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テンセントの株価チャートは掉尾の一振の典型例

テンセントの株価をみてごらん~これが掉尾の一振って奴だよ~

 

テンセント株の株価チャートをみてみましょう。

 

このテンセントの株価チャート(日足)をみるだけだと、タイトルに書いた「掉尾の一振」という感じがしないと思います。

日足だとあまりにも接近しすぎていて、周りがよくみえないのです。

さて、では次のチャートだとどうでしょうか?

 

テンセント 株価(週足)チャート

 

いかがでしょう?

ちなみに、太陽暦の年末は12月末ですが、旧暦の年末は1月末~2月です。

 

Weixin、Wechatの将来性を期待されて2013年春頃から上昇に弾みがついたテンセント株は、じりじりと値を上げながら2016年までは年末高にならずに落ち着いた値の運び方をしました。

この流れは2016年も変わりません。

トランプ政権の誕生を嫌気してというのもありますが、テンセント株は年末には売られる、閉じられる、そういった動きが続きました。

ここまでは安定した値運びです。

多くの人が、安心感を持ちながら保有していたでしょう。(自分が買ったのもこの頃でした。安定的な成長を期待していました。)

 

これが明確に崩れたのが2017年です。

2017年のテンセントの株価は、まさに一年を通して大幅高

テンセント株は180→480へと一気に駆け上ります・・・年末にかけて値動きを加速させながら。

この年のテンセントのトップライン、ボトムラインのほとんどはゲーム事業の好調で説明できます。

ですが、多くの人はゲーム事業ではなく、テンセントが展開するQRコード決済Wechatpayやニューリテール事業への投資拡大を材料として囃して買っていたように思います。

11月にいったん押しを入れたテンセント株は、太陽暦の年末と、太陰暦の年末に向けてテンセント株は急騰します。

360→480ですからざっと3割です。

時価総額40~50兆円規模のテンセント株が3割動くというのは尋常じゃありません。

まだあがる、上がるから買う、とりあえず乗れるだけのっておけ・・・テンセントの株価はそういう動きをしていました。

 

まさにこのテンセント 株の動きこそ、掉尾の一振の典型例です。

 

掉尾の一振がなぜ起きるのかは、個人的にはよくわかっていません。

たぶん、市場参加者のほとんどが尤もらしいことは言えても、本当のことはわかっていないと思います。

ただ、その年の一番の中心銘柄が、最後の最後の気力を振り絞って大きく値を上げることがある。

多くの参加者が含み益の確定と含み損との合わせ切りをこなしながら、ドレッシングも含めて持ち上げられる・・・それが掉尾の一振です。

これをさらなる高値への通過点だと思って乗り続けると、痛い目にあうのが掉尾の一振です・・・

まさにテンセント株は、この掉尾の一振だったのではないか?

多くの人が、なんとなくですが、そう感じてきているのではないでしょうか。

ちなみに自分は、テンセントのQ4決算の発表あたりまでは利食いを入れながら回転売買を繰り返していました。

しかし、決算後のテンセントの株価の歩みをみるにつけ、これはあかんな、と思い手仕舞ました。

ここらへんは過去記事&twitterに書いていますので、よろしかったらご覧ください。

テンセント配給の中国版モンスターハンターワールドが配信停止~WeGameの展開に黄信号か~

テンセントの株価が直近安値にツラあわせ。暴落はおきるか?おきないか?

BATの一角・テンセント(騰訊)の業績と株価見通し

チャートをみてみよう 騰訊(テンセント)の場合

テンセントのVAS部門減収は一過性なのか?それとも・・・

テンセントのO2Oビジネス展開とコングロマリットディスカウントについて

 

 

とりあえず、今後のテンセント株の株価推移についてもざっと予想しておきます。

 

 

テンセントの株価はご存知の通り、非常にハイスピードで上昇してきました。

ご覧になればわかると思いますが、テンセントの長期の株価トレンドと現在の株価はかなりの乖離があります。

黄色の楕円で示した範囲は、テンセントの株価チャートにおいて完全に真空地帯です。

最悪の場合は、テンセントの株価は水色で示したラインまで下落を余儀なくされる可能性があります。

もちろん、それは可能性のひとつであり、そうなると断言するものではありませんが、少なくともこのチャートの動きからすると、テンセント株はいったん一相場がおわったとみて正解だと思います。

よほどなにか大きな好材料でもなければ、テンセント株に買いを入れていくのは危険かもしれない、と思います。

 

 

なお、中国でも日本でもそうですが、東アジア圏の会社でここまで急激に急成長する場合は、なんらかの政府高官とのパイプを疑った方がいいです。

最近、このテンセント(騰訊)の持っていたはずの中国上層部とのパイプがどうもうまく機能していない、そんな感じのニュースが相次いでいます。

中国文化観光省と国家広播電視総局がゲーム認証停止

中国がゲームに対して規制強化を進めている可能性がある・・・というニュースです。

 

中国全体の一人当たり名目GDPは8500あたりですから、その数字からすると、だいたい日本の70年代末頃です。

ですが、中国都市部の一人当たり名目GDPからすると、だいたい日本の80年代初めから半ばにかけてと同じくらい・・・と言えると思います。(中国は当時の日本よりも格差社会であり、中国共産党上層部や三大都市中間所得層などは更に上かもしれない。)

つまり、80年代の日本で騒がれていたような環境が、今の中国でも起きている可能性がある。

それはつまり、テンセントに限りませんが、ゲームへの規制などです。

昨年夏、王者栄耀(おうじゃえいよう)というテンセントのゲームが流行りました。このゲームの中毒性について、中国共産党系の機関誌が問題視しました。

「学生が勉学せずにゲームばかりやっている、軍隊の兵士も監視を怠ってゲームをしていた」・・・などなどの事例をあげながら

まるで日本の80年代のゲーム、マンガ叩きと似ています。

中国は阿片戦争を経験していますし、そもそも共産党ですから中毒性のあるものはご法度です。宗教、アヘン、ゲームを同じ次元で語ってもおかしくありません。

 

また一人当たりGDPの推移からすると、今後はロリコン犯罪や引きこもりによる殺人事件などが発生して、ぜんぶゲームのせいになるかもしれない。そういうタイミングに中国は達しているように思います。

宮崎勉事件などが起きたのが当時の日本です。もし中国でこういった事件が起きれば、ヒステリックにテンセントは叩かれることになるでしょう。中国のゲーム業界の実質的なトップですから。

 

 

そういった諸々の悪材料を含めて、もしテンセントの株価が落ちるとするなら、上記チャートに示した青線の延長線上くらいまで行く可能性はある、という話です。

もちろん、上記はあくまでも中卒くん個人の見解であって、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たってはあくまでもご自分の判断で、自己責任で行うようお願いいたします。