中東危機に導く「Bチーム」とは?~イランのモハンマドジャバド・ザリフ外相が命名
対イラン包囲網「Bチーム」
イランにモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相という方がいます。
この方が、対イランで結託して強硬な態度を示す人物たちの名前にBの字が入っていることから「Bチーム」と名付けました。
ひとりひとりみていきましょう。
中東のBチーム No.1 ジョン・ボルトン(John Bolton)
まず最初はジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)です。
アメリカの保守強硬派を代表する人物で、対イラン、対キューバ(など中南米左派)、対北朝鮮で厳しい制裁による北風外交を展開している中心人物です。
もっというと、北風外交なのか、本気で戦争をするつもりなのかよくわからないくらいスレスレの際どいところを突っ走る政策立案を行う人物ともいわれています。
その外交手腕に関しては見方が二分するところですが、少なくとも、今まで成果が上がったものはなかったように思われます。。。
中東のBチーム No.2 ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammad bin Salman Al Saud)サウジアラビア皇太子
ふたりめはムハンマド・ビン・サルマン(Mohammad bin Salman Al Saud)サウジアラビア皇太子です。
略してムハンマド皇太子と言われることが多い人物です。
ジャマル・カショギ氏殺害事件の黒幕とも目されている人物です。
米国家安全保障局NSAはジャマル・カショギ氏殺害を命じるムハンマド皇太子の発言を傍受していた可能性
「ジャマル・カショギ氏殺害はサウジ当局の計画・実行」国連が調査結果まとめる~国連人権理事会で報告へ
「ジャマル・カショギ氏殺害はムハンマド皇太子の指示」とCIAが報告
中東イスラム諸国の中での対イラン強硬派の最右翼であり、
中東の次代のリーダーを自認し、暴力的で拡張的な政策をとりたがる人物のようです。
西側諸国の資金を利用してサウジアラビアの経済を原油中心のビジネスから現代的なものに変化させていこうと改革をしている・・・女性の権利拡大にも取り組んでいる・・・
と西側諸国のメディアは好意的にムハンマド・ビン・サルマンについてかつて報じてきましたが、そういった報道は最近はとんと聞かれなくなりました。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が行ってきたことというと
1.西側諸国の資金を調達
2.米国から兵器を大量購入(トランプ大統領就任後最初の訪問地はサウジ。皇太子と10兆円超の兵器輸出契約を結ぶ)
3.イスラエル、アメリカとの関係改善
4.エジプト独裁軍政への資金援助
5.イエメン内戦への介入で世界最悪レベルの人道危機を招く
6ほかの皇太子たちから資産没収
7.ジャマル・カショギ氏殺害事件の首謀者と非難される
まぁ、ろくなもんじゃありません。
【私見】ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(ムハンマド皇太子)とサダム・フセインが重なってみえる件について
とりあえず、この人物は中東の盟主にでもなりたいんでしょう。
中東の大国であるイランに対して常に強硬な態度を示しており、イランを蹴落としたいとすらみていそうです。
中東のBチーム No.3 ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相
3人目はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相。
イスラエルは中東地域唯一の非イスラム教国家として、過去4回の中東戦争を戦ってきました。
その後、エジプトやサウジ、ヨルダンなどとは関係を改善。(アメリカのバックアップを受けて)
最後までイスラエルに反抗的だったイラクはアメリカにぶっ潰してもらい
(ありもしない化学兵器をでっち上げて、アメリカはイラクに侵攻)
おなじく最後までイスラエルに反抗的なイランに対しても、アメリカをけしかけて戦争をしてもらおうとしている・・・そんな状況です。
中東のBチーム No.4 ムハンマド・ビン・ザイド・アール・ナヒヤーン(Sheikh Mohammed bin Zayed Al Nahyan)皇太子
アラブ首長国連邦が休戦海岸だった時代からの最大部族ナヒヤーン家出身の皇太子です。
あまり表立ってニュースにのぼることのない人物ですが、アラブ首長国連邦のトップであるシャイフ・ハリーファ・ビン・ザーイド・アール=ナヒヤーンの異母弟に当たる人物でもあり、非常に有力な人物です。
またムバダラ開発公社のトップを務めており、このムバダラはトランプ大統領とビジネスを行っている関係がありますし、ソフトバンクとの繋がりもあります。
ソフトバンクはサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の推し進めるPIFとの連携をしていますから、そういう意味でムバダラとPIFはつながりがあります。
先述のジャマル・カショギ殺害事件がこじれたさいには、ムハンマド・ビン・ザイド・アール・ナヒヤーンはムハンマド・ビン・サルマン皇太子と連絡をとりあっていたといわれています。
今回も対イランで強硬な態度を示しているようですが、その背景には何か、利害関係があるのかもしれません。
中東のBチームは陰謀が好き?
とりあえず、そんなこんなでモハンマドジャバド・ザリフ外相が名付けたBチーム
対イランで強硬な態度をとっており、しかも連携がとれています。
先日のタンカー爆破の際にも、ろくに証拠が揃っていないのにイランのせいと決めつけてコメントをしていました。
こうした展開に対して、イランを貶めるための陰謀なのではないかとコメントする専門家もおり、情報が錯そうしています。
とりあえず、これらBチームの人々は利害関係で結びついています。
このBチームの周辺から発せられる情報は眉に唾を付けながら聞いたほうがよさそうです。
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