以下はニュースまとめに書くには長すぎ&個人的意見すぎるために別途コラムに纏めたものです。
読んでもまったく利益にならないと思いますので、カネになる情報を求めている方は飛ばしてください。
米国家経済会議委員長のラリー・クドローが、中国の習近平国家主席を公然と非難しました。
クドローNEC委員長:中国の習主席を貿易合意引き延ばしと批判
たかがアメリカ合衆国国家経済会議の委員長でしかないクドロー/カドローが、相手国の国家元首を公然と批判しています。
もともと単なる自由主義経済の信奉者であったはずのラリー・クドロー(Larry Kudlow)ですが、トランプ政権下では報復関税導入に積極的に転じています。
この理屈はつまり、「中国は自由主義経済システムを歪めている」「だから中国をつぶすべき」「その為には自由主義経済に反するかもしれないが、報復関税をするのもしかたない」といった展開のようで、彼の中では理屈が通っているようです。
現在、彼はナバロと並んでトランプ政権内対中強硬派の最右翼と見做されるようになっています。
しかし今回のクドローNEC委員長の習近平批判は一線を越えていると思います。たかが大統領の助言機関の一人でしかない人物が、メディアを使って公然と相手国の元首を非難する・・・上下関係を重んじる儒教の国である中国の人々にとっては理解に苦しむと思います。というより、侮辱に等しい行為だと思います。
で、これ、個人的には
クドローNEC委員長はわざと習近平国家主席を侮辱して中国人を怒らせようとしている
のだと見ています。
今回の件、なにかこう、文脈的に唐突感があるんです。わざわざそこで言わなくていいだろ?ってところでクドローはこれに言及しています。わざとやっている感がプンプンしています。クドローはバカじゃないです。これが引き起こす結果まで考えてやっているはずです。
なぜそんなことをするのか?
それは、中国人を焚き付けて、アメリカへの反感を高めさせることが目的ではないかと俺はみています。
かつて尖閣問題で、中国人は日本資本への攻撃をしました。
THAAD配備問題の時には、中国人は韓国資本への攻撃をしました。限韓令なんてものも発令され、いまだにそれは続いているそうです。
中国におけるPUBG展開が「限韓令」の影響を受けているらしい件
今回、クドローは中国人の指導者である習近平を公然と侮辱することで、中国人に反米感情を芽生えさせ、アメリカ資本への攻撃を起こさせて、アメリカ資本が中国で商売しにくくしようとしているのではないか。
「ほらみろ、中国人は野蛮だぞ。あんな国に出ていくのは間違いだぞ。」
と自国国民や企業経営者、株主たちに知らせようとしているのではないか。
そんな感じがします。
あくまでも個人的な見方ですし、うがった見方なのかもしれませんが、クドローは・・・そういう厭らしいことをする人物です。
ちなみに、習近平国家主席は中国人には間違いなく人気です。
他国のメディアでは彼を批判する論調のものもあります。
しかし、中国の留学生の方などの話を聞いても思いますが、彼らは本当に習近平に感謝しています。衣食住に困らず、今までで一番安心して生活できる。今までで一番たのしく快適に過ごせる。彼は天才だ。素晴らしい。・・・そう感じている中国の人が多いようにみえます。
もちろん、自分が付き合う範囲だけですからバイアスはありますが、習近平を全面的に悪く言う人はいません。せいぜいで、ちょっと問題あるけどしかたないよね。感謝しているよ、大好きだよ、みたいな感じです。
そんな中国人のリーダーを公然と批判したのが今回のクドローの一件。
これが中国のメディアでガンガン流れたら、ちょっとまずい気がしますが、たぶん中国政府はそんなことはさせません。しっかり統制します。
もっというと、中国のニュースをみていてもわかりますが、報復関税などについては以前よりもずっとトーンが低く報道されています。また、ネットメディアへの検閲も盛んにおこなわれているようです。
習政権、米批判控えめの真意 The Economist
CCTVなどをみても思いますが、ここ最近、強い統計にフォーカスした解説ニュースばかりが流れ、アメリカを非難するような記事がほとんど流れません。
昨日だって、「洪水でパイプラインが壊れたけど直したよ!」みたいなニュースが流れていました。通商摩擦は一切なしです。まるで経済が悪化してもそれは天災のせいだとでも言いたいかのように。
どう考えても違和感があります。
中国の指導部は、アメリカの挑発に乗って何か起きれば自分たちにとって大損になることをよくわかっているのだと思います。できるかぎり、関税問題を国民に知らせないように、忘れさせるようにしているようにみえます。
今回、アメリカは中国を世界経済のシステムから分離したがっています。
中国をハブろうとしています。
ハブられた中国が怒って騒いだら、
「ほらアイツはキレやすい奴だ」「あいつと遊ぶと良いことないぞ」「みんなで避けようぜ」
とやろうとしています。
まるで中学生のイジメですが、それと同じノリをやろうとしています。
中国の当局者は、必死で怒らないように、国民を怒らせないように我慢しています。
アメリカは、どんどん怒らせるようにイジるでしょう。
日本と欧州は、遠巻きにしてみています。
人間社会はミクロもマクロもやってることは一緒だと思います。
学校や会社内も国際政治も、たいして違いません。
とりあえず、これはそう簡単に終わる話じゃありません。
今後も嫌がらせが延々とつづいて、本格的に険悪な関係になるはずです。
まだまだ、序の口だと思います。
以上です。