型ICBMの開発に乗り出したのです。

オバマ政権はこの一連の流れを完全にスルーしており、トランプ政権になってアレコレやっているのは、多くの人がみてきたとおりです。

 

 

イランと北朝鮮は核・ミサイル技術の共有をしている可能性

これは以前より周知の事実だと思いますが、イランと北朝鮮とは、核、ミサイルなどの技術共有をしていると言われています。

ソースは、たぶん検索したらいくらでもヒットすると思うのでパス。

とりあえず、イランは核技術をがっつり開発して北朝鮮に渡し、北朝鮮はミサイル技術を開発してイランに渡す、そんな感じのやりとりが行われてきたと言われています。

現在のイランにどれくらいの技術が渡されているのかはわかりませんが、たぶん北朝鮮が開発したよりも遥かに短い時間で人工衛星の軌道投入技術は手に入れるはずと思われます。

イランは向こう数年のうちに、人工衛星の軌道投入に成功、その後数年で再突入技術も現実的なものになるかもしれません。s

もしそうなれば、当然標的はアメリカ、ということになります。

 

 

イランの核ミサイルが現在届く範囲はイスラエルのみ、今後はアメリカが対象か?

イランがどれくらいの核技術、ミサイル技術を持っているかは確実なものがわかりません。

あくまでも個人的な見立てですが、最大限にイランの技術水準をみてみるとしても、現在は中距離ミサイルに核弾頭を搭載する程度、射程の範囲もイスラエルがせいぜいじゃないか、と思います。

ですので、アメリカとしてはイスラエル(やサウジ)を助ける目的でイランと関わることはあっても、アメリカが本腰をあげてイランと交渉しようとはしていません。

対北朝鮮外交のような切羽詰まったものはなく、イランとの戦争を行うにしても、最前線で戦うべきはサウジとイスラエル、というのがアメリカのスタンスにみえます。

 

しかし、イランはそれではない、北朝鮮と同じような交渉スタンスを望み始めています。

そのために、イランがめざすのは、

自前で核弾頭搭載型ICBMを持つこと

それがすべてです。

 

今のイランや北朝鮮をみていると、核兵器の保有の意味に新たな一ページが加わっているように思います。

かつて核兵器は、攻撃するためのもの、または戦争を起こさないように抑止力を願って保有するものでした。

ですが現在の北朝鮮やイランの核保有の意図をみるに、

イランや北朝鮮は「外交の場にアメリカをひきずりだすために核兵器を保有」している

ようにみえます。

いわば、交渉力を願って核兵器を保有している・・・

これは戦争を起こさないために、抑止力を期待して保有することに含める見方もあるでしょうが、個人的には分けて考えたいように思います。

かれらは、別に本気でアメリカと戦争したいなんて思ってないんです。

ただ攻撃されたくない、ちゃんと話し合いたいから核兵器を持とうとしている。

いろいろといじらしいw

とりあえず、北朝鮮にしてもイランにしてもそうですが、敵対的な関係を継続していたから核兵器保有に繋がっています。

これはアメリカの外交における大きなミス、その発端は60年代~70年代にさかのぼるミスです。

当時、しっかりと対応していればこんなことにはならなかった。

何事もそうですが、きっちりケリをつけておかねばなりません。

やるならやる、やらないならやらない。

倒すなら倒す、倒さないならさっさと仲直りする。

中途半端が何事もいけない。

いま米国はシリアからの撤退をすべきかどうかアレコレ言ってますが、くだらないと思います。

撤退するなら、中東全域からすべきであり、それができないなら、増派しまくりで中東地域と一蓮托生すべきです。

しかし後者は完全に選択肢としてありえない。

ハドリアヌスの時代は終わったのです。

以上。