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テンセントにとってDream11への出資はインド事業の橋頭保となるか?

テンセントがインドのスポーツゲーム最大手Dream11(ドリームイレブン)の過半株式を取得して子会社化~テンセントはインド事業へ本格的に乗り込んでいく模様

中国のゲーム大手テンセントが、インドのスポーツゲーム最大手ドリームイレブン(Dream11)の株式過半数を取得して傘下に収めたとCNBCが伝えています。

Tencent Holdings buys majority stake in gaming app Dream11 Fantasy

 

インド国内において、クリケットなどを主体にスポーツゲームを開発・販売しているDream11(ドリームイレブン)がテンセント主導でシリーズDの資金調達を実施。

テンセントがリードしたこのDream11(ドリームイレブン)の資金調達で、テンセントは同社株の過半数を手にしたとのことです。

なお、Dream11(ドリームイレブン)創設者のHarsh Jain氏の持分は約35%に減少するとのことです。

Harsh Jain氏は今回のDream11(ドリームイレブン)のテンセントの傘下入りを「世界最大のゲーム会社を信頼している」と前向きに評価しているもようです。

(鶏口となるも牛後となるなかれ、の逆を行く展開ですね。個人的にはそれは正解だと思います。)

 


 

Harsh JainとBhavit Shethによって2012年に設立されたDream11(ドリームイレブン)は、クリケット、サッカー、カバディ、バスケットボールなどのネットゲームを展開し、世界の主要リーグとの公式パートナーシップを結んでいます。

なおインドはオンラインゲームとモバイルゲームにおいて世界で5位の市場であり、そのシェアは13%をしめるとのことです。

India Among Top 5 Countries In Online Mobile Gaming: Report

こうしたなか、インドのゲーム市場を巡ってはNAZARA Technologiesや、Paytmの親会社であるOne97 Communicationsなども積極的に投資を展開しています。

この戦いに、テンセントも参画するということであり、その先兵になるのがDream11(ドリームイレブン)というわけです。

Dream11(ドリームイレブン)の広報担当者によると、同社には約4100万人のユーザーがおり、2019年までには1億人に達する見込みとのことです。

テンセントによる今回のDream11(ドリームイレブン)への投資は、インドへの投資としては過去最大のものであり、同社の意気込みが感じられるものとなっています。

 


テンセントによるDream11(ドリームイレブン)への投資は、インド攻略における非常に重要な一歩であるといえます。

 

テンセントはいわずと知れた中国最大のゲーム会社であり、その国内シェアはライセンス販売しているものも併せて50%を超えています。

また同時にテンセントは世界最大のゲーム会社でもあり、名だたるゲーム会社に出資、子会社化してきました。

たとえば世界で一番ユーザー数が多いと言われ、競技スポーツゲーム大会の種目にも常に入っているLeague of Legends(LoL)ですが、ここの開発元ライアットゲームズ(riot games)はテンセント傘下です。

また、世界的に大ヒットしたバトルロワイヤルゲームPLAYERUNKOWNSBATTLEGROUND/PUBGの開発元Blueholeなどにも出資しており筆頭株主になっています。

東南アジアのゲーム配信企業SEA ltd.などもテンセントの出資先企業であり、テンセントの出資先は地域において極めて重要なポジションを握っています。

 

 

そんなテンセントがインド事業の橋頭保として選んだのが、クリケットなどのスポーツゲームをインド国内で展開するDream11(ドリームイレブン)です。

 

つまり、このニュースは非常に重要だと、個人的には思います。(相変わらず、あまりこの手のニュースは日本国内で重視されませんが・・・)

 

ご存知のとおり、中国ではここ最近、ゲーム産業に対する風当たりが非常に強くなってきています。

テンセントは中国国内での事業比率を下げることを目指しているように見えます。

また、事業内容を多角化し、政策リスクに振り回されなくて済むようにしようとしているようにも見えます。

 

そもそもゲーム産業は最初にゲーム自体を作ってしまえば、あとはローカライズの手間をちょっとかけただけで販売量を増やせるビジネスです。販売先が多ければ多いほど美味しいビジネスですから、テンセントが販路を拡大させようというのは極めて理にかなった行動です。

その点で、テンセントが人口13億人を抱えるインド市場へ乗り込んでいくことは当然であり、その橋頭保として国民的スポーツのクリケットのゲームを販売しているDream11(ドリームイレブン)に出資をしたことは当然なのだと思います。

 

ながながと書くのもあれなので〆ますが、このニュースの続きは今後も追っていきたいと思います。

以上です。