【6258】平田機工の業績と株価~有機EL事業受注が98%減

【6258】平田機工の業績と株価

 

今回は生産ラインの設計開発を行う平田機工の業績と株価をみていきます。

まずは平田機工の会社紹介から始めます。

(なお、以下に使用する資料は会社説明資料、決算資料などを基にしています。同社HPにあるものを利用しておりますので、興味のある方はご確認ください。)


平田機工とは?

平田機工は自動車メーカーや半導体メーカー、有機ELディスプレイメーカー、家電メーカーなどの生産ラインの設計を請け負う企業です。

簡単な搬送マシンやスカラロボットなどは自社でも内製化しているもようで、他社から調達した製造設備とあわせることで利益マージンを稼ごうとしています。

 

 

平田機工の沿革

1951年 産業用車両製造販売の平田車輛工業を設立

1964年 テレビ組み立てラインを納入

1979年 自動車メーカーからミッション組み立てラインを受注

2006年 Jasdaq上場

2017年 東証一部上場

 

 

平田機工の事業内容

平田機工は自社で開発製造した搬送設備、産業用ロボット、位置決め装置、各種製造装置と、他社の専門家された製造設備を組み合わせることで顧客に生産ラインをまるごと提案。

テストから実働までをサポートする事業を行っています。

 

 

平田機工の業績

ここからは平田機工の業績についてみていきます。

(なお、この記事は2019年1月6日に書きました)

 

 

平田機工の2018年Q2決算の業績

平田機工の2018年Q2決算は売上、営業利益とも大幅に減少。

この背景には、米中貿易戦争を背景にした企業景況感の悪化、シクリカルな在庫循環サイクルの低下局面による設備投資手控えなどの影響が表れています。

平田機工の業績を詳しく見ていきましょう。

 

平田機工の事業別四半期業績2018年Q2受注高推移~有機EL向けが著しい落ち込み

 

平田機工の受注は2018年度(2017年)に非常に好調でしたが、2019年度(2018年)は一転して低迷。

とくに有機EL向けが著しく落ち込んでおり、有機ELが反映される半導体セグメントは前年同期比に比べ1/3程度に落ち込んでいます。

 

平田機工の業績2018Q2~有機EL事業受注は前年比98%減

2019年3月期Q2決算では対前年同期比で有機EL関連受注が98%減少の2.95億円となりました。

これは前年の受注が135.28億円であったことからすると著しい落ち込み。

 

平田機工の業績2018Q2~電気自動車EV関連は受注高57%増

平田機工の電気自動車EV関連の受注高は57%増の42.76億円。

これは前年が16.63億円であったことからみると、著しい伸びとなっています。

 

 

平田機工の2018年Q2地域別業績

平田機工の2018年Q2業績を地域別にみると、アジアも減少していますが、日本も相当に落ち込んでいるのがわかります。

また、アメリカは売上は伸びていますが、プロジェクト管理に失敗したのか?赤字に転落しています。

 

平田機工の2018年Q2その他業績内容

その他、平田機工の業績内容を見ていくと、欧州の受注が嫌に伸びていることに気づきます。

また、下の事業部門別受注高の対前年比比較をみてみると、自動車関連生産設備の受注高が非常に高い水準になっていることがわかります。

 

平田機工の受注環境からみえること~欧州の排ガス規制強化に伴う設備投資需要は急激に増加か?

欧州では2021年より排ガス規制が非常に強化されます。

これに向け、EV化、48Vマイルドハイブリッド化が進みます。

48Vマイルドハイブリッド化(LV148)についてまとめ~2021年EU規制への対応が目的~

18/6/7午後 WLTPと2021年EU規制で自動車販売はどうなるか

欧州自動車各社の動向をみると、向こう5年でEV化やバッテリー製造向けの投資に10兆円以上の金額を投入すると発表しています。(VWだけでも9.6兆円!)

こうした影響が2019年後半から2020年半ばまでにピークを迎えるとみられ、これが一定程度、設備投資の下支えとなることが予想されます。

 

 

平田機工の株価~2019年1月6日

平田機工の株価は下落トレンドの真っ最中です。

まだまだ業績の底が見えず、買いを入れる向きはほとんどいません。

とりあえず、シクリカルセクターですからバリュエーションで評価することは難しく、市況全体が改善しなければとても怖くて手が出せない、と言った感じだと思います。

上昇時に個人投資家中心に買われたこともあり、売られる時も下落が急。

なかなかに凄まじい動きとなっています。

短評おわり。

 

なお、上記はあくまでも個人的見解であり、特定の投資スタンスをお勧めするものではありません。投資にあたっては自己責任で行うようお願いいたします。

以上。