台湾統一地方選、民主進歩党(民進党)の牙城・高雄市で韓国瑜氏が勝利
台湾統一地方選2018で与党、民主進歩党(民進党)が大敗しました。
予想されていた事態ではありますが、かなり地滑り的な変革が起きた2018年の台湾統一地方選挙。
与党民主進歩党(民進党)が首長ポストを13から6に減らし、2014年の選挙前の元の数字に逆戻り。
しかし、元の数字に戻ったというだけでなく、今回は今まで牙城とされてきた高雄市などで民進党がポストを失ったという点で非常に大きな意味を持ちます。
民進党の牙城・高雄市で市長ポストを奪った韓国瑜氏
民進党にとって高雄市は20年間、市長ポストを握ってきた牙城です。
高雄市はもともと本省人の比率が高く、台湾人としての意識が強い地域と言われます。
そのため、外省人の支持を集める国民党と異なり、高雄市の役職の多くは民進党が多くを占めてきました。
そこに落下傘候補として現れたのが韓国瑜氏です。
SNSやYoutubeなどを駆使して戦う韓国瑜氏
当初は泡まつ候補と思われてきた韓国瑜氏ですが、SNSやYoutubeなどを利用して選挙活動を展開。
自分のハゲ頭をネタにするような自虐的な動画で人気をとり、親しみやすいキャラで若者層の支持を広げました。
それでも「実際に投票する対象」という世論調査では民進党のエリート陳其邁氏が選ばれていましたので、今回の韓国瑜氏の当選は一定の驚きをもたらしました。(こういったことはトランプ大統領の当選で十分に経験済みですが。)
韓国瑜氏はなぜ勝利できたのか?
今回の韓国瑜氏の当選についてはいくつかの要因が専門家から指摘されています。
その一つは若年層失業率といわれています。
台湾は全体の失業率こそ3%台ですが、若年層失業率が12%台となっており、こういった層がSNSで繋がって投票行動に向かった可能性を指摘する専門家が多いようです。
とくに高雄市は長らく中国からの旅行客で潤ってきましたが、蔡英文総統の時代になってから中国が台湾へのツアー観光旅行を制限。
これにより高雄市の若年層失業率は大幅に上昇し、若者は外に仕事を探しに出てしまい、シャッター通りが続出しているとのことです。
このことが、経済重視を求める民意によって民進党から転換したことの理由であると専門家は語ります。
しかし個人的には、それだけじゃないような気がしています・・・
「韓国瑜 vs 陳其邁」は究極の選択だったのでは・・・
個人的には・・・
陳其邁氏があまりにも坊ちゃん臭くて気持ち悪かった・・・というのが、今回の韓国瑜の躍進の背景にあるような・・・気がします。
動画をみてください。
中国語は理解できなくても、なんとなく雰囲気は感じませんか。
この二人だったらどっち選びます?
あるいみ、究極の選択のような気もしますがwww
とりあえず・・・
今回の台湾地方選で、台湾の対中政策が大きく変化していくことは間違いありません。
蔡英文率いる民進党はアメリカへの擦り寄りによって、中国から距離を置こうとしていました。
しかしこの方針が民意によって否定されました。
台湾には、イデオロギーは中国化したくないけれど、経済面では中国と一緒にやっていきたい。
アメリカに付き合いきれない。
そういう思いを持っている人が多いのだと思います。
アメリカは、先の10月4日のペンス副大統領発言で、台湾をやたらと称揚していました。
東シナ海における米中関係緊迫化のなか、ペンス副大統領が訪日へ
しかし、その当の台湾人が、アメリカ追随は嫌だと言っている。
そのことに、アメリカはちゃんと気づいた方がいいです。
以上です。