中国四大発明とまで騒がれたシェア自転車のofo(オフォ/小黄車)、創業から4年で破産の危機

中国シェア自転車のofo(オフォ/小黄車)に破産の危機

 

 

シェア自転車大手ofo(オフォ/小黄車)に破産の危機

昨年あれほど騒がれた中国のシェア自転車大手ofo(オフォ/小黄車)ですが、あっという間に破産の危機だそうです。

ofoの支援企業のアリババも滴滴も資金支援をする報道がなく、キャッシュフローに余裕がない状況となっているようです。

 

 

一時は時価総額2200億円のユニコーン企業とまで言われたofo(オフォ/小黄車)

ofo(オフォ/小黄車)は創業からたった3年で時価総額2200億円に到達したユニコーン企業の寵児として、一時期は持て囃されていましたが今では誰も投資したがらない破産予備軍企業になってしまったそうです。

 

アリババやアントフィナンシャル、滴滴などがバックアップしていたofo(オフォ/小黄車)

ofoにはバックアップしてくれる大企業がありました。

それが中国EC最大手のアリババドットコムと、その傘下でマイクロクレジットやアリペイなどを展開するアントフィナンシャル、そして中国の配車サービス大手のDiDi(滴滴)です。

これらの企業は何度もofo(オフォ/小黄車)の資金調達ラウンドに参加、2018年3月にも8億6600万ドルの資金調達を成功させています。

しかし今回、ofoはこの資金すらほぼ使い切ってしまっており、資金繰りに窮しているとのこと。

今のところ救済する声が一切聞こえてこず、いよいよ破産か、と言われ始めています。

 

 

ofo(オフォ/小黄車)に債権取り立てを求める人々が殺到

ofo(オフォ/小黄車)はシェア自転車ユーザーから初期費用としてデポジット金を受け取っています。

この資金を取り返そうと、ofoの北京本社前には数百人もの人々が殺到しているとのこと。

自分も映像で見ましたが、大正時代の日本の無尽の取り付け騒ぎってこんな感じだったのかなあ・・・という感じです。必死ですね、あちらの人は。

 

 

(以下私見)

ofo(オフォ/小黄車)を個人情報吸い上げツールとして利用できなくなったアリババ

当初、アリババ(およびその傘下企業アントフィナンシャル)はofo(オフォ/小黄車)に出資することで、その利用者情報を集めて他のビジネスに利用することを考えていたようです。

実際、アントフィナンシャルが立ち上げたゴマ信用(セサミクレジット)では、一定以上の数値の人にシェア自転車Hellobikeの利用をデポジット無しで提供するなどしていたりするとのこと。

無料化したり、利便性を高めたり、ユーザーの体験価値を増やすことで、自分たちのビジネス圏に囲い込むためのツールとしてみていたようですが、中国政府はこうした個人情報の民間所有に制限を課し始めていると言われています。

政府管理が進むようになっている今、アリババとしてはofo(オフォ/小黄車)にこれ以上入れ込む必要もなく、単純にキャッシュフローと事業利益面からビジネス価値をみたならば、まったくおいしくないビジネスになってしまった・・・ということのようにみえます。

 

 

 

数か月前から破産の可能性が囁かれていたofo(オフォ/小黄車)

なお、自分もこちらの記事(8月20日)で書いていますが

MobikeもOfoも共倒れ。Hellobike(ハローバイク)があらたに頭角をあらわす

Ofoには数か月前から破産の可能性が囁かれていました。

世界中で展開していた事業を急速にたたんでいたので、資金がショートしつつあるのが見えていました。

とりあえず、それが年末にやってきた、という状況です。

 

 

ofo(オフォ/小黄車)の問題は、なにもOfoだけの問題じゃないユニコーン全体の問題

なお、思うにofo(オフォ/小黄車)の問題というのは、なにもOfoだけに限った問題じゃないと思います。

資金繰りが悪化しているユニコーンはOfoだけではありません。

上場時に赤字のままでOKな状況が長く続いたせいで、投資ラウンドのDとかでもかなりいい加減な投資が行われてきました。

それが一気にポシャる可能性があり、現在進行中でユニコーンの墓場の造成が行われているんじゃないかと思います。

スタートアップバブル・ユニコーンバブルの崩壊に注意~アリババ、ソフトバンクからみえること~ 10月11日の記事です。

Bricksとかユニコーンとか、名前がついたらブームおわりだと思った方がいいという話 8月27日の記事です。

 

 

ofo(オフォ/小黄車)の破産問題は、世界的なカネ余りによって生み出されたユニコーンバブルの崩壊

ofo(オフォ/小黄車)の破産問題っていうのは、要するに世界的なカネ余りによって生み出されたユニコーンバブルの崩壊の一過程なんだと思います。

欧州もアメリカも今後どんどん資金の蛇口を絞っていく予定です。

じゃぶじゃぶに流れていた資金がどんどんなくなっていきます。

そうしたとき、赤字企業は干上がってしまうでしょう。

それがofo(オフォ/小黄車)の問題の本質、ユニコーンバブルの崩壊を意味しているのだと思います。

 

 

以上、私見が多くなり過ぎましたが、他の銘柄にもこれは言えることです。

気を付けましょう。