イラン核問題をめぐるキナ臭い展開
ここもと、イランの核問題を巡ってキナ臭い展開になってきています。
これまでの経緯をおおざっぱにまとめます。
1979年 イラン・イスラーム革命勃発 パフラヴィー朝が崩壊、イラン・イスラーム共和国樹立
パフラヴィー元国王がアメリカに亡命
これに怒ったイラン革命政権がイランアメリカ大使館人質事件を起こす
アヤトラ・ホメイニ師がアメリカを非難
2006年 イスラム教権威を背景にしたアフマディネジャド大統領がウラン精製に成功と発表
同年、国連で非難決議を採択
核関連資材や弾道弾開発に繋がる物資のイランへの輸出をしないように各国に要請
しかしその後もイランは核開発を続け、核爆弾保有は2015年にも可能になるだろうという予測がIAEAなどから発表される
2012年 イスラエルが単独でイランの核施設を攻撃するのではないか、と報道
これを受け当時のオバマ政権はイスラエルに自制を求めるとともに、イランとの核問題に関する協議を行う方針を示す。
2013年 国連常任理事国とドイツの仲介で、イランとアメリカは核開発を平和目的に限定していくことで合意
だが、このとき合意内容が甘すぎるとしてイスラエルは激怒
イスラエルはイランと仲の悪いサウジを抱き込んで、対イラン包囲網を構築するとともに、アメリカで必死に対イラン制裁強化を求めるロビイング
2018年5月 トランプ政権はイランとの核合意を破棄、制裁を科すことを発表
同時に、同盟国などにもイランとの取引停止を求める
※イランは原油の生産、埋蔵量の多い国です。
2019年夏までに、各国に対してイラン産原油を輸入しないよう、アメリカは求め始めました。
これを受けて、イランが核開発を再開すると言い出しました。
これに対し、アメリカは空母を派遣すると発表
※空母打撃群ひとつだけでイラン攻撃することはありえません。
さらにアメリカは爆撃機軍も中東に派遣
米爆撃機が中東到着、海事局はホルムズ海峡の米船舶に警戒呼び掛け
さらには10万人規模の増派を行うのではないかとも言われています。
トランプ氏、イラン軍事行動計画を否定しながら大規模派兵を警告
で、そんなさなかにホルムズ海峡近辺でサウジのタンカーが損傷したとの報道がありました。
※自作自演じゃね?って思いますが・・・
イラン核問題で一番注意すべきはイスラエルの出方
とりあえず、イラン核問題をめぐる報道が活発化してきております。
この状況で、気をつけておかなければいけないのはイスラエルの行動です。
イスラエルは、他国を巻き込むために単独攻撃を行う可能性があります。
第三次中東戦争のような展開です。
実際に行われるかは兎も角として、いずれかの時点でそういった可能性も意識される場面がくるかもしれません。
ホルムズ海峡は世界の海上石油輸送のチョークポイントといわれます。
マラッカ海峡よりも多くの原油、石油製品が通過するポイントです。
ここに機雷が大量にばら撒かれる可能性、さらにはサウジアラムコの精製施設や採掘施設などに対する攻撃などもありえますし、タンカーも攻撃されるかもしれない。
そういうキナ臭い状況を意識したトレードに向かう可能性があることは、頭の片隅に置いておいてもいいと思います。
とりま山師稼業なら、実際にそうなるかどうかではなく、マーケットがそういう状況を織り込みにいくかどうか、そこをみていくべきです。
注目すべきは金価格、原油価格でしょう。
また地味なところでは、インド株かもしれません。
エネルギー価格に非常にセンシティブなので。
以上です。