中国政府、13次5か年計画で250~270GWの太陽光発電を目指す~補助金縮減政策を転換へ~
中国政府が、ふたたび太陽光発電を推進するようです。
これは中国国家エネルギー局(National Energy Administration)が開いた第13次5か年計画の中期評価に向けたシンポジウムのなかで語られたもの。
このシンポジウムの中で国家エネルギー局の幹部は
「太陽光は依然として国が重点的に支援するクリーンエネルギーであり、今後も多くの補助・支援を受けられることになるだろう」
と発言。
「国からの補助金支給は22年まで続くこと、19年には太陽光発電にからむ関連政策が相次いで打ち出されるだろう」
と明らかにしたとのこと。
中国は太陽光発電への締め付け方針から、一転して拡大方針へ
これは、今年6月の方針とは全く逆方向といえます。
Major Policy Change in China Could Rock the Solar Industry Globally, Reduce Module Prices
中華人民共和国国家発展改革委員会(China’s National Development and Reform Commission /NDRC)は6月、このままでは補助金が枯渇するとして、今年の太陽光発電の枠をほぼシャットダウンしました。
昨年2017年には53GW(だったかな?記憶不確か)の設置があった中国の太陽光発電設備市場でしたが、この方針でいくと2018年は35GWくらいの設置容量になるだろうと予測されました。
これにより、太陽光パネルのメーカーや多結晶シリコンのメーカー、具体的に言うとGCL-Polyやジンコなどのメーカーが暴落しました。
中国は一年あたり40~50GWの太陽光発電設備導入か?
今回の発表によれば、今後2年間で250GW~270GWにするとのこと。
現在は165GW程度の発電設備が設置されているので、つまり、一年間に50GW程度の発電設備が導入される必要があるということ。
これは2017年通年の規模に匹敵する数字です。
とりあえず、中国政府はまた方針を転換して太陽光発電に力を入れていく模様
これは、米中貿易戦争のおかげかな、と思います。
いま、中国では貿易収支の持続性に疑問が浮かびつつあります。
中国貿易統計~米国以外への貿易収支が赤字に転じた件について 8月10日の記事
とりあえず、10月にはだいぶ改善してきましたが、
【統計】2018年10月中国貿易統計~対米黒字を除いても黒字化を実現
それでも中国にとってエネルギーと半導体が貿易収支を押し下げているのは事実です。
この二つの産業を内製化したいと、中国は願っています。
半導体も、エネルギーも内製化したい。
半導体の内製化はJHICCなどに増産させたらいいとして
中国半導体メーカー福建省晋華集成電路(JHICC)に対し、米国が輸出管理規則(EAR)に基づく制限措置を発動へ~本格的に中国企業をハブり始めた!
エネルギーの内製化は、自国内の油田、ガス田が枯渇傾向にあり、そして水力発電はめいっぱいに利用している状況ですから、ソーラーや風力に頼る以外にありません。(中国は石炭は豊富ですが、頼ると大気汚染が酷くなるので選択肢としてありえません。)
そういったことが、今回のシンポジウムの方向性でいろいろみえてきました。
中国は公共事業予算を積み増しますが、選択としては風力、太陽光など再生可能エネルギーへの投資が増やされると思います。
まだ完全に方向性の変化がみえたわけではありませんし、各社は下落トレンドの最中ですが、政策の変更を織り込むような動きを再エネ関連企業の株価がみせたなら、素直についていった方が良いと思います。
とりあえず、何社か載せておきます。
ジンコソーラー・・・高い発電性能の太陽光パネルをつくってます。ソフトバンクが北海道に作ったメガソーラーのパネルはここ。
GCL-Poly・・・多結晶シリコン製造最大手。インドでソフトバンクがメガソーラーを始めようと言っていましたが、そのときに提携したのがGCLポリーの関連会社、GCL System Integration Technologyです。
以上です。