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中国がゲーム規制を強化へ~テンセントやネットイースには悪影響の可能性~

中国新聞出版総署がオンラインゲーム総数を管理する方針~教育省はゲームで遊ぶ時間を管理へ~ネットイースやテンセントの業績に下押し圧力か?

 

中国のゲーム管理を行っている新聞出版総署が、オンラインゲームの新規発行総数を制限する方向とロイターが伝えています。

Chinese regulator to control number of new online video … – Reuters

また中国教育省は、屋外で遊ぶ時間が減っていることで近視が増えていることを問題視。

携帯電話の使用時間やゲームで遊ぶ時間を管理するよう、保護者に呼び掛けるなどしはじめています。

なお先日も記事にしましたが、これらの報道に先んじて、

新聞出版総署と文化省によるゲーム審査が今春から止まっている

ことが報じられています。

中国文化観光省と国家広播電視総局がゲーム認証停止

 

 

以前にも書きましたとおり、中国の一人当たり名目GDPはすでに9000ドル手前となっています。

また、北京、上海、深圳などの大都市部に限っては、一人当たり名目GDPは11000ドル程度となっています。

これらは日本でいえば80年代半ば程度の状況であり、当時の日本で起きた社会的な世相と同じようなことが、中国で進行中と思われます。

先日、WBSでは教育熱の高まりで中国の子育て世帯の教育費が高騰、一世帯あたりにならすと教育費が世帯消費支出の2割を超えてきているとの報道がありました。

さすがに年間160万はかなり上流層でしょうが、全体をならしても2割ということは、実際には家庭によってはもっと大きな比率で負担している例もあると思います。

なかには教育費を払い続けて破産する親も出てきているのだとか。

中国では家計債務比率が高まっており、これは住宅ローンの債務増大のせいなのですが、まるで80~90年代の日本をみているかのような状況になっています。

中国、家計負債の急膨張懸念 住宅ローン融資枠厳しく

崩れ落ちる中国経済 住宅ローン地獄で家計債務がリーマン危機前水準に

 


教育熱の高まりと、ゲームやアニメ叩きの高まりは、本当に

「この道はいつか来た道」

です。

90年代の日本の雑誌などを図書館で見てみたら良いと思います。

当時の世相がみえます。

報道をみるかぎり、日本と近いことが中国でおきています。

 

とりあえず、日本ではそれでもゲーム会社は業績を拡大させていきました。

たぶん、中国でもどうにかなると思います。

ただ問題は、中国は政府機関(中国新聞出版総署を含む)の決定が重すぎることです。

とくに表現規制や、ネットワークへの規制が厳しい。

このことがテンセント(Tencent Games)やネットイース(NetEase Games)、三七互娯(37Interactive Entertainment)、完美世界遊戯(Perfect World Games)、暢遊(Changyou)、遊族網絡(YOOZOO)などのゲーム事業比率の高い企業にとってネガティブな材料として認識されてきています。

 

テンセント(Tencent/騰訊) 日足株価チャート 0700.HK

いわずとしれたテンセントです。中国のネットゲーム市場で約半分のシェアをもっています。

おととしから昨年にかけて王者栄耀(おうじゃえいよう)の大ヒットで稼ぎまくりました。今年はゲーム産業全体への締め付け強化で、テンセント株も年始より軟調な展開となっています。

なおテンセントはブリザードやエピックゲームなどの親会社であり、それらを含めると世界最大級のゲーム会社ということになります。

 

 

ネットース(NetEase/網易) 日足株価チャート NTES

ネットイースは中国のオンラインゲーム市場においてシェア17%程度を握っています。

ネットイースは陰陽師と荒野行動の大ヒットで稼いでいます。が、荒野行動はバトルロワイヤルゲームの草分け的存在である韓国BlueHole社のPUBGにパクリだと言われて裁判で争っているそうです。

なお、ネットイースは他に夢幻西遊、終結者2審判日、我的世界、倩女幽魂、魔獣世界、大話西遊2などを展開しています。

 

 

 

三七互娯網絡科技 日足株価チャート 002555.SZ

三七互娯網絡科技は自動車部品メーカーのようですが、傘下子会社にてオンラインゲームの展開をしているようです。オンラインゲーム市場の2%程度をにぎっています。三七互娯網絡科技は、阿瓦隆之王、永恒紀元モバイル、大天使之剣H5、択天記などを展開しています。

 

 

完美世界遊戯(Perfect World Games) 日足株価チャート 002624.SZ

完美世界遊戯(Perfect World Games)は、完美世界や誅仙などのオンラインゲームを展開している企業です。ほかにDOTA2、赤壁、武動全域、深海迷航、武林外伝、神雕侠侶、CS:GO、
などを展開しています。

甘美世界の営業収入のうち90%弱がゲーム収入です。

 

 

 

 

暢遊(Changyou) 日足株価チャート CYOU

暢遊(Changyou)は新天龍八部、、新水滸Q伝、剣仙、中華英雄、刀剣英雄、幻想神域、古域などを展開します。オンラインゲームのシェアは2%程度です。

 

 

 

 

 

 

遊族網絡(YOOZOO) 日足株価チャート 002174.SZ

遊族網絡(YOOZOO) は女神聯盟:天堂島、盗墓筆記、射雕英雄伝、魔法天堂、
少年三国志、捕魚大本営などを展開する企業です。刀剣乱舞-ONLINE-もYOOZOOが展開しています。

 

 

 

いやはや、しかしこうやってならべてみると、どれも悲劇的なチャートばかりですね。

とくに三七互娯(37Interactive Entertainment)、完美世界遊戯(Perfect World Games)、暢遊(Changyou)、遊族網絡(YOOZOO)など中小規模の開発&配信を行っているゲーム企業の株価は非常に軟調です。

 

とりあえず、今回の中国新聞出版総署による規制強化の動きは、ゲーム業界にいる人たちなら先んじて知っていた内容なのでしょう。

株価は見事に同じように動いています。

ですから、知ったらしまい・・・となるかもしれません。

ただ、だからといって今後業績に心配がないかというと・・・個人的には疑問です。

今後は中国新聞出版総署によって許可されるネットゲーム数に上限が加わったりするということですから、そこらか漏れた企業は大変です。干上がります。

大手は体力があるからいいでしょうが、中小はたまったもんじゃないと思います。

テンセントやネットイースにしても、これまでとは全く違った環境で商売をする必要がでてくるはず。

しばらくは冬の時代が続きそうです。

 

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