【7240】NOKの業績と株価~FPC(フレキシブルプリント基板)とオイルシールで世界シェアトップ

【7240】NOKの業績と株価~FPC(フレキシブルプリント基板)とオイルシールで世界シェアトップ

 

今回は、自動車用オイルシールおよびフレキシブル配線基板FPCの世界シェアトップ企業NOKの業績と株価についてみていきます。

まずはNOKの会社説明から始めます。

 


NOKの会社説明

NOKは自動車や建機などに使われるオイルシールや、スマートフォンやタブレット、HDDなどに使われるフレキシブルプリント基板FPCの製造を行っている企業です。

 

NOKのフレキシブルプリント基板FPC事業

フレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits/FPC)は、曲がる配線基板です。

スマートフォンとかを分解したときに、フィルムのような曲がる基盤が入っているのに気づくと思われます。あれがフレキシブルプリント基板、FPCです。

NOKのフレキシブルプリント基板FPC事業は、子会社のメクトロンにおいて行われています。

NOKのフレキシブルプリント基板FPC売り上げは国内、世界シェアともにトップです。

ただ、この事業はもう10年以上たち、競合他社も安値受注を繰り広げています。

あまり差別化ができない事業でもあり、最近は利益率の恒常的な低下に悩まされています。

 

 

 

NOKのオイルシール事業

オイルシールというのは、潤滑油やガスなど、気体・液体が漏れないようにするために金属部品につけるゴムパッキンみたいなものです。

自動車からガス製品、大型プラントや建機、重機、産業機器などありとあらゆるものに使われます。

ただ、この事業は現在、自動車のEV化の影響を受けるのではないかと懸念されています。

自動車の動力が内燃機関から電気モーターになれば、潤滑油を利用する場所以外ではオイルシールは必要なくなりますので。

 

 

NOKの沿革

1939年 江戸川精機株式会社創業

1941年 日本ベアリング製造株式会社創業

1948年 東京オイルシール工業(元・江戸川精機)と日本油止工業(元・日本ベアリング製造)が合併し、日本オイルシール工業株式会社に変更

1960年 フロイデンベルグ社と資本提携、技術導入

1961年 東証二部上場

1962年 東証一部上場

 

 

NOKとフロイデンベルグ社(Freudenberg Sealing Technologies)

フロイデンベルグ社は旧西ドイツのゴム、プラスチック、不織布メーカーで、NOKには資本と技術を導入した企業です。

日本が中国企業や韓国企業に技術や資本を投入したのと同様に、日本にもかつて海外資本を積極的に導入する時期がありましたが、その当時から今に至るまで、NOKの最大の株主として存在しています。

また、2016年には日本バイリーンを買収。不織布、フィルター事業などを展開しています。

なお、フロイデンベルグ社は同族非公開企業であり、創業者Carl Johann Freudenbergの相続人たちが株式を保有しています。


NOKの業績

ここからはNOKの業績について決算資料などをもとにみていきます。

(以下は2019年1月28日に書きました)

 

NOKの2018年Q3決算見通し・業績予想修正

NOKが1月23日に業績下方修正を発表。

2018年Q1~Q4の営業利益が266億円の見通しを新たに示した。

2018年Q1~Q2が140.4億円だったので下期は約125.6億円程度。

上期に比べて減ってはいるが、減益率は減速。

NOKの株価はこれを好感して反発

 

NOKの株価と投資判断 20190128

NOKの事業のうち、オイルシールは今後も潤滑油を利用した場所での利用は行われるが、全体的に電動化が進むと、油圧機器向けや内燃機関向けの需要減退が見込まれる。

また、フレキシブルプリント基板FPCはコモディティ化が著しく、価格競争に巻き込まれている。

バリュエーションはフロー面では魅力に乏しいが、財務面では余裕がある。

今後は株主還元策がどのようなものになるかに注目が集まるはず。

 

 

 

NOKの2018年Q2決算の業績

NOKの業績は前年比で売上、営業利益ともに大きく減少

 

 

NOKの2018年Q2決算セグメント別業績

NOKのセグメント別業績。

オイルシールは建機、工機、ロボット向けなど一般産業向けに好調。

自動車向けも東南アジア中心に好調

電子部品はスマホ向け、HDD向けのフレキシブルプリント基板が不調で売上が13.1%減、営業損失が大きく拡大

ロール事業は事務機向け需要は横ばい、全体の販売は減

特殊潤滑剤などは増収増益


 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。

投資にあたっては自己責任でお願いいたします。