トランプ大統領がシリアからの撤兵を指示~中東のパワーバランスは大きく変化へ~

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トランプ大統領がシリアからの撤兵を指示

 

トランプ大統領がシリアからの2000人規模の米軍撤兵を指示しました。

これは非常に大きな転換になる可能性があります。

この決断に対し、ロシアとシリアはさっそく歓迎の意を表明。

とりあえず、シリアは主権国ですから、呼んでもいない米軍が駐留していることには不満を示していましたし、ロシアはシリアの同盟国として米軍の撤兵を要求していました。

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当然といえます。

また公式にはまだ何も表明していないと思われますが、シリアの同盟国イランも今回のトランプ大統領の撤兵を支持していると思われます。

アフガンからソ連が撤退した時に、西側がザマァミサラセと眺めたのと同じ構図になっています。

 

 

トランプ大統領のシリア撤兵に議会から抗議の声

トランプ大統領の支持者でもあるリンゼイ・グラム上院議員などは今回のトランプ大統領の撤退を

「ISIの後押しになる」

「オバマ大統領とおなじ大きな間違いだ」

と批判。

リンゼイ・グラム上院議員はカショギ氏殺害事件におけるムハンマド皇太子の責任問題でも、トランプ大統領と対立。

皇太子を擁護するトランプ大統領に苦言を呈してきましたが、今回の件でもまた対立する声明を出しており、最近いろいろと関係が上手くいっていないのではないか、という感じがします。

が、グラム上院議員は間違っています。

今回、後押しになるのはISISではなく、ロシア、イラン、トルコの4月4日のアンカラ会談の3か国、およびシリアです。

 

 

トランプ大統領のシリア撤兵の背景にクルド人問題とトルコの影響

トランプ大統領のシリア撤兵の背景には、クルド人問題が横たわっています。

トルコのエルドアン大統領は二カ月ほど前からクルド人部隊への攻撃をするぞと脅し始めており、これに米軍が巻き込まれる可能性を回避するために、今回の撤兵指示にいたったのではないか?と言われています。

 

 

ムハンマド皇太子の処遇をめぐりトランプ大統領とトルコのエルドアン大統領が裏取引か?

在トルコ・サウジ総領事館で起きたジャマル・カショギ氏の殺人事件ですが、多くの人がこの黒幕としてサウジのムハンマド皇太子の存在を挙げています。

「ジャマル・カショギ氏殺害はムハンマド皇太子の指示」とCIAが報告

しかし、ムハンマド皇太子はトランプ大統領の娘婿であるクシュナー氏の友人であり、トランプ大統領の歴訪時に1100億ドルもの兵器購入を約束した張本人です。

次期国王候補の最有力候補であり、トランプ大統領は経済的なメリットからムハンマド皇太子を切ることには反対。

サウジ王室とトランプ大統領周辺の痛い関係を突くように、トルコのエルドアン大統領はムハンマド皇太子への攻撃をチクチクやってきたわけです。

今回、トルコはクルドへの攻撃を企図。

これをアメリカに認めさせる代わりにムハンマド皇太子への非難行動を緩和するのではないか、という憶測が出ています。

個人的にもこの可能性を当初より考えており、シリアからの撤兵はまさにトルコとのディールの産物だったのではないか、という気がします。

トルコが『クルド人民防衛隊YPG』への軍事作戦を実行か

 

 

米国の共和党主流派はクルド組織を通じた石油利権の恩恵に浴してきた

米国の共和党主流派はクルド組織を通じて北部イラクのキルクーク周辺の石油利権へのアクセスを確保しており、これを守るために、米軍のシリア駐留がおこなわれていたのではないか?という声もあります。

また、シリアとイランは対イスラエルで繋がっていることから、米軍のシリア駐留はイスラエルのロビイングの賜物であるとの声もあります。

そうした利権構造、ロビイングの構造、同盟組織との関係などはトランプ大統領には無用のもののようです。

戦争するなら勝手にやっておけ、自分は知らない、という態度。

米軍のカネと命はそんなところに費やさない、という態度を示しています。

 

 

米軍シリア撤退は30日間で完了か

米軍がどのくらいの日数をかけて撤退するかはわかりませんが、一説では30日間ではないかと噂が流れています。

つまり、あと30日たったころ、トルコ軍の軍事攻撃が行われる可能性が出てきています。

どういった結果になるのかにもよりますが、場合によってはクルドの人々のあいだで、米軍およびトランプ大統領に対する反感が急激に高まる可能性があります。

 

 

 

シリア政府もクルド排除を画策か

シリア政府は一時期、クルド人民防衛隊YPGと連携してISISにあたっていたこともあったようです。

しかし、ISISの規模が縮小した今、国内にクルド人組織を置いておくメリットはありません。

トルコ政府によるクルドへの攻撃を黙認する態度を示していますが、これは暗に出ていけ、という態度にもみえます。

今後、クルド人民防衛隊YPGおよび、その政治部門であるクルド民主統一党PYDの拠点であるコバニ(アイン・アル=アラブ)を巡る争いが激化することが予想されます。

ここはトルコ国内のクルド勢力PKK(クルディスタン労働者党)との連絡拠点でもあり、シリア内戦でも包囲戦の部隊となった場所です。

米軍の砲撃支援でISISの攻撃を退けることができましたが、今回、米軍が撤退するとなると一体どうなるのか?

 

 

 

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とりあえず、今回の件は中東のパワーバランスを大きく変化させる可能性がある一大事です。

ちなみに、この記事を書いている最中にマティス国防長官が抗議の意思を示して辞任したと伝わっています。

事態は非常に緊迫してきています。