【BHP】BHPビリトンの業績・決算と株価~世界最大級の鉱山会社・資源メジャ―~2~
今回は世界最大級の鉱山会社であるBHPビリトンの業績と株価をみていきます。
BHPビリトンは鉄鉱石や原料炭などの分野で大きなシェアを持っている豪州・英国の二元統治の企業となっています。
昨今、ブラジルでの鉱滓ダムの崩壊などでBHPとVALE社は責任を追及されています。
一方で、ブラジルでの鉄鉱石生産量の低減で鉄鉱石市場は強含みが期待されています。
今回はそんなBHPビリトンについてみていきましょう。
なお、前年同期の決算はこちら⇒資源大手BHPビリトン2017年上期決算
BHPビリトンの事業内容
BHPビリトンの事業内容は極めて単純です。
鉄鉱石や原料炭(鉄鋼生産のときに使う石炭です)、銅、エネルギーなどを採掘し、場合によってはそれを精製して販売する、というビジネスです。
いわゆる鉱山会社であり、この業界のリーディングカンパニーのひとつです。
同業他社にはリオティント、グレンコア、ヴァーレ、フォーテスキューメタルズなどがあります。
BHPビリトンは英豪二元統治企業
BHPビリトンはイギリスとオーストラリアそれぞれに本社登記が行われています。
特殊な持ち株関係で、実際のところ自分も内部の規約などを読んだわけでないのでどういった統治形態になっているのか良くはわかりません。
とりあえず、BHPとビリトンが合併した時になにか取り決めがあって、そのような統治形態になったようです。
BHPビリトンとヴァーレによる鉱滓ダムの崩壊事故
BHPビリトンとヴァーレは、共同で運営していたサマルコ社の鉱滓ダム崩壊で多大な被害を流域に与えました。
鉱滓ダムについてはこちら⇒またもやブラジルの鉱滓ダム(鉱山ダム)が決壊し200人以上死亡~資源大手ヴァーレ
【資源】ブラジル発の鉄鉱石価格急騰はじまる~VALE(ヴァーレ)、BHPの鉱滓ダム(鉱山ダム)崩壊を受け鉱山規制強化へ
この件で、ブラジルの法律では子会社の損害賠償責任を親会社が負うことになっているとのことで、BHPビリトンとヴァーレはともに損賠請求の対象となっています。
金額がまた凄まじくて、数兆円単位となります。
政治的な解決がなされない場合、世界的な問題になりかねない状況です。
BHPビリトンの2018年Q2業績
ここからは、BHPビリトンの2018年12月に終わったQ2業績についてみていきます。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1102247145959112705
ご覧になればわかるとおり、売上、営業利益ともにほぼ横ばい。
最終利益こそ実効税率の低下で大きく伸びましたが、実質的には横ばいと言えると思います。
BHPビリトンのセグメント別業績
https://twitter.com/chu_sotu/status/1102247400293294080
こちらがセグメント別にみた場合のBHPビリトンの業績。
今期は銅が足を引っ張る形になっていたのがわかります。
鉄鉱石は横ばい圏
原料炭、エネルギー部門は好調に推移しています。
なお、鉄鉱石と原料炭をあわせると、BHPビリトン全体の売上の半分超が鉄鋼関連であることがわかります。
つまり、鉄鋼の生産が減るか増えるか、それによって大きく同社の業績は左右されます。
BHPビリトンの業績~仕向け地別
https://twitter.com/chu_sotu/status/1102247247314448389
BHPビリトンの売上の半分超が中国向けです。
ご存知の通り、中国は米中貿易戦争と在庫循環的な下押し圧力の結果、ここにきてかなり生産活動を落としてきています。
これに対して中国政府はインフラ投資などを増やすなど、鉄鋼の需要には上振れ、下振れどちらのシナリオも浮上しています。
BHPビリトンの輸出製品の多くは、先ほども書いた通り鉄鉱石や原料炭などの鉄鋼・粗鋼の原材料となるものですから中国の動向には要注意が必要です。
そうしたなかで、先日は中国が豪州からの原料炭の輸入をストップしたのでは、との報道もありました。
⇒中国・大連港が豪州産石炭の輸入を制限か~ファーウェイ問題の仕返しか?
その後の報道でこれを否定する動き、肯定する動きどちらもあり、実際のところがよくみえません。
現在中国と豪州のあいだにはファーウェイを巡る問題が浮上しており、非常にギクシャクしています。
(実際のところはファーウェイだけでなく、永住ビザ発給問題や住宅高騰の問題などなどいろいろあります)
とりあえず、今回はそれらについてすべて書くのは控えておきますが、もし仮に中国と豪州の関係が大きく毀損するようなことになれば、BHPビリトンの業績も大きな影響を受けることが懸念されます。
BHPビリトンの株価
BHPビリトンの株価はようやく戻ってきた、という感じのチャートになっています。
なお、上記チャートは豪州シドニー市場のものです。
BHPビリトンは豪、英、米ADRで売買されており、為替の影響などを計算しても結構なギャップができたりします。
基本英国が高く、豪州が安い。
ここらへんは税制の問題なども絡んできて難しいところですが、過去に鞘をとろうとしてきた人もいるそうです。
(上手くいったという話を聞かないので、上手くいってるのかもしれません)
とりあえず、以上です。
関連
⇒チップ・グッドイヤーとドン・アーガスがいたころのBHPビリトンは最強だったと思う件
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