アルミ大手ルサールへの制裁解除へ~オレグ・デリパスカ氏の持ち分低下を受けて
さんざん騒いだ挙句、結局は制裁解除となりそうです。
オレグ・デリパスカ氏の持ち分低下を受け、トランプ政権によるアルミ大手ルサールへの制裁は完全に解除へ
春先にアルミ市場をかき回したルサール問題がほぼ解決。
新興財閥(オリガルヒ)の代表的な人物であるオレグ・デリパスカ氏ですが、ビジネス上のライバルの命を狙ったり、政府関係者に賄賂を贈ったり、暴力や資金洗浄をしたりしているなどとしてアメリカ政府から批判を浴び、経済制裁の対象になりました。
このたび、オレグ・デリパスカ氏のルサール持ち分を大幅に削減することで合意に至り、トランプ政権はルサールに課していた経済制裁を解除することに至ったとのことです。
なお、この命令は議会が阻止しない限り30日経てば成立します。
オレグ・デリパスカ氏およびルサール制裁で乱高下したアルミ価格
オレグ・デリパスカ氏とルサールへの制裁は、アルミ市況を大きく揺れ動かしました。
一時はルサールのアルミがちょっとでも入っていたら取引禁止という厳密な制裁が科され、アルミインゴット、および合金の価格が急上昇。
しかしその後、あまりにも産業全般に大きな影響が出ることを懸念したトランプ大統領が制裁を緩和。
するとアルミ価格は途端に急降下。
アルミ価格の急変動に上手くついていけなかったところは大きな損失を抱えることになりました。
結局はオレグ・デリパスカ氏とルサールへの制裁が解除~イラン経済制裁と似た状況
あれこれ規制を加えておきながら、土壇場になってオレグ・デリパスカ氏とルサールへの制裁を解除したトランプ大統領。
産業界が混乱して手に負えなくなると、途端に手のひらをかえすのがトランプ流です。
これは、対イラン経済制裁を6カ月間猶予するとトランプ大統領が言い出したときも同じです。
イランに対する経済制裁をするとインドなどが困る。
だから一旦制裁ははやめておこう。
という感じです。
対中国の貿易交渉も、オレグ・デリパスカ氏やルサールと同様に規制・関税措置緩和なるか?
ぶっちゃけた話、対中国の貿易交渉も同じように展開するんじゃないか?と個人的にはみています。
つまり、土壇場になって合意形成、これ以上の貿易戦争継続は停止、、、といった感じです。
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とりあえず、トランプ大統領は一事が万事こんなかんじです。
怖がらせて、譲歩を引き出す・・・
なんかどこかの北の将軍さんがよくやる手段ですが・・・
ディールを成立させられれば優秀、そうでなければ無能
と、トランプ大統領は自分に成果主義を課しているような印象すらあります。
育った環境か、もしくは学生時代の専攻が影響した価値観かもしれませんが、なにはともあれ、予想の付きやすいことはいいことです。
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訂正:ちょっといろいろ酷すぎるw RUSAL問題をかんがえる
とりあえず、これでルサール問題は解決。
ノリリスクニッケル問題も解決。
良かったと思います。
以上です。