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中国預託証券(CDR)と中国版ニューエコノミー株

テンセントやアリババの中国A株市場上場が「近いうちに始まる」とのことです。

これは中国の中国証券監督管理委員会(CSRC)の閻慶民副主席が述べたもので、インターネットや人工知能分野のニューエコノミー企業や、いわゆるユニコーンといわれる評価額10億米ドル以上の未上場企業が選ばれるとのことです。

これを好感して、ニューエコノミー企業の株価が強含みで推移しています。

 

 

 

現在、中国国内の個人投資家は米国市場などに直接株式投資をすることが難しく、アリババやネットイースなどの米国市場上場企業への投資は、事実上できない状態にあります。

 

 

また、中国国内から比較的容易にアクセスできる香港市場への投資に関しても

  • 滬港通(上海・香港ストックコネクト、フーガントン Hugangtong)
  • 深港通(深セン・香港ストックコネクト、シェンガントン Shengangtong)

といった制度を利用して香港市場へのアクセスが可能ではあるのですが

香港株の売買(サウスバウンド)を行うための要件が

  • 機関投資家
  • 口座残高50万元以上の個人投資家(約850万円)

に限定されており、全員が参加できるというわけではありませんでした。

 

中国国内のA株市場には半国有企業など重厚長大産業や公益企業などは多いのですが、成長性の高いニューエコノミー企業の上場があまりありません。

このことは、

  • 中国証券市場の活性化
  • 国民の資産形成

の観点から、特に問題視されてきました。

今回、この問題を解決するために、海外市場に上場しているニューエコノミー企業のA株へのセカンダリー上場への流れを政府主導で作る方針が決定されました。

 

これによって、株価にポジティブな影響がある銘柄は以下です(個人的な見解です。買いを勧めるものではありません)

 

テンセント(Tencent/騰訊 0700)

アリババ(Alibaba/阿里巴巴集団 BABA)

ネットイース(NetEase NTES)

京東商城(JD.com/ジンドン JD)

ウェイボー(Weibo WB)

シートリップ(Ctrip CTRP)

舜宇光学科技(サニー・オプティカル・テクノロジー 2382)

中信証券(シティックセキュリティーズ Citic Securities 06030/600030)

海通証券(ハイトンセキュリティーズ 06837/600837)

広発証券(GFセキュリティーズ 01776)

国泰君安証券(グオタイジュンアン 02611)

 

基本的に、A株市場は株価評価が高くなりがちです。H/A比率などからみてもテンセントなどには需給面でポジティブな影響があると思われます。

また、ニューエコノミー全般が高く評価されがちなので、アリババやネットイースなどにも需給面での魅力はありそうです。

証券会社各社はあまり業績が芳しくないものもありますが、長期的に見た場合にA株市場の活性化はIPO引受などを通じて利益貢献することになると思われます。

 


 

 

逆に、株価にネガティブな圧力がかかる銘柄は以下です。(個人的な見解です。売りを勧めるものではありません。)

香港証券取引所(Hong Kong Exchange and Clearing 0388)

杭州海康威視数字技術(Hangzhou Hikvision/ハイクビジョン 002415)

科大訊飛(Iflytek/アイフライテック 002230)

 

香港証券取引所は、ここ数か月ほどアリババのセカンダリー上場先として買われてきましたが、アリババがA株上場するのであればネガティブになるはずです。

また、iFlytekやHikvisionに関しては、ニューエコノミーというカテゴリーで重なることから、テンセントなどに向かう資金分の売り圧力があるかもしれません。

 

 

以上、あくまでも個人的な見解としてご理解ください。

実際の投資行動にあたってはご自身で判断していただきますようお願いいたします。

 

 

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by中卒くん