やよい軒が「ご飯おかわり有料化」~親会社プレナスの業績悪化が主因か
やよい軒がご飯のおかわりを有料化へ
外食大手プレナスが展開する「やよい軒」が、一部店舗で白米のおかわりを16日より有料化するとのことです。
有料化の金額は店舗によって異なり、一回あたり30~100円になるとのこと。
なお、有料化するのは全国378店舗のうち東京、千葉、茨城、栃木の4都県12店舗。
今回の件についてプレナスの広報部は
「以前より、おかわりをしている人もしていない人も同じ値段を頂戴しておりましたが、その不公平感にご意見をいただいておりました。今回のテストは、改めて定食の価格とおかわり自由の価格を設定し、お客様の評価を把握する一環でテストを行います」
とコメントしているとのこと。(各種報道より)
やよい軒のおかわり有料化の背景に主食用米価格の価格上昇?
今回のやよい軒のおかわり有料化ですが、背景にコメ価格の上昇を指摘する声もあります。
実際、主食用米(業務用&家庭用)の相対取引価格は60㎏あたり16000円くらいに上昇しています。
これは2014年、一番安い時期に12000円を付けていたことに比べると3割超上昇しており、非常に高い水準であることは確かです。
この背景には農家による飼料用米への作付け変更などが影響している可能性が指摘されています。
ただ、よくよく考えてみてください。
3割コメ価格が値上げされたからといって、果たしてやよい軒の原価がどれだけ上がるということになるか。
たぶん、微々たるものでしょう。
個人的には、やよい軒の今回のおかわり有料化は、もっと別の部分に理由があると思っています。
やよい軒がおかわり有料化する背景に、「ほっともっと」の赤字転落か?
(以下はあくまでも個人的な見解です)
なお、今回のやよい軒のおかわり有料化の試験実施ですが、この背景に親会社プレナスの他事業の不振の影響がある可能性があります。
先日、以下の記事を書きましたが
⇒【9945】プレナスの業績・決算と株価~ほっともっと、やよい軒を展開
この記事の中でも書いているとおり、やよい軒を運営するプレナスの持ち帰り弁当事業「ほっともっと」は大幅な営業赤字状態に陥っています。
具体的にいうと、ほっともっとは対前年比で48億円超の減益となっており、非常に苦戦している状況です。
一方でやよい軒は13億円程度の黒字をキープしており、前年に比べてやや減益ではあるものの、踏みとどまっているのが現状です。
プレナスとしては、やよい軒はまだ値上げしても利益を増やせる・・・と見たのではないか、と思われます。
やよい軒のおかわり有料化は、下手をしたら共倒れの危険も
ただ今回の値上げ・・・下手をしたら共倒れの可能性も秘めているのではないかと思われます。
現状ではやよい軒は黒字です。
しかし、今回の件で人気が離散して、もし赤字転落してしまったりすると、もはやプレナスの事業のすべてが赤字・・・ということになってしまいます。
確かに主食用米価格は上昇しており、おかわり有料化したいというのはわかります。
しかし、いくら値上がりしたと言っても、主食用米価格の相対取引では12年当時の水準に戻った程度のはず。
やよい軒は当時もずっとおかわり無料だったのですから、それを理由にするのは違うはず・・・となれば、利益の極大化をめざしてのことでしょうが、果たして消費者がついてくるかどうか。
今回の件は、プレナスの事業全体においても、非常に大きな意味をもつ試験になりそうです。
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