トランプ大統領、公衆の面前でライトハイザー米通商代表部(USTR)代表をしかりつける
トランプ大統領が公衆の面前でロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表を批判したそうです。
その後お互いに言い争いに発展したとか。
発端は「覚書」の拘束力について、というものだったようですが、その程度のことで大ゲンカになるような、関係の冷却化が起きていたとみる方がいいでしょう。
とりあえず、今回はそのことについて書きたいとおもいます・・・
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表のやり方をトランプ大統領は気に入らないもよう
いやはや、予想を上回るレベルでトランプ大統領は潔癖症かもしれない。
長年、共和党の歴代大統領に仕え、交渉巧者として知られるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表。
中国の目論見をトランプ大統領に諭し、米国の利害のために対中強硬路線に転じるように助言したとされるライトハイザー米通商代表部(USTR)代表ですが、ここにきてトランプ大統領との関係が急激に悪化してきているようです。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は自由貿易主義者だと公言しているが、自由貿易に否定的
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は自由貿易が好きだそうですが、自由貿易に否定的であると言われています。
それが如実に表れているのが80年代の対日鉄鋼・自動車交渉。
当時ライトハイザー氏はUSTRに入ったばかりだったそうですが、レーガン大統領の信任厚く『スーパー301条』の適用を積極的に活用したと言われています。
まったくもって自由貿易とは相反するやり口ですが、これを主導して、日本に飲ませたのがライトハイザー米通商代表部(USTR)代表といわれています。
当時日本は、半導体、鉄鋼、自動車産業で世界トップ水準でしたが、その後日本ががどうなったのかは、いちいち書かなくても良いでしょう。
日本人なら皆知っていることです。
今回、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は同じことを中国に対して行おうとしていました。
そして、トランプ大統領もこれに当初は乗るかにみえました。
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表にトランプ大統領が嫌悪感?
当初、トランプ大統領はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表のことをある程度信用していたはずです。
個人的にも、それほどの問題が起きるとは思っていませんでした。
ロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表が対中貿易交渉の窓口になることはそんなに嫌気すべきことか? 2018年12月5日
しかし、ここにきてトランプ大統領はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表を信用していないのではないか、と思うような発言が相次いでいました。
それは当ブログでも記事にした以下のものです。
米中貿易交渉~トランプ大統領が「最後は自分が決める」と言ってる理由~ 2019年2月2日
まずひとつめは、「最後は自分が決める」というもの。
当たり前と言えば当たり前なのですが、今から考えると、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表を本気で信用してなかったんだろうなぁと感じます。
そして極めつけはこちら
トランプ大統領が米産業界に対して5G実用化で苦言~ファーウェイを念頭においたもの??? 2019年2月22日
つい先日のtweetです。
この中でトランプ大統領は、
「ファーウェイ製品をオミットするんじゃなくて、しっかり同じ土俵の上で米国企業は頑張ってほしい」
と(意訳ですが)つぶやいています。
これ、個人的にはかなり重要で、つまり、
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表などが作り上げてきた脅威論をトランプ大統領が信じなくなっている可能性
が高いんじゃないかと思っています。
「なんか俺、ライトハイザーの思う通り、いいように使われているだけじゃね?」
そんな感じをトランプ大統領の発言からは感じます。
「ルールをアメリカの有利なように切り替えてファーウェイ製品を追い出すのは間違いじゃないか?」
そんな主張を上記tweetからはかんじます。
トランプ大統領は選挙戦を見据えてディールしたがっているんだ・・・と自分はずっと思ってきました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1074174664555941889
しかし、どうも最近のトランプ大統領の言動をみていると、それだけじゃない気がします。
彼はかなり、潔癖症な部分があるんじゃないかと感じます。
ロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表は汚い
とりあえず、ロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表は主義主張と行動を切り替えながら生きてきたズルい人です。
今回の対中リスクの分析も、話半分に聞いた方がいいことは確かでしょう。
実際、英国などではファーウェイ製品に大きなリスクはないとされました。
英国営サーバーセキュリティセンター(NCSC)、ファーウェイ製品の5G網への利用は「リスク管理可能」とお墨付きを与える
ロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表のやり口は、イラク戦争時の米軍のやり方とおなじ
アメリカはかつて、イラクに大量破壊兵器があるといって多国籍軍を組織し、攻め込んだことがあります。
しかし、結局何もなかった。
個人的には当初から「本当に大量破壊兵器があるなら、この進撃方法はありえない」
と言っていましたが、まさにその通りになりました。
ぶっちゃけ、本当に核兵器や化学兵器があるようなところには、米軍は地上軍を派遣しませんよ。
まずありえません。
アメリカって国はいつだってズルい。
いろいろと汚い手段で自国の優位性を高めてきましたが、今回のファーウェイ批判もおなじ構図だと個人的には見ています。
ぶっちゃけていうと、ファーウェイというより、ハイシリコンHiSiliconの問題です。
ファーウェイ傘下の半導体設計企業『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』
ここをアメリカは叩いて置きたかったんだとおもいます。
そして、トランプ大統領もまた、それに気づいたのではないかと思います。
だからこそ、先ほどのファーウェイ擁護のtweetであったり、ロバート・ライトハイザー通商代表部(USTR)代表と関係が悪化しているのではないか。
そんな風にみていますが、さてどうでしょうか。