バニラビーンズ価格が高騰でハーゲンダッツ値上げ~主産地マダガスカルの災害と、世界的な天然香料ブーム、新興国の消費拡大が理由~

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バニラビーンズ価格が1キロ約800ドルに

 

バニラビーンズ価格が非常に高騰しているそうです。

2010年ごろに1キロ50ドルを割り込んでいたマダガスカル産バニラビーンズの価格は2014年頃から上昇を始め、2019年には約800ドルに到達

この間、約20倍程度上昇しており、バニラビーンズをもとにしたバニラエクストラクトの価格も約30倍と暴騰しています。

今回は、そんなバニラビーンズについて話していこうと思います。

 

バニラの種類

一般的に、バニラといわれるものにはいろいろなものがあります。

バニラビーンズ、バニラエクストラクト、バニラオイル、バニラエッセンス、バニラシード・・・

これらについて、ちょっと解説しておきます。(相場と全然関係ありませんが、ちょっとお料理知識として持っておいても良いと思います)

 

 

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バニラビーンズ


S&B (エスビー) マダガスカル産 バニラビーンズ 10本入

まずバニラビーンズですが、これが今回お話しする内容のものになります。

バニラというラン科の花が受粉して結実した鞘を熟成させるとバニリンを主成分とする多様な化合物ができます。それが良い香りになるのです。純粋なバニラです。

使い勝手はあまりよくありませんが、どんな用途にも使えて、非常に自然なキレのいい甘い香りが特徴です。

自分はお菓子を作る時は、バニラビーンズを使用するようにしています。

 

 

 

 

バニラエクストラクト

 


アリサン バニラエキストラクト 59ml

次にバニラエクストラクトですが、これは上記のバニラビーンズの香りの成分をアルコールに溶け出させたものになります。

純粋に天然バニラビーンズの香りを移したものですので、加熱などでアルコール分を飛ばすことのできる用途であれば、使い勝手のいい製品になります。

ただ、しっかりした香りを出すのは難しく、どうしても投入する量が増えてしまいます。

 

 

 

バニラオイル


プティパ バニラオイル 30ml

バニラオイルは、バニラの香りを人工的に作ったものをオイルに溶け込ませたものです。

オイルに溶け込ませるのは、安定した状態をたもつため。

焼き菓子などに使う人がいますが、安っぽくておいしくないものになるのでやめた方がいいです。

バニラオイルと天然バニラの違いがわからないような人にはお勧めです。

 

 

 

 

バニラエッセンス


明治屋 エッセンスバニラ 30ml

バニラエッセンスは、バニラオイルと似ていますが、熱をあまり強く加えないものに使うものになります。

たとえばババロアや蒸しプリンなどには使われます。

とても安いですが、とても安っぽいニオイです。

とても食品とは思えないような匂いですが、それもそのはず、原材料は紙パルプ産業の製紙工場から出る廃棄物です。

こんなもので味覚を作っていたらマトモな感覚からズレると思いますが、世の中ではこういったものを多用した食品がコンビニやスーパーの店頭を飾ります。

世も末です。

 

 

 

 

バニラシード


PB マダガスカル産 バニラビーンズシード 30g 製菓 製パン 材料

バニラシードです。

名前からしてバニラビーンズの種だということはわかると思います。

しかしこのバニラシード(バニラの種)、香りがありません。

バニラエクストラクトなどにバニラの香りを移したあとの、残りカスから種のつぶつぶだけをこそげ落として集めたものです。

味も香りもないのは当然です。

何のためにこんな商品があると思いますか?

これはつまりですね、天然バニラを使っているように装うためなのです。

天然バニラは高いから、バニラオイルやバニラエッセンスで香りをつける・・・けれどそれだけだと黒い粒々がみえないから天然バニラを使ってないのがバレちゃう・・・

天然バニラを使っているように詐欺るためにはどうしたらいいか・・・そうだ、バニラエクストラクトで香りをとりきった残りカスから黒い粒々の種だけ集めて売ればいいじゃん!?

そんな感じでできたのが、このバニラシードです。

コンビニのプリンとかみてください。

バニラシードって書いてあるなら、それはまさにこの素敵な商品が入った欺瞞に満ち満ちた商品です。

そのコンビニプリン、天然バニラ使用とか表示されていませんか?

