トランプ大統領は超絶チキンだった件~米国市場に株安波及で習近平と電話会談~

トランプ大統領、米国株安にビビッて習近平とディールを急ぐ~サシで話して自分の手柄にしたがる親分に、武闘派子分はついていけるか?~

 

トランプ大統領が中国の習近平国家主席と急遽、電話会談を持ったようです。

 

ちょうど今さっき習近平とイイ感じで長電話してきたところだぜ。いろんなことについて話したね。とくに貿易に関してめっちゃ込み入った話をした。アルゼンチンでやるG20サミットでもこの話はするぞ。それと、北朝鮮問題に関してもいい議論ができたぜ!

 

こんな感じですね。

ついこないだペンス副大統領が中国Disりまくったばかりなのに、なんだかめっちゃ拍子抜けしますが・・・

東シナ海における米中関係緊迫化のなか、ペンス副大統領が訪日へ

ポンペイオ国務長官、王毅外相と非難の応酬~中国はペンス演説に本気で怒ってる~

 

 

それもこれも、ぜんぶ、

米国株安のせい

 

だと思います。

 

 

10月4日のペンス副大統領による中国絶縁宣言を受け、中国人民元の先安観が一気に台頭。

直近安値を抜いて人民元安が進んできました

 

 

中国株安も加速しました。(以下は上海A株指数です。)

その影響がアメリカ株にまで波及しています。

これまでは中国株が独歩安でしたが、とうとうアメリカ市場にまで波及してきた・・・これがトランプ大統領の変心のキッカケだったと思います。

端的にいって、トランプびびってる・・・

 

 

 

 

 

ちなみに、この株価下落の最中には、ペンス副大統領の発言を受け、米国と中国は貿易戦争どころか、ガチの冷戦構造に突入していくと主張する識者が多数出てきました。

 

ペンス副大統領発言はチャーチル英首相の「鉄のカーテン」発言と同様のモノだとし、

  • いずれ中国との貿易が制限されるのではないか?
  • 中国企業への投資も規制されるのではないか?
  • いや、中国側が国有化を進め西側資産を接収するのではないか?

みたいな極論を語る人まで出てきました。

はては、ペンス発言は現代のハルノートだという識者まで表れてきました。

 

このペンス発言の後ろ側には、ピーター・ナヴァロなどの嫌中派の影響があり、その意図するところは中国の台頭を何が何でも押さえつけること。そのためには景気後退してでも挙国一致体制で耐え忍んで頑張ろう・・・みたいなふうになるとの予想です。

 

 

 

当ブログでは、さすがにそれはありえない、と指摘しました。

米中貿易戦争は持続可能か?~ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」

この記事の中で自分は

ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」は米国人の厭戦気分を舐めている。米国は基本的に厭戦気分の高まりやすい国です。ベトナム戦争でもイラクでもアフガンでもそうですが、戦争の最初はよくても、長引くとだめなんです。

(中略)

そしてそれを体現しているのは、誰でもなくトランプ大統領自身なんです。トランプ大統領ほど世俗的で辛抱のできない人物はいないんじゃないかと思います。欲望に負けやすい性格は、顔面から滲み出ています。

(中略)

個人的に、今回の米中貿易戦争は景気後退とともに路線変更を迫られると思います。とりあえず、もしも株安、景気後退が深刻化すれば、ピーター・ナヴァロ著「米中もし戦わば」が提唱するような米中貿易戦争なんて、すっかり忘れ去られてしまうはずです。米国民はそんなに辛抱強くありません。今のうちにこのことを記しておきます。

 

 

・・・と書きました。

 

・・・まさかこんなに早く方針転換するとは思わなかった!\(^o^)/

 

いやいやいや、さすがにこんなに早く方針転換するだなんて、まったく思ってませんでした。

もうちょっと頑張って戦ってから、痛み分けするとみてました。

なんですか、ちょっと米国株が下落したくらいでチキンになったんですか。

がっかりですね・・・

いくらなんでも早すぎると思います。

 

 

 

トランプはインテリマフィア気取り。武闘派子分のナヴァロやペンスに恫喝させて、自分が最後にサシで話しをつけて手柄総取りしたいだけ・・・

だと思います。

ヤクザ映画とかでよくあるじゃないですか。

武闘派の子分に恫喝させて、自分が最後に出てきてカタつけるみたいな。あれですね。

片手で殴ろうとしながら目をみて話す、そんな感じの交渉。

殴り返される前に話をつける、そんなやり方が、トランプディールです。

自分のところに被害が及びそうになるとすぐに方針転換してしまう・・・文句をいう子分は切る、そういうやり方。

 

 

これは、対北朝鮮問題で金正恩とサシの会談をしたときもそうでしたし、ロシアのアルミ大手ルサールへの制裁問題の時もそうでした。

殴るぞと脅してディールに持ち込む。

ルサール問題は、米国の経済に甚大な影響が及びそうと思ったら、素直にトランプ大統領は方針転換してしまいました。

ちょっといろいろ酷すぎるw RUSAL問題をかんがえる

いまじゃ新規の輸出も全然オッケーな状態です。

これはイランの原油輸出も同様で、原油価格が急騰するリスクが高まったために輸入制限措置を緩和しました。それが足元の原油安のひとつの要因になっている部分はあると思います。

 

 

 

とりあえず、トランプ大統領は万事がこんな感じです。

いざとなったら自分が上手いこと取引して丸く収める、自分のディール上手をアピる。それがトランプの生き方。

トランプ大統領は、さっそく議会に米中貿易合意に向けた草案の作成を要請したそうです。

トランプ大統領が中国との貿易合意の草案作成を要請

 

 

 

 

ただ、こうしたやり方を議会が受け入れるかどうか。

一度トランプが火をつけてしまった議会が、中国に対してそんな甘い態度を許すのかどうか、そこが若干疑問です。

議会は超党派で中国に対抗していこうとしています。

ヤクザの親分が若い衆を焚き付けたら、抑えられなくなって困ってしまった・・・みたいな構図になりかねません。

とりあえず、今後は議会の動向に注意が必要かな、と思っています。議会は中間選挙後、自分の手柄を探そうとしかねませんから。

以上です。