インド、さらなる電子商取引規制を導入か?~Amazonとウォルマートには悪影響
インド政府、国内データ保管の強化を電子商取引業者に義務化か
インド政府は、国内で事業を行う電子商取引業者に対して、個人情報や営業情報などのデータの国内保管を義務付ける規制案を発表しました。
具体的には、
- 設置するサーバー、ストレージ、データセンターなどを増やすことを義務付け
- 個人情報や営業データなどを海外に用いだす際に制限を加える
- ウェブサイト運営やアプリの開発はインド企業に任せること
などとなっています。
この規制案はまだ意見募集段階ですが、ほぼこういった方向性で新規制が進むことが予想されているとのことです。
インド国内ではつい先ごろも電子商取引業者に対して規制が導入されており、
⇒インドが電子商取引分野の規制を強化~ウォルマート傘下フリップカート(Flipkart)やアマゾンに逆風か
さらなるコスト増加にAmazonやウォルマートなど、同国で活動する海外のイーコマース業者からは不満の声が上がりそうです。
インドだけでなく、世界各国で進む情報の囲い込み
「データはカネになる」
と気づいたのは、最初はGoogleやFacebookなどでした。
個人データを集めて、それらを解析して、適切な広告を配信することでクリック率を高め、購買へ繋がる流れを作り上げる・・・
こうした手法で多くのオンラインプラットフォーム企業が稼いでいます。
今では国際収支にも大きな影響を与えるレベルになってきています。
⇒FAANG稼ぎすぎじゃね? / 国際収支統計のサービス収支内訳から見えること
近年、そうしたデータを利用した経済圏に対して、プライバシーの保護の観点から批判的な見方が出てきています。
また、稼いだカネが外にじゃぶじゃぶ流れていくのを防ごうとする動きも出ています。
英国がデジタル課税を導入へ~大手オンライン販売・広告企業による税逃れに包囲網~
フランスがデジタル課税を来年1月に導入~黄色いベスト運動への妥協による財政悪化懸念の回避のため
今回のインド政府の決定も、そうした一連の流れのなかのひとつの出来事と捉えることができます。
今回のインド政府の方針は、インドに限ったものではありません。
先進国、新興国問わず、様々な国で同じようなルール作りが行われています。
今後、GAFAやFAANGとよばれる情報技術産業はこれまで同様の稼ぎ方をできないはず。
昨年半ばからの株価下落は、そういった潮目の変化を反映していることは間違いないと思います。
昨年春に以下の記事を書きましたが
DE-FAANGのススメ 2018年3月28日
この時から、既にそういったものは織り込まれていたのだと思います。
以上。