たしかに天然のバニラの種は使われているんですよ。

でもそのコンビニプリン、実際にはバニラの香りは偽物香料で、見た目だけバニラが入っているように見せているだけです。

そういうふうに消費者をだますための道具が、このバニラシードです。

 

 

 

 

 

 

バニラビーンズの別種類~ブルボンバニラとタヒチ産バニラ・タヒチアンバニラ

さて次に、バニラビーンズには主に二種類あるということをお話しておきましょう。

一般的にはバニラビーンズというと、マダガスカル産などの細くて、20~30㎝程度の長さの鞘のものをいいます。(さきほど載せたものです)

これらが全流通量の9割超を占め、

『ブルボンバニラ』

と言われています。

じつはこのほかにも、ブルボンバニラより、長くて、太くて、やや湿り気をやや帯びたものがあります。

『タヒチアンバニラ』『タヒチ産バニラ』

というものです。

このタヒチ産バニラ、植物の種類が違います。

非常に濃厚で、むわっと超高級な香りがします。


タヒチ種 プルミエクオリティ バニラビーンズ 【50g】(送料無料)

値段見て驚いてください。

めちゃくちゃ高いです。

とりあえず、一般のバニラビーンズでも高いですが、このタヒチアンバニラになると2倍超します。

しかし、アイスクリームなどをこれで作ると、本当に素晴らしい香りになります。

タッパー一つのアイスを作るのにタヒチアンバニラ一本丸ごと使うので、大体アイスクリームのコストが大きなタッパーひとつで3000円弱くらい行っちゃいます。

頭が痛くなる値段ですが、おいしいです。

とりあえず、今回はこちらのバニラについてはおいておいて、マダガスカル産バニラについて語っていきます。

 

 

 

 

 

バニラビーンズの主産地

というわけで、そろそろ主題です。

ちょっと横道にそれ過ぎましたが、まじめにバニラビーンズの価格について考えていきます。

まずバニラビーンズの主産地についてみてみましょう。

 

マダガスカル産が圧倒的に有名です。

インドネシア産もそこそこ有名。

最近では中国産なんてのもあるんですね。

自分は知りませんでしたが。

 

バニラビーンズの主産地マダガスカル

バニラビーンズの主産地であるマダガスカルは、非常に貧しい国です。

関連記事⇒【統計】マダガスカルの一人当たりGDP

フランスの統治下が長く、長い間、フランスとの貿易額が一番多い国でした。

現在では中国から輸入して、フランスに輸出する、そういう貿易構造です。

フランスが欲しがるのが、そう、バニラです。

 

 

 

ラン科の植物バニラ⇒バニラビーンズ

バニラビーンズのもとになるバニラの種は、ラン科バニラ属の蔓性植物が結実して作られるものです。

このバニラですが、原産地は中央アメリカ。

大航海時代後に世界中に苗が移植され、現在の産地の分布になりました。

Vanilla planifolia 1.jpg
Wikipediaより

 

 

 

 

バニラビーンズの生産法~バニラの花の受粉にはハリナシバチが必要

じつは、バニラの花は虫媒花で、しかも自然界ではハリナシバチ以外では受粉しないと言われています。

このハリナシバチは中央アメリカの固有種であり、他の地域にはいないとのことです。

ですから古来より、中央アメリカからバニラの苗を移植しても、ぜんぜん結実せず、生産を試みたものたちはことごとく失敗しました。

 

 

バニラビーンズの生産法~エドモン・アルビウスによる人工授粉の発見

ところがたまたま、レユニオン島の12歳の奴隷少年エドモン・アルビウスが人工授粉の方法を発見し、それをレユニオン島に広めたことでバニラビーンズの結実方法が確立。

レユニオン島とマダガスカルがバニラビーンズの一大生産地となりました。

 

なお、どちらもフランスの植民地でしたから、フランス菓子の発展にも、このレユニオンとマダガスカルのバニラ栽培の影響は大きいといえます。

それまでタバコの香りづけ材料だったバニラが、より一般的なお菓子のための香料になっていくことになります。

世界のお菓子の歴史を大きく変えるキッカケとなりました。

 

 

バニラビーンズの生産法~バニラの花が結実するためには午前中のみ~

なお上記のように人工授粉でバニラの花を結実させることができることは発見されましたが、これがなかなかにシビアなものであると言われています。

具体的には、バニラの花は一日花であり、しかも受粉が綺麗に行えるのは午前中だけ、というのです。

バニラのプランテーションでは、いまだに人海戦術でバニラの花が咲くのを待って、午前中のうちに受粉させまくるのだそうです。

つまり、それだけ労働力が必要な作業ということ。

 

 

バニラビーンズの生産法~盗難が相次ぐ現場

バニラの花は受粉した後に6週間ほどしてちょうどいい30㎝くらいの成熟した実に育つとのことです。

しかし、実際にはこの大きさになる前に刈り取られるそうです。

なぜか?

