Appleの業績は5G向け端境期の影響を大きく受ける可能性

Appleの業績は5G向け端境期の影響を大きく受ける可能性

 

AppleのiPhone販売が急減速~一過性に終わらない構造変化~

アップルは2日、主力のiPhone販売が中国市場などで急減速していると発表。

これを受けてApple株が急落、為替も大きく変動するなどのアップルショックが広がりました。

アップルショックふたたび!ドル円は一時104円台に!

アップルはこれを

「中国市場の個人消費が急減速しているから」

と説明しましたが、それを真に受けている投資家はほとんどいません。

ライバルのファーウェイなどはこの期間に売上が好調に推移したからです。

ファーウェイ(Huawei/華為技術)2018年売上高は前年比21%増~スマホ販売は2億台突破

 

 

 

Appleの高付加価値戦略が裏目に出る時期が来た

Appleは、ここ数年高付加価値戦略を推し進めてきました。

スマホ一台あたりの販売単価を引き上げることに注力。

これまでiPhoneを使用してきた顧客は、iCloudに溜めたデータや購入したアプリ、メールアドレスなどでガッチリとアップルに囲い込まれています。

そうしたコアな顧客は他社のandroid端末へはなかなか移行できない・・・

そう睨んだアップルのティムクックCEOは、アップル信者の買い替え需要を狙ってわざと高い価格設定をするようにしました。

この戦略は2018年半ばあたりまでは成功しました。

先進国の富裕層をターゲットにしたハイエンドモデルはそこそこ売れ、マージンは改善、ボトムラインは大きく伸びることになりました。

しかし、当然こんなえげつないビジネスモデルが長続きするほど、世の中はあまくありません。

 

 

 

Appleは新興国に売るiPhoneがない一方、先進国では5G向けに端境期に突入へ

世界の通信業界は現在、5G向けの端境期に入ってきています。

5G向けにスマホ販売が端境期に入るといっても、新興国を中心にまだまだスマートフォンの需要は堅調ですから、全体としてみたら販売量がやや減少する程度で済むと見られています。

しかしここで、アップルの戦略がネックになってきます。

アップルはこれまで高付加価値、高価格路線を突き進んでおり、新興国で売れるモデルがないのです。

対するファーウェイは2万円台前半からオクタコアで5.84液晶、ダブルカメラ1600万画素など、十分な性能の『HUAWEI P20 lite 』などをラインナップしています。


Huawei 5.84インチ P20 lite SIMフリースマートフォン クラインブルー【日本正規代理店品】

もはや勝負あった、といった感じがします。

 

 

AppleのiPhoneは新興国に売るには高すぎる~4G需要拡大を取り込めない可能性

iPhoneは最低でも6万円程度します。

しかも拡張性は乏しく、数年前のモデルですから処理性能もカメラ性能も低い。

それに対してファーウェイはほぼ最新機種と同等のツボを押さえつつ、2万円台からです。

新興国向けにはさらに安いモデルもラインナップしてあるそうです。

こうしたファーウェイやシャオミなどの攻勢を受け、アップルは発展途上国で苦戦中。

とくに向こう1年間くらいはスマホの稼ぎの中心は4Gが拡大する発展途上国が中心になるはずですが、そこをアップルは取り逃すことになります。

根本的な部分で経営のミスを感じます。

 

 

 

先進国は5G向け移行期に入ってスマホ販売が急減へ~iPhoneには厳しい環境~

先進国は2020年、2021年の5G開始に向け、スマホの買い控えが本格的に起こるはずです。

そうしたとき、新興国で稼ぐ手段がなく、先進国のハイエンドにばかり注力してきたアップルは逆境に陥ることになります。

ここ数年のAppleの経営は、完全に否定される状況に入っています。

ティムクックCEOの経営責任も問われることになるでしょう。

 

 

 

アップルの旧型iPhone販売にクアルコムとの特許紛争のかげ

Appleの旧型iPhone(iPhoneXより以前)には特許紛争問題がのしかかってきています。

中国が特許問題を理由としてiPhone販売を禁じたときは

「どうせCFO逮捕の報復だろう」

と市場は見ていたと思います。

中国がiPhoneの販売を禁止か~旧型機種におけるクアルコムの特許侵害を認める~

しかしその後、ドイツなどでも販売停止処分になるに至り、

アップルのiPhone、ドイツでも販売停止処分~クアルコムとの特許問題

この問題の本質が見えてきたと思います。

【Parm Pre/電源】クアルコムとアップルのiPhone特許訴訟問題

そもそもにおいて、アメリカもAppleによるクアルコムの特許侵害は認めています。

ただ輸入制限措置を認めてしまうと経済に悪影響が出過ぎるので、輸入禁止にはしていないというだけの話です。

 

アップル株の総悲観の極みは、旧型iPhoneが使用するクアルコム特許問題がこじれた時

今後、アップルの旧型製品への特許違反問題がこじれていくと、アップルは売れるものがなくなっていってしまいます。

もちろん、そこまで最悪な状況になれば、株式市場も総悲観ムードの極みとなるでしょう。

もしApple株を買うのなら、そのメタメタに売り込まれたところが良いです。

きっと、2021年あたりには5G対応のiPhoneが投入されることで買い替え需要が膨らみます。

それを見越した需要予測をしたらいい、と思います。

以上です。