ファーウェイ傘下の半導体設計企業『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』
今回はファーウェイ傘下の半導体設計企業『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』についてみていきます。
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』とは?
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』は通信機器・設備および通信端末(スマートフォン、タブレット等)、クラウドサーバー、ハイエンドサーバーの製造販売を行うファーウェイ(Huawei/華為技術)傘下の半導体設計企業です。
CPUやSoCのライセンスは主にARMなどから購入。
また、『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』は自社では工場を持たないファブレス企業であり、生産は外部の受託生産企業に委託しています。
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はARMからライセンス購入
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はCPUやSoCの設計におけるライセンスをソフトバンク傘下のARMから購入しています。
- ARM Cortex-A9
- ARM Cortex-M3
- ARM Cortex-A7
- ARM Cortex-A15
- ARM Cortex-A53
- ARM Cortex-A57
- ARM Cortex-A73
- ARM Cortex-A76
- ARM Cortex-A55
- ARM DynamIQ
- big.LITTLE
他
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の7nmプロセスルール製造はTSMCに委託
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』は先ほども書いた通りファブレス企業ですから、自社では生産を行っていません。
受託生産を行う他社に委託して生産してもらう形になっていますが、おもにそれはTSMCが担当することが多いように思います。
というのも、実質的に7nmプロセスルールで製造できるのが、今のところ世界でもTSMCだけしかない、ということが影響しています。
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』のSoCは業界最高水準
何を以て最高というかは人によってことなるでしょうが、少なくともベンチマークテストなどを見る限りにおいては、『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の半導体は世界最高水準と言えると思います。
最新のKirin 980はA12 bionicと同様にAnTuTuスコア300000を突破しています。
この『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』のSoCを積んだファーウェイのMate 20 proなどは、アップルのiPhone最新機種と同等のハイスコアを叩きだすスマホでありながら、あらゆるギミックてんこ盛りで、それでいて価格は同等もしくは安めという、凄まじいハイパフォーマンスっぷりを示しています。
それを支えているのが、『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の技術です。
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はSoC、CPUなどプロセッサを外販しない
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はSoC、CPUなどプロセッサを外販しません。
あくまでも親会社のHuawei(ファーウェイ/華為技術)向けにしか販売しません。
米国からの制裁でZTEが苦しんでいても、『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はプロセッサの外販をしませんでした。
そういった報道も一切でないくらい、両者の関係はあまりよろしくない、とも言われています。
(おなじ中国国内のライバルですから。80年代に富士通とNECがライバル視しまくりだったのと似ています。)
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』のSoC、CPUなど半導体シリーズ
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』のこれまでに販売してきたSoC、CPUなど半導体は以下のとおりです。
- K3V2
- K3V2E
- Kirin 620
- Kirin 650
- Kirin 655
- Kirin 658
- Kirin 659
- Kirin 710
- Kirin 910
- Kirin 910T
- Kirin 920
- Kirin 925
- Kirin 928
- Kirin 930
- Kirin 935
- Kirin 950
- Kirin955
- Kirin 960
- Kirin 970
- Kirin 980
- Ascend 310
- Ascend 910
- Kunpeng 920
他
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の何庭波総裁
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』のトップは何庭波という女性だそうです。
北京郵電大学出身の40代、生粋のエンジニアだということ以外、あまり多くを知られていません。
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はクアルコムから技術供与された?
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の何庭波総裁の出身大学、北京郵電大学にはクアルコムが共同研究所を開設。
この技術が『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の現在の躍進のもとになったのではないか、と遠藤誉氏は2018年12月8日のヤフーコラムで書いています。
『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はサーバー分野にも進出
近年、ファーウェイおよび『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はサーバー分野にも進出。
ARMベースのプロセッサを利用したハイエンドサーバーシリーズTaishanを発表。
それに伴い、『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』はKunpeng 920というプロセッサを発表しています。
ファーウェイがARMベースのCPU『Kunpeng 920』とサーバーシリーズ『TaiShan』を発表
世界的に『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』とファーウェイの動向はめちゃくちゃ注目を浴びています。
いい意味でも悪い意味でも、浴びています。
この親子企業の動きをみれば、中国の野望が見えるとも言われています。
とりあえず、そんなわけで、『HiSilicon(ハイシリコン/海思半導体)』の動向は要チェックです。
なお、これまでのファーウェイ関連記事を以下にまとめておきますので、よろしければご覧ください。
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以上。