盗難だそうです。

夜陰に紛れて他人のプランテーションからゴッソリとバニラの実を刈り取っていく盗賊団がいるのだそう。

そんなわけで、しっかり結実する前に20㎝そこらで刈り取ってしまうのだそうです。

こうしたことから、収量がなかなか伸びない状況となっています。

 

 

 

バニラビーンズの生産~キュアリング

バニラの実は刈り取られたあと、鞘ごと乾燥、発酵、乾燥、発酵の熟成工程を繰り返すことになります。

これをキュアリングといいますが、これによって鞘および種子に非常に強い香りの成分が出てきます。

ワックスのような油が浮き出てきて、これがバニラビーンズの香りの成分となるわけです。

だいたい3週間程度こういった作業を繰り返すと言われており、なかなかに労力のいる作業とのことです。

 

 

バニラビーンズの生産法~バニラの苗の成熟には7年程度必要

バニラビーンズの生産ですが、まずバニラの苗を植えて、バニラが花を咲かせるようになるまで3年程度必要と言われています。

そしてさらに、成熟して安定した収量を出せるようになるまで7年程度が必要と言われており、何かのきっかけで生産量が激減すると、そのあとも生産が回復しない状況が長く続くことになります。

 

バニラビーンズ価格高騰の理由~2017年にマダガスカルを襲ったサイクロン

バニラビーンズ価格高騰の要因はいくつかあると言われていますが、そのうちのひとつがサイクロンです。

2017年3月にマダガスカル島をサイクロンが襲い、これによってバニラの苗が大量に被害にあったのだとか。

上記のように、バニラは苗を植え付けてから7年もたたないと生産量が増えない。。。

よって供給が全然足りずに、べらぼうな高騰を記録することになったというのです。

ただし、これは一つの要因にすぎません。

じつは2014年くらいから大きくバニラビーンズ価格は上がってきており、2017年のサイクロンだけを相場の材料にするのはちょっと無理があるからです。

 

 

バニラビーンズ価格上昇の理由~世界中で高まる天然香料への需要が一因か?

自分は、バニラビーンズ価格上昇の理由のひとつは、世界中で高まる天然香料への需要ではないかと思います。

近年、オーガニックブームのせいで食品だけでなく香水も天然香料が人気です。

アロマなどでも天然バニラを使ってしまうのだそうです。

 

 

バニラビーンズ価格上昇の理由~新興国など世界経済の好調

また食品用途に限っても、中国やインドネシア、中東など古くから天然香料を好む地域で中間層~富裕層の厚みが拡大。

先進国でも天然香料を好む人々が増えていることで需要面から価格が引き上げられているという理由を挙げている専門家もいます。

 

 

バニラビーンズ価格上昇の理由~人件費、治安の悪化などによる生産コストの上昇

マダガスカルなどで顕著だそうですが、バニラビーンズ価格が上昇したことで窃盗や強盗、殺人が急増しているのだそうです。

村人は銃器を手に自警団を作って対処し、仲買や工場ではセキュリティ対応の人員を雇ったり、コストが増大しているのだそう。

そうしたコストが転嫁されているというのも、バニラ価格高騰の一因になっているようです。

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バニラビーンズ価格上昇の理由~病害、レユニオンの奇病、高値での買い漁り、価格つり上げ

ぶっちゃけ、バニラビーンズの価格上昇の理由にはこれと言った理由が見つかっていないのが現状のようです。

たしか最初の頃はレユニオン島での奇病発生が手掛かりにされていたように思うのですが、その後、そういった報道もなくなりました。たしか2014年頃の話です。

また、病害の話もありましたが、それも消えました。

高値での買い漁り、価格つり上げも言われていますが、よくわかりません。

とりあえず、そんなこんなで現在、グラム単価で銀価格を優に超える値段にまで高騰したバニラビーンズ。

今後どこまで上昇するのか、それとも生産規模が拡大して価格下落するのか?

いろいろ興味深い状況です。

以上。