記録的な高関税負担を迫られる米国民
フィナンシャルタイムズが米国の関税について興味深いグラフを提示しています。
米国はここもとの対中関税措置で国民の関税負担率が1%台後半から7%台後半に上昇すると言われています。
これは高関税で知られるインド(5%台後半)をこえて、世界でも有数の高関税国となるということ。
The world turned upside down by Trump, in one graph: The United States may very soon have higher tariffs than India. (h/t @ft @OliverStuenkel). pic.twitter.com/AbMz453iwK
— james crabtree (@jamescrabtree) May 22, 2019
現状では、中国からの輸出価格が下落していることから、中国側が関税分をほぼ9割方負担しているのに等しいと、個人的には見ています。
この点においては、トランプ大統領が
「中国が関税を負担している。アメリカは潤っている」
というのは一概には間違いではないと思っています。
多くのお利口さんは
「関税を負担するのはアメリカ国民だ。トランプ大統領は間違っている」
と言っていますが、少なくとも統計的にはトランプ大統領の発言は正しいように思います。
少なくとも現時点では。
でまぁ、そうは言っても、米国の関税措置を最終的に負担するのは、やはり米国民になります。
さすがにこれ以上は中国側企業もマージン削れないでしょうから、この調子でいくと今年から来年にかけては、かなり関税による米国内物価への影響が出てくるように思います。
これは新たに国民に税金が課せられているのと同じです。
消費増税と同じようなものです。
以前もこちらで書きましたが
トランプ大統領は、この増税措置による税収分を使って巨額のインフラ投資などを行うのではないかと思われます。
また、国境の壁建設にも流用しそうです。
そういった公共投資の拡大があれば景気対策にもなりますが、それまでのラグは、かなり消費が落ち込む可能性もあります。
そのあたりのシナリオも意識しつつ、投資に生かしていったらいいのではないかと思われます。
以上。