NVIDIA(エヌビディア)が売上下方修正
NVIDIA(エヌビディア)が売上を18.5%下方修正
画像処理用プロセッサーGPU大手のNVIDIA(エヌビディア)が、2018年Q4の売上を大幅に下方修正しました。
従来予想は売上27億ドルでしたが、これを22億ドルに下方修正。
operating expensesなどは変更がありませんから、ボトムラインは物凄い減益インパクトになることが予想される展開となっています。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1090064182517460993
NVIDIA(エヌビディア)の下方修正の理由は中国経済?
NVIDIA(エヌビディア)はガイダンスで、下方修正の理由として中国経済の変調を挙げています。
お得意とするゲームPC用のハイエンドGPUがなかなか売れない、データセンターの需要も落ちているということ。
たしかに中国では自動車販売が前年比20%近く落ちています。
【統計】2018年11月の中国自動車販売は大幅減~国産車の販売シェアも減~
【統計】2018年12月累計(年間)の中国自動車販売~相変わらずEVは絶好調キープ
宝飾品需要なども落ちており、ある程度の値が張るものは売れにくくなっている印象です。
こうした消費不振による影響は少なからず出ているはず。
NVIDIA(エヌビディア)の売上不振、インテル製CPUの供給問題も一因か?
個人的には上記の消費減退に加え、インテル製CPUの供給問題も原因のひとつなのではないか?という気がしています。
というのも、NVIDIA(エヌビディア)のGPUを積むようなマシンというのは、単なるPC市場とはちょっと違うんです。
ハイエンドのバリバリにチューニングした、ゲーム用のパソコン市場がメインマーケットです。
こうした人たちは自作マシンやショップブランド、カスタムメイドのマシンを利用していますが、ここもとのインテルのCPU製造能力不足で、自作用CPUの供給をインテルは大幅に絞っています。
インテル製CPUが足りない?~マイクロンテクノロジーCEOコメント~
また、年後半には線幅をより細くしたハイスペックな製品が登場することが期待されており、それまで買いを我慢するゲーマーもかなりいます・・・というかそれがほとんどのように思います。
インテルが新型CPU『Ice Lake』(アイスレイク)を発表~19年末までに10nmプロセスで製造開始へ
なお、データセンター向けでも同様のことが言え、年後半からのインテルの動向に周りがお付き合いしている構造ではないか、と個人的にはみています。
NVIDIA(エヌビディア)の業績はどの程度落ち込むか?
売上が二割程度減ったとして、営業費用が変わらずならば、NVIDIA(エヌビディア)の業績はどの程度の影響を受けるでしょうか?
これについては以下の記事で過去の業績と比較してみてみましょう。
【NVDA】GPU大手エヌビディア/Nvidiaの業績と株価
今回、売上規模が2割減ですから、だいたい四半期あたり600くらいの減収要因です。
粗利のデカい企業ですから、これはほとんど利益押し下げに回ります。
だいたい、低く見積もっても利益半減、大きく見積もって7割減くらいでしょうか。
とりあえず、現状の株価にバリュエーション上の魅力がないなかでのボトム引き下げですから、かなりのインパクトになります。
NVIDIA(エヌビディア)の業績は回復するか?
個人的には、NVIDIA(エヌビディア)の業績は今後回復するとみていますが、ただし、NVIDIA(エヌビディア)の盤石な地位がいつまでも維持されると思ったら間違いだと思います。
ディープラーニング向けにしても、ゲーム向けGPUにしても、NVIDIA(エヌビディア)は独占しているわけではありません。
なにかのきっかけで、他社がより素晴らしい商品を提案できたなら、競争環境はがらりと変わります。
この分野における競争環境の変化は劇的です。
DECのアルファとか、シリコングラフィックス社とか、ディープブルーとか聞いても、いまじゃその名前をほとんど誰も知らないでしょう。
NVIDIA(エヌビディア)だって、そういう一員になる可能性は十分あるんです。
それを感じた時にすぐに逃げる決断ができるなら良いですが、含み損を抱えてにっちもさっちもいかず判断が遅れるようなら困ったもの。
とりあえず、要注意だと思います。
以上。