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5G開始延期で電デバ不況到来かも。

中国通信3社、投資を圧縮 通信料下げ命令で 

 

中国の通信三社(チャイナモバイル、チャイナユニコム、チャイナテレコム)が設備投資を削減します。

これにより、5G早期開始の目論見はハズれました。

電子デバイス不況がやってくるかもしれません。

要点は以下

  • 中国移動(China Mobile/チャイナモバイル 0941.HK / CHL)は2018年12月期の投資を前年実績比6.4%減の1661億元に削減
  • 中国電信(China Telecom/チャイナテレコム 0728.HK/CHA)は、設備投資を前期比15.5%減の750億元まで削減
  • 中国聯合通信(China Unicom/チャイナユニコム 0762.HK /CHU)も二年連続で設備投資抑制
  • 全人代で李克強首相がデータローミング料金撤廃など、通信料金削減を打ち出したことが理由
  • 昨年は李克強首相指示で長距離通話料金が削減され、通話料収入が三割減少
  • 利益率確保のため各社とも設備投資を削減せざるを得ない状況に陥っている。

ということです。これについては以前書いたチャイナユニコムの決算についての記事でも

チャイナユニコムの2017年決算 5G投資は2019年以降か?

チャイナモバイルやチャイナテレコムの方針も見てみないと確定はできませんが、業界の方針としては2019年からの5Gは早すぎる・・・ということのように見えます。

 

と書きましたが、やはり業界全体として「5G投資はまだまだ先」という見通しのようです。

チャイナモバイルの李躍CEOによると、「5G投資は4G投資額2000億元を超える可能性がある。5G投資は2020年以降になるだろう。」とのことです。

つまり5Gは、動き出したら大きいけれど、動き出すまでには時間のかかる案件ということになります。また、実際に投資が動き出した場合でも、初期はピュアな5Gではなく、4Gの基地局と5Gを混ぜ混ぜにして使うプレ5Gのようなものになります。(4G導入のときも、3G回線網と混在するLTEが先に始まり、その後にピュア4GであるLTE-Advancedが導入されていきました。それと同様のことが5Gでも行われます。)

ピュア5Gが普及し始めるのは、(個人的な予想では)早くても2022年からだとみています。そこからが、いまメディアで言われているような5Gでできること(遠隔医療やらVRやら自動運転補助やら・・・)の本格開始です。

逆に言うと、それまでは本格的なスマホの進化はおきないということです。カメラ機能が充実したりする程度です。当然のことながら、スマホ販売は落ち込むと思われます。

2000年代後半の状態と似てきているように感じます。

 

とりあえず個人的な意見で言えば、いま電子デバイスセクターを買うのは考え物です。ヒストリカルなバリュエーションからみれば割安感はありますが、それらは業績の急低下を織り込んでいません。良い業績が続くという前提で組み立てられています。電デバセクターをバリュエーション面から見るようなレポートが出てきたら、それは眉に唾を付けて読んだ方がいいです。だいたいにおいて、相場の天井を示唆しています。

 

とりあえず、今後の流れはこんな感じになるんじゃないかなぁとみています。当たるも八卦当たらぬも八卦な感じで読んでください。

 

  1. 中国政府が半導体・電子部品メーカーへの補助金を拡大(こちらの記事参照)
  2. 2020年頃に電デバ需給が急激に悪化
  3. 日本、台湾、韓国企業が多数業績悪化
  4. 中国企業が政府系資金を利用して上記業績悪化企業を買収
  5. 混合所有制改革の一環として、中国の民間ネット企業に対して通信各社への投資を要請
  6. 中国の通信各社が新規資金を利用して2021年頃から5G投資拡大
  7. 2022年頃からはいま以上の電デバ需要拡大

 

こんな感じで2020~21年頃に投資の好機がやってくるんじゃないかと、皮算用をしています。いまは、各社ともに戻り売りスタンスで見ています。

 

とりあえず、これらはあくまでも個人的な意見です。投資をお勧めするものではありません。また数字に間違いなどある場合もあります。実際の投資行動においては自己責任で、自分で確認して行ってください。以上です。