寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely)が電池事業で提携へ~世界最大のバッテリー企業と中国最大の民営自動車企業が提携

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely)が提携へ

 

 

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)が車載用電池事業で提携へ

世界最大のリチウムイオンバッテリーメーカーである寧徳時代新能源科技(CATL)と、中国最大の民間自動車メーカーである吉利汽車(Geely Auto)が車載用電池事業で提携すると発表しました。

Geely Auto and Contemporary Amperex Technology form JV for new …

 

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)が電池工場を建設

報道によると、寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)は共同出資で車載用リチウムイオンバッテリーの関連部材を製造する工場を建設。

出資比率は寧徳時代新能源科技(CATL)が51%、吉利汽車(Geely Auto)が49%となるとのことです。

 

吉利汽車と組む寧徳時代新能源科技(CATL)は世界最大のリチウムイオンバッテリーメーカー

寧徳時代新能源科技(CATL)は近年急速に売上を拡大しているリチウムイオンバッテリーのメーカーです。

もともとはTDKの子会社でしたが、独立して中国系の資本を獲得。

地元政府などの支援や補助金を受けて急拡大しています。

非関税障壁で守られた寧徳時代新能源科技(CATL)は中国製造2025を象徴する企業だ!

 

 

寧徳時代新能源科技(CATL)と組む吉利汽車(Geely Auto)は中国最大の民間自動車メーカー

寧徳時代新能源科技(CATL)と提携した吉利汽車(Geely Auto)は、中国最大の民間自動車メーカーです。

習近平国家主席との密接な関係も噂されており、こちらも近年急速に業績を拡大させています。

最近ではスウェーデンのVOLVOを傘下におさめ、欧米、日本などでも高評価な車を販売。

さらにVOLVOと提携してLink&Co(リンクアンドコー)というVOLVOのSUVと共通プラットフォームを利用した車種を開発、これが売れ行き好調とのことで、一段の飛躍が期待されています。

【COTY】カーオブザイヤー2018に中国・吉利傘下のボルボXC40~欧州ブランドの中国産自動車が急増する可能性~

李書福率いる吉利汽車(ジーリー/Geely)の業績をみてみよう

 

 

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)の提携からみる中国の車載電池戦略

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)の提携からみえるのは、中国の政府主導による車載向け電池戦略です。

中国は三元系電池の正極材材料となるコバルトやニッケルなど上流権益から、車載電池、そして自動車という最終製品までを一貫して自国内企業に作らせる工程を考えているものと思われます。

阪和興業、格林美(GEM)、青山控股集団、寧徳時代新能源科技(CATL)、IMIPなどとスラウェシ島でニッケル、コバルトなど電池材料大量生産へ

現状、電池はEVにおける最大のコスト要素であり、ここを低価格化できれば世界を席巻できる、と中国政府はみているふしがあります。

 

 

 

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)の提携とコバルト調達

なお、中国はこうした自動車メーカー、バッテリーメーカーのコバルト利用に対して積極的に政府として支援。

世界最大のコバルト生産拠点であるコンゴ民主共和国に近年積極的に近づいていっています。

【統計】コバルト生産量と埋蔵量~DRC(コンゴ民主共和国)が世界生産の約2/3シェア【グラフ】

コンゴ民主共和国DRCのコバルト生産~少年兵と鉱山における児童労働 …

欧米諸国が人権問題を理由にコンゴ民主共和国への投資から手を引く中、中国はその隙間を縫うようにして権益を拡大。

コンゴ民主共和国の政局にも非常に大きな影響力を持つようになっていると言われています。

 

 

寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)にみる中国製造2025

中国には中国製造2025という国家産業政策があります。

この中国製造2025によって製造強国としての地位確立に向けひたすら邁進する姿を明確にしています。

現在、米中首脳会談でこの問題を含めた包括的な貿易交渉が話し合われていますが、今回の寧徳時代新能源科技(CATL)と吉利汽車(Geely Auto)の提携をみてもわかるとおり、中国側は中国製造2025に関しては一切譲る気がなさそうです。

2018米中首脳会談のポイント~中国製造2025に関して米側が要求せず …

 

 

 

 

とりあえず、中国は製造業を成長の柱としてまだまだ駆けていく模様。

今後もこういった業界最大手クラスによる規模の拡大は続くでしょう。

以上。