日産自動車に「物言う株主」は現れるか?

日産自動車に「物言う株主」は現れるか?

 

日産自動車の新会長人事をめぐり「物言う株主」は登場するか?

 

質問箱に以下のような質問がありました。

 

 

「日産自動車の方向感が出るのはいつ頃か?」

という質問です。

いつもいい質問をありがとうございます。

 

 

回答にも書きましたが、個人的にはそれほど長くかからないのではないか、と見ています。

とりあえず、動きがあるとしたらカルロスゴーンの後任会長人事を巡る動きかな、と思ってましたが、その動きがそろそろ始まってきているから、というのがあります。

関連:日産自動車が17日にも新たな会長選任へ~経産省出身の豊田正和社外取締役が主導か

 

 

日本側は日産から新会長候補を選びたいようですが、ルノー側はアライアンス基本合意書に基づき、ルノー側から出すことを要求するとみられます。

【日産】改定アライアンス基本合意書(RAMA)は親子上場の弊害を表す最たる例【ルノー】

 

 

この思惑の対立が激化するならば、それは日産自動車株にとってはポジティブです。

とくに、こういった動きのときには第三者が「物言う株主」として活躍しやすい環境になります。

 

 

現状の日産自動車株の株主構成は、「物言う株主」が活躍しやすい環境を提供

現状、日産自動車の株式43.4%はルノーが保有しています。

そして、日産自動車はルノーの15%の株式を保有しています。

現状ではルノーから日産への議決権は発生しますが、日産からルノーへの議決権は発生しません。

これを解消するために、日産がルノーへ25%出資して、ルノーの議決権をなくしてしまえばいい、という声が一部から出ています。

もしこの状況になれば一気に43.4%の議決権が消えるわけで、たとえば現状10%の議決権を持っている株主の議決権は、ルノーの議決権が消えるだけで17.6678…%の議決権になるのです。

こんなおいしい話はないです。

 

また、ルノーが日産株を買い増しして子会社化するとしても、高値で売却することができます。

ルノーはやすやすと日産の主導権を譲り渡すはずがありませんから、そういった方向になることも考えられるわけです。

 

 

日産自動車の大量保有報告書には要注目です。

リスクをとりやすくなった新年以降、動き始める可能性があるとみています。

以上です。