テンセント(騰訊)が中国国内で展開するはずだったPUBGが、韓国製ゲームであるという理由から「限韓令」に引っ掛かっているようです
昨年大ヒットしたバトルロイヤルゲームPUBG(PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS)ですが、テンセント(騰訊)による中国での正式なサービス開始が遅れているようです。
その理由は、PUBGが韓国製ゲームであるせい・・・と最近言われ始めています。
韓国製だからなんだ?って思ったのですが、中国政府としては本気でそういう理由で制限しているようなのです。
とりあえず、PUBGとはどんなものか?という点から話したいと思います。
PUBGは韓国のBluehole Studioが制作したバトルロイヤルゲームです。
百聞は一見に如かず、ゲーム画面を載せておきます。世界一位のプレイヤーの方らしいです。(ほんと?)
このゲームの版権をテンセント(騰訊/Tencent)が買いました。
で、中国向けにアレンジして、わざわざスマホアプリまで制作して、世界的にも販売していこうとしていたのです。
ところがこれが、「限韓令」に抵触しているために正式にサービスできないということなのです。
http://www2.hkej.com/instantnews/stock/article/1887693
※「限韓令」・・・韓流文化の規制を目的とした政令。2016年のTHAAD配備を機に導入
「んなあほなw」って思いますが、本当らしいです。
中国ではすでに、ネットイース(NetEase/網易)という中国企業が制作した「荒野行動」というバトルロイヤルゲームが存在しています。
https://www.youtube.com/watch?v=WYoDCiZ1o2Q
これに対して、Bluehole社はパクリゲーだとして訴訟を起こしているようなのですが、この訴訟が影響したのか、関係ないのか、中国国内でのPUBGの正式サービス開始に暗雲が漂い始めたようです。
この二つのゲーム、動画を見てみればわかりますが、どうみても似ています。ネット上の反応などをみても、荒野行動に対しては「パ〇リゲー」と指摘する声が非常に多いようにみえます。
一応、PUBGのケツ持ちは泣く子も黙るテンセントなのですが、どういう政治力学が働いているのか、どう考えても理不尽なこのような
「パ〇リゲーが正式サービスできているのに、本家本元PUBGが限韓令を理由に正式にサービス開始できない」
という状況になってしまっています。
中国共産党内部によっぽどのテンセント嫌い、韓国嫌いがいるとしか思えません・・・
で、中国は、こういう搦め手を用いて相手国に嫌がらせすることが多々あります。
たとえば、豪州は
- 中国からの政治献金に制限を加えたり、
- 中国人(を含む外国人)の住宅購入に制限を加えようとしたり、
- 通信機器の納入に制限を加えようとしたり
しているのですが、これに対して中国がとっている手法は
「豪トレジャリーワイン社の中国空港・港湾での通関業務を遅らせる」
という最悪なやりかたで対応しています。
当然、保冷コンテナですからコストがやたらかかります。
嫌がらせのレベルとしては最悪です。
今回、米国といろいろと通商問題を抱えてやりあっていますが、たぶんまったく予期しない斜め上のところから反撃がくると思います。
以前から言っているように、関税をかけあうだけならば中国は負け戦です。
中国が米国に輸出している金額の方が、米国が中国に輸出している金額よりも遥かに多いのですから、中国がかけられる関税には限りがあります。
これに対応するために何をするか?
個人的には、アメリカの映画を上映しない、というのは十分にありうると思います。ハリウッドへの打撃を利用するように思います。韓国のゲームが中国で嫌がらせされるのですから、アメリカの映画が嫌がらせされてもおかしくありません。
あとは、ソフトウェアなどもそういった扱いを受ける可能性があるかな?と思います。(もとからライセンス料をちゃんと払っていないという問題はおいといて・・・)
それともう一つ、最近考えているのは「レアアース、レアメタルなどの輸出を制限するのではないか」といったことです。実質的に中国がシェアのほとんどを握っている資源があります。これらの輸出に制限を加える可能性はあるのではないか、と感じています。
あとは北朝鮮問題やイラン問題に限らず、世界的な紛争問題で常にアメリカの反対側を支援する・・・みたいな感じですかね。
とにかく、嫌がらせ合戦が始まると思います。
で、まぁ最初の話題に戻ります。
テンセントは、前四半期(4月~6月)にPUBGの正式なローンチを期待していましたが、これができなかったことで大きく業績に影響してくると思われます。
テンセントのVAS部門(ゲームやビジュアル、音楽などの事業)の利益は昨年4Qあたりから頭打ちの兆候をしめしています。昨年は大ヒットMOBA「王者栄耀/Arena of Valor」で嵩上げされていますから、前年比の業績比較は要注意かもしれません。
前年比比較での成長をみせるためのPUBGだったのですが、これが正式ローンチしなかったのは同社にとっては本当に痛いと思います。
個人的には、このVAS事業の問題と、高まる理財分野への当局の締め付けが、テンセントの業績に影響する可能性をみています。
とりあえず、上記の理由からテンセントへの投資再開はしばらく様子見中です。
2016年~2017年にかけて大量に稼がせてくれた銘柄ですから愛着はあるのですが、銘柄に惚れることなく、しばらくは様子見を続け、代わりに日本の某電子部品メーカーに賭けようと思います。
とりあえず、最後にテンセントの株価チャートを載せておきます。
かなり長い横ばい、もしくは一段の下落を経ないことには、ちょっと安心して買えないなぁと見ています。
以上です。
なお、上記はあくまでも中卒くん個人の意見であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資に当たっては自己責任でお願いいたします。